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第49話 武器を作ろう。

「ごちそうさまでした。」

今日のランチも美味しかった。

「ごちそうさま。」

トオルも食べ終わったので、お盆をカウンターに持って行く。

「健一さん。美味しかったです。ごちそうさまでした。」

「ごちそうさまでした。」

お盆をカウンターに置きながらトオルと声をかける。

振り返ったケンイチさんがお盆を見てニコリとする。

「下げてくれてありがとう。美味しかったなら良かった。」

カウンターの内側へお盆を下げた。

「コーヒーをお願いしたいのですが」

ケンイチさんが僕を見ながらウンウンと頷く

「今日は少し濃いめ・・・苦みが強めのコーヒーが良いのですが」

好みを言っている途中でケンイチさんが眉を上げ少し目を見開いて聞いていたが、最後の“お願いできますか?”の言葉を言うより先に

「オーケーオーケー」

にこやかに答えてくれる。

「少し濃いめで苦み強めだね?

苦みはどのくらいが良いかな・・・。

前回のを基準にして1.5倍とか3倍とか。

舐めるように飲むくらいの苦さとか。

選べるけどどうする?」

楽しそうな笑顔で聞いてくる。

舐めるように飲む苦さって!!?

チョットだけ興味が有るけれど、飲めなくて残したら申し訳ないからやめておこう。

「え・・・と。

前回いただいたコーヒーを基準に・・・」

1.5倍だとチョット物足りないような気がするし、かといって2倍にしてしまうと苦すぎる気がする・・・その間くらいがいいな。

「1.7倍位の苦みでお願いします。」

「かしこまりました。腕が鳴りますね。

とおるはどうする?」

問われたトオルはお腹をさすりながら

「コーヒーは飲みたいけれど、今お腹いっぱいだから少し後でお願いします。」

「了解。

では、お席で楽しみにお待ちくださいませ。」

僕ににこやかにお辞儀をしてコーヒーの準備に取りかかった。

トオルと席に戻り、パソコンを広げる。

僕のログインは後回しにして、トオルの横に座って画面を覗き込む。

「じゃぁ、まずはルールーストアに行こう。」

「おぅ。」

ルールーストアに入って店主に話しかけると、僕の時と同じ展開になった。

ルールーストアルートがトオルも使えると分かってホッとした。

「じゃ、ミッションと同じように進めてみて。

品物の納品の時は、僕の手持ちに有れば渡すから声かけて。

たぶん、一気に3つか4つはランクとレベル上げられると思う。

それ以降は、少し時間が必要な内容になるはず。

僕と職業が違うから、確実じゃないけど。

何かあったら声かけて。」

「おぅ。了解!」

自分の席に戻り、パソコンを広げる。

少し遅い立ち上がりを待っていると、ケンイチさんがお盆を持って来るのが見えた。

楽しみで、すぐにパソコンを横の席にずらす。

「お待たせいたしました。」

ケンイチさんがコーヒーを目の前に置いてくれる。

見た感じ濃いめのコーヒーで、苦みが勝った薫り。

飲む前から希望通りのコーヒーだと、期待に胸が膨らむ。

カップを手に取り薫りを楽しんだ後、口に含む。

そっと飲み込んだ後の鼻に抜ける薫りも楽しむ。

美味しい。

ケンイチさんを見上げると、キラキラの瞳で僕の感想を待っている。

「すごいです!

僕が飲みたかったのはこのコーヒーです。

美味しい。」

ふんわりと笑顔になったケンイチさんは

「ありがとうございます。」

とお辞儀をする。

「さて、さとるくん。」

顔を上げたケンイチさんはパソコンをチラリと見てから、笑顔を僕に向ける。

あれ?

なんか、ケンイチさんの笑顔が・・・凄みがあるような・・・?

