表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/63

第4話 え・・・と・・・。それで、君は誰?

さて。何から聞こうかな。

「ヨウイチ君は僕の事よく知ってるみたいだけど、なんで?」

と一番の疑問を聞いてみる。

ゲーム内での僕とリアルでの僕を結び付けられる人は居ないはずなんだ。

ゲーム運営スタッフならありえるか?でも何故なのかが分からない。

ヨウイチはとても困った顔をしている。

「俺の事本当にわからない?ダンジョン攻略の時によく呼んでくれてたんだけど…。

ゲインダンジョン攻略の時とか、たぶん毎回一緒だと思うんだけど。」

呼ぶ?

よくプレイヤー同士で協力してダンジョン攻略して、気が合った同士 リアルで会ったりしている話は噂で聞くけれど。

僕は、名前のせいもあって ぼっちギルドだし。

ギルドの枠を超えて一緒にダンジョン攻略も可能だけれど、そういう知り合いは居ない。

ゲインダンジョンは確かによく行くけれど、それはほぼ全プレイヤーに当てはまる話だ。

現在開放されているダンジョンの中で獲得通貨経験値共にバランス良く多めに獲得できて、攻略も比較的ラク。

しかもドロップアイテムも期待出来る。

イベントが開催されていない時の巡回場所として、一定レベル以上のプレイヤーでは有名だ。

なんとなく、詐欺とか、何か罠にハメられようとしているんじゃないかと不安がわいてくる。

詐欺師に狙われるような貯金も無い自分にそんな訳ないとは思うけれど…。

少し考え込んでいると、ヨウイチが軽くため息をついた。

「あのさ。」

ヨウイチの呼びかけに顔を上げると、ヨウイチが、自分の斜め後ろの方を指差しながら

「あのテーブルの人、ケーボーの知り合いだよね?さっき会った時そばに居たし。

ケーボーが一緒がいいと思うならこっちに来てもらったらどうかな。」

そう言われて振り向くと、同僚の心配気な顔があった。

驚いたのと同時に緊張が緩むのも感じる。

さっき、一緒に来てもらえば良かったと後悔していたので、渡りに舟とばかりに飛びつく。

「あ。じゃあ呼んでくる。少し事情を説明してからでいいかな。」

と言うと少し肩をすくめて「どうぞ」といってくれた。

同僚の席に急ぐ。



ーーヨウイチーー

居住まいを正したケーボーからの第一声は、

「ヨウイチ君は僕の事よく知ってるみたいだけど、なんで?」

だった。

はぁ…心の中でため息をつく。

「俺の事本当にわからない?ダンジョン攻略の時によく呼んでくれてたんだけど…。

ゲインダンジョン攻略の時とか、たぶん毎回一緒だと思うんだけど。」

大きなクエスチョンマークが頭の上に浮かんでいるのを幻視出来るような顔をして考え込んだケーボーを観察する。

しばらく待ってみたが、一向に混乱アイコンが消える様子が無い。

それどころか警戒アイコンが強くなる。

……。

軽くため息がもれる。

「あのさ。」

呼びかけに顔を上げたケーボーに、斜め後ろの席を指差し。

「あのテーブルの人、ケーボーの知り合いだよね?さっき会った時そばに居たし。

ケーボーが一緒がいいと思うならこっちに来てもらったらどうかな。」

こうなってくると、二人では一向にらちが明かない。

知り合いみたいだし、ひも付けはどうやらケーボーからでは無く、相手側からの物のようだ。

そう判断してケーボーに言うと、案の定ケーボーは全く気付いていなかった様だ。

「あ。じゃあ呼んでくる。少し事情を説明してからでいいかな。」

と言うケーボーに

「どうぞ」と促した。

知り合いの席に急ぐケーボーを見送り、これで話が進めばいいんだけど…。

いったいココは何処なんだ?

ダンジョンじゃないし。

見た事も聞いた事もない場所で、頼りは知った顔のケーボーだけだと言うのに、ケーボーは俺の事を知らないと言う。

誰かに呼ばれて来てるはずなのに……。



ーートオルーー

食事を終えて話し始めた二人を観察する。

少し話した後、同僚が考え込むように俯いている。

大丈夫なのか???

偶然を装うには無理がありすぎるが、それでも話しかけた方がいいんじゃないだろうか??

そう思って、席を立とうとしたタイミングで相手の人物がこちらを見た。

!!?え?

同僚に話しかけて、こちらを指し示す。

振り返った同僚が相手に何か告げてこちらに来る。

冷や汗をかきながらも座り直して同僚を待った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