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1話 初めてのVRMMO

「いらっしゃーい!異門の世界へようこそー!!」


・・・・・・・・・


「まずは、あなたの名前を教えてください!」


「名前…本名ですか?」


私は人の言葉を話す小さな生き物に聞いてみた。


「いやいや!!本名はダメだよ!」


・・・・・・・・・


「ニックネームとかがいいかな!」


ポーズを決めながら、そう言われた。


「ニックネーム…」


考えてみるものの、中々いい名前が浮かばない。


「オススメのニックネームを出してみようか?」


「はい、お願いします!」


すると、目の前に名前が出てきた。


サキ、ミコト、ヤリュウ、コウテンなどなど…


文字をずらしていくと、ある名前にピンときた。


「これなんかどうだろうか?」


「おぉ!いいね!」


私が選んだ名前は、リンカ。林蔵のリンが入っていて馴染みやすいと思ったのだ。


・・・・・・・・・


「それではリンカさん!あなたの容姿を決めましょう!」


「ほぉ…!」


私は小さな生き物、レドルに教えてもらいながら、「キャラクタークリエイト」をした。


「よぉし…出来たぞ!」


そして遂に私の分身、リンカの容姿が完成した。

黒く爽やかな短髪に、キリッとした目元、ポイントとして目を赤くしてみた。

うん、我ながらカッコいい。


「うんうん!いい感じだよ!」


・・・・・・・・・


「では最後に!あなたが異門の世界に降り立つ町をきめてね!」


レドルが手を広げると、広く広大なマップが表示された。


私はその中でもある一つの街に目を奪われた。


「それなら…バイサクラに!」


「梅と桜の街だね!りょうかい!」


するとレドルが浮かんだ。


・・・・・・・・・


「異門を開きしリンカよ、これより貴方が舞い降りるは遥かなる大地、四千世界。貴方に新たな出会いと、心躍らせる冒険が訪れんことを願う。」


・・・・・・・・・


だんだんと空間が消えていく。


「これまでありがとう」


レドルに声をかけると


「いってらっしゃい!」


と笑顔で送り出してくれた。






*********







私が次に目を開けると、そこはさっきまでレドルといた場所では無く、桜と梅が咲き誇る街、バイサクラだった。


「す、すごいのぉ…」


バイサクラの景観はまさに圧巻だった。桜や梅の木々が至るところに植えてあり、花びらが舞い散っていた。街も活気に溢れていて皆の表情も明るかった。


「あ、そうだ」


私は、自分の姿を確認してみた。

短髪の赤い目をした青年、リンカになっていた。


「ふっふっふ、やったぞぉ!」


2、3歩歩いてみる。足が軽い!腰が痛くない!

私は、久しぶりの快適な散歩を楽しんだ。


散歩を楽しんでいると、司会の右上に光っているマークを見つけた。

マークを押してみると、目の前に文字が表示された。


〜四千世界へようこそ〜

まずは、ギルドに行かれてみてはいかがでしょうか。

ギルドでは、様々な職業になることができます。


「ほぉ…」


散歩をしている時に貰ったバイサクラの地図を確認すると、すぐ近くだった。

私は、ギルドに行ってみることにした。






*********






巨大な瓦屋根の建物、ギルドに着いた。


「ここが、ギルド…」


私は、緊張しながらもギルドの中へと入った。

ギルドの中はとても広く、賑わっていた。よく見ると畳スペースもある。

私が店内の様子に目を奪われていると


「よぉ、あんた初心者か?」


2mはあろうかという巨大に、肌の色は緑でツインテールな男に話しかけられた。


「はい…初心者です。すごいですね」


「ははははは!そうだろう!」


男は大笑いした。


「何か分からないことがあったら、遠慮無く聞いてくれ!初心者歓迎だ!」


そう言ってニッコリ笑った。


「あぁ、良かった。いい人だぁ…」


私は心の中で安堵した。


「ほぉ!初めてのVRMMOか!若いねぇ!」


「初めてはドキドキするよね」


私は今、緑のツインテールの方に連れられて畳で休憩している。他にも優しそうな男性、綺麗な女性も座っていた。


「ギルドに来たってことは、職業を決めるのかい?」


優しそうな男性に心をかけられた。


「そうなんです…でもよく分かってなくて…」


「よし!俺が説明してやろう!」


ツインテールさんが立ち上がった。


「この世界には、大きく分けて2種類の職業があるんだ!」


「1つは、戦闘のための1次職業、2つは魚を釣ったり建物を作ったり、色々なことが出来る2次職業だ」


「この2つの中から1つずつ選べるんだよね」


「えぇ、私はガンナーよ」


「僕はサンダラ」


「俺はブレイダーだな、他にもたくさん職業はあるんだが、リンカはどう戦いたいんだ?」


「そうですの…侍とかカッコいい!って思うんですが」


「サムライ!決まりだな!」


「いいと思うよ!」


皆さんに肯定され、心が温かくなった。


「それじゃ!俺たちはそろそろ行くか!」


「頑張ってね」


「よい冒険を!」


「はい…色々とありがとうございます…」


私は手を振った。そうするとツインテールさんたちも手を振ってくれた。


あぁ、人と話すのはこんなにも楽しいのか!

最初に会った時はその見た目から、殺されるんじゃないかと思ったが、


「人は見た目によらないな」


そう思った。






*********






「こんにちは、職業を決めたいのですが」


「では、こちらのシートにご自身の名前と、就きたい職業をお書きください」


私は今、受付で職業を決めようとしている。


「書きました」


「では確認しますね!」


「リンカさん、職業はサムライをご希望ですね?」


「はい…お願いします!」


「では、こちらの装備をお受け取りください。なお、街の中では武器は使えなくなっておりますのでご了承くださいませ」


「ありがとうございます」


「では、良き旅を!」


私は装備を受け取った。すると、


〜手に入れたアイテムを装備しますか?〜


<Yes> <No>


と文字が現れた。

私が<Yes>を押すと、一瞬で装備できてしまった。

見た目は、街の人が来ているような服だった。

そして腰には、刀が刺さっている。


「よっし…!」


これから私の大冒険が始まるのだ!



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