「はい。」

疑問に思いながら返事をすると

「2台目のパソコンのようだけど、ちゃんとココのWi-Fiに繋いでるのかな?」

「え、と。いえ。・・・その。」

怒られるような雰囲気にしどろもどろになる。

「だろうと思ったよ。」

軽くため息をついたケンイチさんが

凄みを消した柔らかな笑顔になって、少ししゃがむと同じ目線で見つめられた。

「さとるくんなら、2台目をココのWi-Fiに繋ぐ時は話を通してから繋ぎそうなのに、何も言ってこない。

って事は、自分の回線にテザリングで繋いでるんでしょ?」

「あ。はい。」

2台目も繋がせてもらうのは図々しい気がしたし、トオルが人見町ひとみちょうダンジョンの条件を満たせばゲーム攻略を急ぐ事も無くなる。

こうやって外にノートパソコンを持ち出して進める事も無くなるだろうし、トオルがウチに来る必要も無くなる。

今日と、後1回か2回なら自分の回線でと思ったんだけど・・・。

「さとるくんの人柄だから、それも良いとおもうけれど。

今は、特殊な状況でしょ?」

目を見つめたまま頷くと

「今回の回線の件であれば、特に問題は無いけれど。

遠慮が過ぎるとスムーズに事が運ばない場合も有る。

例えば・・。

さとるくんが情報を手に入れた時に、迷惑になるかもしれないと遠慮して伝え無かった場合。

他の選択肢も有ったかもしれないのに、その機会を失う。

とか。」

ん~・・・ん?

理解しようとケンイチさんの目を見つめたまま考えていると

「考え方を切り替えるのは難しいよね・・・。

そうだな・・・じゃぁ、こう考えてみるのはどうかな?

相手に選択の権利を与える。

あるいは、相手の選択の権利を奪わない。」

奪わない?!

奪うことになるんだ・・・。

「わかりました。奪わないようにします。」

深く頷きながら答えると、

「奪う。と言う言葉は強すぎたかな・・・。」

困ったような顔でフォローを入れようとしている様子のケンイチさんに

「あ。大丈夫です。たぶん、理解するのに必要なワードだったと思うので。

すぐに切り替えられないかもしれませんが、気をつけてみます。」

ケンイチさんの目を見つめながら答えると、

「そうかい? わかった。」

躊躇いがちにそう答えるケンイチさんに

「大丈夫です! それより、遠慮が無くなったら僕が困った存在になる可能性が有りますけど、大丈夫ですか?」

笑顔で聞くと、少し困った顔になっていたケンイチさんがふわりと笑顔になり

「大丈夫。遠慮無く頼りにしてくれて良いよ!

