2話 レベル上げ
たくさん見ていただきありがとうございます!
「ここが、サコッタ平原…!!」
私は地図を頼りに街の外側、サコッタ平原に到着した。
受付の女性に「何をすればいいのか?」と尋ねたら魔物退治をオススメされたのだ。
魔物を探そうとすると、またも右上に光っているマークが現れた。
私がそれを押すと
〜戦闘エリア到達、おめでとうございます〜
自分のステータスを確認してみましょう。
〜ステータスの確認〜
<Yes> <No>
と文字が表示された。
私は試しに<Yes>を押してみた。
〜リンカ〜
HP 30
KP 10
ATTACK 12
DEFENSE 18
MAJIK 0
MAJIK DEFENSE 14
「ほぉ…」
私は、なんと書いているか全く分からなかった。
「まぁ、いいか…」
出てきた文字をそっと閉じて
「気を取り直して戦うぞ!」
私は草原を、意気揚々と歩き始めた。
*********
「む、あれは…」
私が歩いていくと、目の前にユラユラと揺れる炎を見つけた。
近くまで行くと炎には目と口があり、いかにも魔物のようだった。
私は刀を鞘から抜いた。刀は日光に照らされ、輝いていた。
「…行くぞ!我が愛刀!」
先手必勝、炎に向かって切りつける。
しかし、ユラユラと動く炎に交わされてしまった。
「こんの…!」
その後、炎と格闘すること約1分、全然攻撃が当たらない。
「ヒノゥ!?」
炎がこちらに気づいてしまった。
そして、口から火の粉を飛ばしてくる。
「熱い!あちちちち!」
火の粉はまるで現実のように痛かった。
刀を振り回して火の粉を払っていると、本体に攻撃が命中した。
「ヒノゥ…」
プシューと音を立てながら、炎は消えた。
「やったぞー!」
私は声を高々に叫んだ。
炎が倒れた場所には、硬貨のような物が落ちていた。私はそれを拾い、魔物退治を再開したのだった。
*********
しばらく魔物を倒していると、ピロリン!と音が聞こえた。
〜レベルアップ〜
レベルが上がったのか、これは嬉しい。
早速確認してみよう。
〜リンカ〜
HP 33
KP 10
ATTACK 15
DEFENSE 20
MAJIK 0
MAJIK DEFENSE 16
「おぉ、少しだが上がっている!」
私は、自身の成長に喜びを感じつつバイサクラへと帰った。
バイサクラに帰ると、オロオロとした様子の男性を見つけた。
私は、声をかけずに通り過ぎようと思ったが、緑のツインテールさんを思い出した。
「私も彼のように、人を助けてあげたい…」
私もこの世界に来たばかりだが、話し相手くらいにはなれるだろう。そう思い
「こんにちはー」
と声をかけてみた。彼はこちらを見て
「hi」
そう言ったのである。
*********
「すいません、日本語へたで…」
「いやいや…とっても上手ですよ」
私たちは団子屋の椅子に腰掛けて話している。
彼の名はサチミチ、外国に住んでいるが日本のゲームが好きで異門を始めたらしい。
「でも、嬉しいです。話しかけてくれて!」
サチミチはそう言って笑った。
「いえいえ、困った時はお互い様ですぞ」
それから、私たちはこのゲームについて語り合った。
「すごいですよね!この景色!」
「花びらが散っているところも綺麗じゃよ」
「I think so…私も思います!」
私たちはすっかり意気投合して話し込んでいた。
「フレンド機能って無いのかな?」
サチミチはそう言って、何かを探し出した。
「あぁ、ありました!リンカさん、友達になりましょう!」
〜フレンド申請が届いています〜
サチミチとフレンドになりますか?
<Yes> <No>
私はサチミチを向いて
「これからよろしく頼みます」
と言いながら<Yes>を力強く押した。
それから、サチミチにギルドの場所を教えて私たちは別れた。
互いにまた会おうと誓って。
「よし、今日はもうやめるかの」
サチミチに教えてもらった「ログアウト」をして私はゲームを終了した。
装置を取って時間を見ると、1分ほどしか経ってなかった。
「すごいのぉ」
私は畳な寝転がり今日の冒険を思い出した。
「この歳になってゲームを始めてみたが…」
「親切な人や、友達に出会えて」
「幸せな気持ちじゃ」
梅野林蔵。いや、リンカは生きがいを見つけた。
この世界とは違う…もう一つの世界で。