6話 門の向こう側
真っ暗闇に包まれて、背中がチクチクと痛む。
私は体を起こした。
「空が…」
私が辺りを見渡すと、まるで空が呪いを受けているかのような色をしていた。
「あ!気づいた!」
隣から若い女の声が聞こえた。
「だいぶ眠ってたんだよ?」
声の方をみると、漆黒の髪に黄色い目をした少女がいた。
よく見ると、背中に羽も生えている。
「おぬしは…?」
そう聞くと、少女は少し怒ったように
「忘れちゃったの!僕のこと!」
「はて…」
そんな事を言われてもこんな少女知らない…。
「僕はミカヅキ!あなたに助けてもらった小さな鴉だ!」
「………なにぃいいい!?」
私は、腰を抜かして驚き、ミカヅキと名乗った少女は羽をバサバサと動かしたのだった。
*********
「hi!リンカ!やっと起きたんですね!」
ミカヅキと名乗った少女と話していると、聞いたことのある声が聞こえた。
「おぬしは…!?サチミチ!ここは一体どこなんじゃ!」
「そんなのワタシにも分かるわけないですー」
サチミチは、不思議そうにこっちを見た。
「ははは!2人は本当に仲がいいよね!」
少女はそう言って笑った。
「まぁ、そうかもしれんな」
私たちは草に座って、お互いの状況を確認した。
どうやら私は二日間、眠り続けていたらしい。
そしてミカヅキと名乗った少女は、本当にミカヅキで、この世界だと人の姿になるようだ。
「と、言うのが今分かっている情報で〜す」
「お、おい。ここはゲームの世界なんじゃろ…?」
そういうとミカヅキは、真剣な顔つきになり
「いいや、ここはゲームの世界なんかじゃない、本当にある世界なんだ!」
「ほ、ほぉ…」
「ある時、バァーン!って大きい音が鳴ったかと思ったら急に空が黒くなってね」
ミカヅキは説明をしてくれたが、あまりよく分からなかった。
「すまんのぉ、よく分からんよ」
「まぁようするに!僕たちは異世界に来たってわけです!」
サチミチがそう言ったことで、少し理解した。
「ところで、なんでいつも年寄りみたいに話してるのよ」
「えぇ…そこ気になる?」
「気になる!!」
ミカヅキとサチミチに同時に言われた。
「まぁ、そうじゃのぉ。話すつもりは無かったんじゃが、わしはおじいちゃんなんだよ」
「やっぱり!」「えぇ!?」
ミカヅキは頷き、サチミチは驚く。
「そんな気はしていたわ」
「てっきりそう言うプレイスタイルなのかと…」
「まぁこれからも頼むよ…」
「改めてよろしくお願いします!リンカ!」
「よろしくね!」
2人は優しく、そう言ってくれた。
*********
ある程度、話した後サチミチは立ち上がって
「よし!リンカも起きたし移動しましょう!」
「ん、どこに?」
「私が住んでた村よ、そこなら安全かと思ってね」
「ここは危険なのか」
「ワクワクします!」
そんなこんなで、私たちは出発した。
包まれるように広がる闇の空
彼らは何も知らずに歩く
誰もが幸せを
受け取れる世界のために