無理なことはムリと遠慮無く言って、無理はしないさ。」

ケンイチさんの返事を聞いて安心する。

あまり自信満々に任せておけ!と胸を叩かれても、無理を通しそうで不安になるから・・・。

「よし。と。 じゃ、コレ。」

いつもの笑顔に戻ったケンイチさんがメモを渡してくれる。

Wi-Fiのパスが書かれている。

「ありがとうございます。」

受け取ると

「どうぞごゆっくり」

カウンターに戻って行った。

こちらを見ていたトオルと目が合った。

「俺も、健一さんと同じく遠慮しなくて良いからな。

もちろん、無理ならムリと言うから気にしなくて良い。」

少し驚いたけれど

「ありがとう。」

と素直に聞いておく。

Wi-Fiに繋いでログインすると、オーナー目指して周回を始める。

途中、トオルが納品条件を出されて話しかけてくる以外は黙々とお互いパソコンに向かう。


さとる

どうやら時間がかかる条件になったみたいだ。」

トオルの声に、隣の席に移動する。

「あー。うん。だね。時間が必要だから、ひとまず置いておいて。

この間に武器を作ろう。」

「武器を作る?」

「そう。必要な物はもう送ってるから、一緒に作ってみよう。

しばらくは今回作る武器で満足できると思うけど、行く行くは自分が満足できる武器を素材を集めたり条件を揃えたりして作ると良いよ。」

「わかった。」

隣のトオルの顔を見ると、少し緊張の面持ちだ。

「じゃぁまず鍛冶屋に行こう。」

鍛冶屋の親方に話しかけてもらう。

「武器精製を選択して。

この武器を選んで。

必要な素材は揃ってるから、依頼するを選んで。

うん。これでOK。

今回は元になる武器と素材で精製してもらったけど、素材で生成する事も出来るし、鍛錬する事も出来る。

それぞれ素材やお金が必要だから、出来上がりと見合っているのか考えてね。」

「わかった。」

「じゃ、出来上がりまでの時間で上級ダンジョンに行こうか。

上級でも低レベルダンジョンなら、今の装備で充分行けるはず。」

「いよいよ上級攻略か!」

ウキウキしているトオルに上級低レベルの中でも攻略しやすいダンジョンに入ってもらう。

うん。余裕だね。

特にアドバイスも必要なくクリアした。

「ルールーストアを次に進めてから2個目の上級ダンジョンに行こうか。

待ち時間があと20分位か・・・。

何かゲームで分からない事とか有る?」

「そうだな・・・。」

トオルが顎に手を当ててしばらく考え込む。

人見町ダンジョンの条件達成を目標にダンジョン攻略している段階だし、特に質問は無いかな。

人見町の条件クリア後のゲームプレイで山ほど分からない事が出てきそうだけど・・・その時はその時に答えれば良いだろうし。

あ!と何かに気付いたかのように顔を上げたトオルが

「そう言えば、ギルドにまだ入ってないんだが・・・いつ入るのがいいだろう?」

「え?」

まだ入ってなかったんだ?

ハイトさんから招待が届いてない?

「招待って来てる?」

「あぁ。確か。」

招待状を表示する。

「来てるね。・・・。」

まだ入ってないとは思ってなかった。

すぐに入って良いと思うけど・・・。

んー・・・。どうしようかな。

正直、今のタイミングは・・・。

ギルドの新人は注目されるからなー。

他のギルド員も騒ぐかもしれないし・・・クルスさんとハイトさんがどう反応するかな。

一気にレベル上がってて驚くだろうな。

この後もしばらく考えられないスピードでレベルアップすると思うから。

うーん・・・。

人見町ダンジョンの条件クリアして、行動を共にするようになるタイミングで入る方がいいかもな・・・。

ギルド特典の回復は、僕が回復薬山ほど渡してるし。

ステータスアップのギルド特典も、今のトオルなら無くても何とかなりそうだ。

「ギルドに入るのは、人見町ダンジョンの条件クリアしてクルスさん達とパーティー組むタイミングでいいんじゃないかな。」

「ん?そうか。んじゃ、そのタイミングで入らせてもらおうかな。」

「・・・レベルアップのスピードが驚くほど速いから、詰め寄られるかもしれないけどね・・・。」

「え? 詰め寄られるって・・。マジ?」

「マジ。パーティー組む時は僕も一緒だろうし、・・・」

よく考えるとゲーム初心者のトオルより

「詰め寄られるのはむしろ僕か・・。」

あのガタイの良い2人に詰め寄られる光景を思い浮かべて冷や汗が出る。

ハハ・・まぁなるようになる。かな。

「そろそろルールーストアの時間じゃないかな。」

「了解。」

ルールーストアに行き、店主に話しかける。

無事ランクアップして次に進んだ。

「次はコレかぁ。

じゃ、錬金術の店に行ってくれる?」

「錬金術の店な。了解。」

トオルが移動している間に、必要な物を送る。

3店舗の錬金術の店に、それぞれ4つずつ依頼して待ち時間に入った。

「んじゃ、上級ダンジョンに行こうか。」

「了解。」





ーーートオルーーー


「ごちそうさまでした。」

手を合わせて軽くお辞儀をしながらさとるが食べ終わった。

それほど時間差が無く、俺も食べ終わる。

「ごちそうさま。」

お盆をカウンターに持って行く。

「健一さん。美味しかったです。ごちそうさまでした。」

「ごちそうさまでした。」

お盆をカウンターに置いて声をかけると、振り返った健一さんがお盆を見てニコリとする。

「下げてくれてありがとう。美味しかったなら良かった。」

お盆を引いている健一さんにさとるが声をかける。

「コーヒーをお願いしたいのですが、今日は少し濃いめ・・・苦みが強めのコーヒーが良いのですが」

「オーケーオーケー」

細かい好みのコーヒーの注文に、健一さんがノリノリで喰い気味に返事をしている。

「少し濃いめで苦み強めだね?

苦みはどのくらいが良いかな・・・。

前回のを基準にして1.5倍とか3倍とか。

舐めるように飲むくらいの苦さとか。

選べるけどどうする?」

舐めるように飲む苦さって!!俺はムリだ。

「え・・・と。

前回いただいたコーヒーを基準に・・・」

少し間を置いて考えたさとる

「1.7倍位の苦みでお願いします。」

と注文する。

細か!1.7倍って!

健一さんを見ると、何とも楽しそうな笑顔で

「かしこまりました。腕が鳴りますね。」

腕まくりをするような仕草をしながら気合いが入っている。

とおるはどうする?」

食後のコーヒーは欲しいんだけど、さすがに食べ過ぎて今はいいかな。

「コーヒーは飲みたいけれど、今お腹いっぱいだから少し後でお願いします。」

「了解。

では、お席で楽しみにお待ちくださいませ。」

楽しそうだな。

席に戻ってパソコンを立ち上げる。

さとるが隣に座る。

「じゃぁ、まずはルールーストアに行こう。」

「おぅ。」

ルールーストアに入って店主に話しかける。

『こんにちは。・・・・・。

兄ちゃん、騎士のランク上げたくはないかい?

今の兄ちゃんのランクを1上げる為には、街外れに住んでるゼフィ爺さんの所に行ってもらう必要が有る。

ランク上げる気があるなら行ってみてくれ。』

ゼフィ爺さんと言うと、最初のミッションの爺さんだな。

「じゃ、ミッションと同じように進めてみて。

品物の納品の時は、僕の手持ちに有れば渡すから声かけて。

たぶん、一気に3つか4つはランクとレベル上げられると思う。

それ以降は、少し時間が必要な内容になるはず。

僕と職業が違うから、確実じゃないけど。

何かあったら声かけて。」

「おぅ。了解!」

横で見ていたさとるがそう言い置いて自分の席に戻る。

健一さんがコーヒーを持ってきた。

香ばしさが強めの薫りに、さとるがリクエストしていた通りの苦み強めのコーヒーなんだろうと予想が出来る。

「お待たせいたしました。」

じっくりと味わったさとる

「すごいです!

僕が飲みたかったのはこのコーヒーです。

美味しい。」

声を弾ませている。

「ありがとうございます。」

やわらかくお礼を言った健一さんだったけれど

「さて、さとるくん。」

少し声の調子が変わっている。

どうしたんだろう?

「はい。」

「2台目のパソコンのようだけど、ちゃんとココのWi-Fiに繋いでるのかな?」

「え、と。いえ。・・・その。」

「だろうと思ったよ。」

健一さんが軽くため息をつく。

「さとるくんなら、2台目をココのWi-Fiに繋ぐ時は話を通してから繋ぎそうなのに、何も言ってこない。

って事は、自分の回線にテザリングで繋いでるんでしょ?」

「あ。はい。」

あぁ。そう言う事か。

・・・全く気がまわってなかったな・・・。

「さとるくんの人柄だから、それも良いとおもうけれど。

今は、特殊な状況でしょ?

今回の回線の件であれば、特に問題は無いけれど。

遠慮が過ぎるとスムーズに事が運ばない場合も有る。

例えば・・。

さとるくんが情報を手に入れた時に、迷惑になるかもしれないと遠慮して伝え無かった場合。

他の選択肢も有ったかもしれないのに、その機会を失う。

とか。」

さとるは首を傾げて健一さんを見つめている。

「考え方を切り替えるのは難しいよね・・・。

そうだな・・・じゃぁ、こう考えてみるのはどうかな?

相手に選択の権利を与える。

あるいは、相手の選択の権利を奪わない。」

「わかりました。奪わないようにします。」

深く頷くさとるに、少し慌てたように

「奪う。と言う言葉は強すぎたかな・・・。」

他の言葉を探している様子の健一さんに

「あ。大丈夫です。たぶん、理解するのに必要なワードだったと思うので。

すぐに切り替えられないかもしれませんが、気をつけてみます。」

さとるが言うが、まだ他の表現が無かったか考えている様子で

「そうかい? わかった。」

躊躇いがちに答えるケンイチさんにさとる

「大丈夫です! それより、遠慮が無くなったら僕が困った存在になる可能性が有りますけど、大丈夫ですか?」

笑顔で言っている。

「大丈夫。遠慮無く頼りにしてくれて良いよ!

無理なことはムリと遠慮無く言って、無理はしないさ。」

健一さんの戸惑いの表情は引っ込み、いつもの笑顔になる。

「よし。と。 じゃ、コレ。」

健一さんがメモを渡すと

「ありがとうございます。」

さとるがお礼を言っている。

Wi-Fiのパスワードのメモかな。

「どうぞごゆっくり」

健一さんがカウンターに戻って行った後、さとると目が合う。

「俺も、健一さんと同じく遠慮しなくて良いからな。

もちろん、無理ならムリと言うから気にしなくて良い。」

ずいぶん遠慮はなくなって気安い間柄になってきているとは思うけれど、こういう事を改めて言う機会はそうそう無いからな・・・言える時にちゃんと言っておこう。

「ありがとう。」

その後は2人ともパソコンに向かう。

ルールーストアの条件に品物の納品が出た時はさとるに声をかけるとすぐに品物を送ってくれる。

レベルもランクも3ずつ上がった段階で、

『兄ちゃん、いらっしゃい。

悪いなー。今から休憩なんだわ。

しばらくしてから来てくれるかい。』

これが時間がかかる条件って事か?

さとる

どうやら時間がかかる条件になったみたいだ。」

画面はそのままにさとるに声をかけると、隣の席に来て画面を確認する。

「あー。うん。だね。時間が必要だから、ひとまず置いておいて。

この間に武器を作ろう。」

「武器を作る?」

武器は作るものなのか。

「そう。必要な物はもう送ってるから、一緒に作ってみよう。

しばらくは今回作る武器で満足できると思うけど、行く行くは自分が満足できる武器を素材を集めたり条件を揃えたりして作ると良いよ。」

「わかった。」

俺に出来るのか?とも思うけれど、まだ先の話だし。その頃には一人で出来るようになってるだろう。たぶん。

「じゃぁまず鍛冶屋に行こう。」

地図を見ながら鍛冶屋に行き、親方に話しかける。

『今日は何の用だ?

鍛錬

武器生成

武器精製

防具生成

ー』

鍛錬から始まる選択肢が長く続いている。

横から指さしながら指示するさとるの言う通りに選択していく。

「武器精製を選択して。

この武器を選んで。

必要な素材は揃ってるから、依頼するを選んで。

うん。これでOK。」

何か、すごい数の素材の名前が並んでたが?

「今回は元になる武器と素材で精製してもらったけど、素材で生成する事も出来るし、鍛錬する事も出来る。

それぞれ素材やお金が必要だから、出来上がりと見合っているのか考えてね。」

「わかった。」

さとるがそう言うって事は、今回の武器はあの素材の数とお金に見合った武器って事だろう。

最初に言ってた、しばらくは今回作る武器で満足出来るって、今回作る武器が相当良い物って事か。

出来上がるのが楽しみだ。

「じゃ、出来上がりまでの時間で上級ダンジョンに行こうか。

上級でも低レベルダンジョンなら、今の装備で充分行けるはず。」

「いよいよ上級攻略か!」

人見町ひとみちょうダンジョンの条件クリアが近付いて来たな!

さとるが選んだダンジョンに入って攻略する。

中級ダンジョンとそれほど変わらない難易度に思えた。

俺がそれだけ強くなってるって事か。

上級ダンジョンは15個クリアが条件だったよな?

中級が後5個と上級。この調子で行ければ来週にはクリア出来そうだ。

「ルールーストアを次に進めてから2個目の上級ダンジョンに行こうか。

待ち時間があと20分位か・・・。

何かゲームで分からない事とか有る?」

20分待ってでも、タイムラグ無しでルールーストアを優先するって事は、ダンジョン攻略よりルールーストアでのランク上げが大事って事か。

分からない事・・・。

「そうだな・・・。」

正直分かって無い事が分からない状態だしな。

ダンジョン攻略に必要な事以外はサッパリだ。

とにもかくにも人見町ダンジョンに行けるようにならないと、さとるとクルスやハイトとパーティーを組めないからな。

あ!!

「そう言えば、ギルドにまだ入ってないんだが・・・いつ入るのがいいだろう?」

「え?

招待って来てる?」

「あぁ。確か。」

招待状を表示する。

「来てるね。・・・。」

招待状の画面をじっと見つめながら、右手人差し指をこめかみに当てて考え込んでしまった。

この前の話の時点で入ってて良かったのか?

「ギルドに入るのは、人見町ダンジョンの条件クリアしてクルスさん達とパーティー組むタイミングでいいんじゃないかな。」

「ん?そうか。んじゃ、そのタイミングで入らせてもらおうかな。」

考え込んでいたさとるの返事に、ゲームの細かい事は分からないから、さとるの判断に任せる。

「・・・レベルアップのスピードが驚くほど速いから、詰め寄られるかもしれないけどね・・・。」

「え? 詰め寄られるって・・。マジ?」

俺の、称号?が何かマズイのか?

「マジ。パーティー組む時は僕も一緒だろうし、・・・

詰め寄られるのはむしろ僕か・・。」

何故(さとる)が?

・・・ゲームの事を分かってるさとるに聞くのが確実か。

俺が詰め寄られても答えられる事なんて無いしな。

「そろそろルールーストアの時間じゃないかな。」

「了解。」

ルールーストアに行き、店主に話しかける。

『兄ちゃんいらっしゃい。

さっきは悪かったね。

確かに、依頼は完了だな。お疲れさん。』

無事ランクアップして次に進んだ。

『よぉ兄ちゃん。

もし良かったらだが・・・。

親父の好きな“火神の息吹”って酒持ってきちゃくれないかい?

兄ちゃんの職業レベルとランク上げの助けにもなると思うんだ。

あ。念のためもう一度言うが、“火神の息吹”だぞ。

間違えたら大変だからな・・・。

まぁ、手に入ったら持ってきてくれよ。

兄ちゃんにも損はないゼ。』

「次はコレかぁ。

じゃ、錬金術の店に行ってくれる?」

「錬金術の店な。了解。」

マップを見ながら移動する。

錬金術の店は街中に何店舗も表示されている。

一番近い店に入り、錬金術師に話しかける。

『錬金の依頼かい? 材料は揃ってるんだろうね?

作る物は何だい?』

セリフの後に、タブ付きの一覧表が表示された。

『酒』タブを開いて“火神の息吹”を選択する。

『材料と料金を貰うよ。』

『依頼する』を選択する。

錬金は失敗する事も有るから、4セットを3店舗で依頼するようにさとるに指示され、錬金術の店を3店舗巡って依頼を終える。

「んじゃ、上級ダンジョンに行こうか。」

「了解。」

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