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第23話 何があったの?

目が覚めた。

「あれ?」

思わず声がもれる。

なんで部屋で寝てないんだろう?

そう思いながら、自分の家のリビングなのは分かるからのんびりと思い切り伸びをする。

両足を少し上げてから反動でふわりと起き上がる。

横にヨウイチが居るのを見て思い出した。

そうだった。

昨日の夜ヨウイチが突然現れて・・・お風呂に入ってる間に寝ちゃったのか・・・。

ヨウイチお腹すいてなかったかな?

様子をうかがうが、グッスリと眠っているようだ。

そっと起き出し、身支度を整え着替えまで済ませる。

リビングを覗くが、まだ起きる気配はなさそうだ。

自室に行きユグドラシルにログインする。

いつものルーティンは後回しに、掲示板に行ってみる。

時間を昨日の18時以降に限定して表示するが、特にヨウイチに関係ありそうな・・・つまりはものゴッツい男や背の高い男の書き込みは無いようだ。

ん~・・・・・。

ヨウイチの様子を見るに、あまり待遇が良くなかったのではないかと思う。

こちらから掲示板に何か書き込むのはナシだな。

まずはヨウイチの話を聞いて、考えよう。

ヨウイチの食事が問題だなー。

僕が普段食べるファミレスなんかは、ヨウイチは食べたくないみたいだ。

トオルが好むような食事だったら大丈夫そうだけど・・・。

今日は土曜日。

トオルと行く定食屋は、土日休みだ。

となると、フルーツ。

でも、フルーツだけで食事代わりにするのも問題あるよなー。

思いつくのは、健一さんの所で食べさせてもらったランチだけど。

あれ。

メニュー表に載ってなかったんだよな。

たぶん、トオル用の特別メニュー。

厚かましい気もするけど、オープン時間になったら電話して聞いてみようかな?

喫茶店の名前で検索したら出てきた。

電話番号をケータイにメモして、ゲームのルーティンを終わらせパソコンを切る。

もう一度リビングを覗くが、ヨウイチはグッスリのようだ。

少し考えたけど、コンビニに行くことにした。

ヨウイチは僕の位置をマップで把握できるし、大丈夫だろう。

こちらの字が読めるかわからないけれど、念のため“買い物に行ってきます。20分ほどで戻ります。”と書いたメモをリビングのドアの内側に貼り付けてから出かけた。

コンビニでサラダとフルーツを買って戻ると、ヨウイチはまだグッスリ寝ていた。

そっと冷蔵庫に入れて自室に行く。

右手人差し指をこめかみにあてて考える。

まず一つ。

ヨウイチがゲームの時のように条件達成で家に帰る事が出来なかった場合。

その場合、こちらにずっと居る事になるだろうけど。

あの疲れた様子と、まずお風呂に入らせて欲しいと言ってきた事を考えると・・・あの人達の元に居ていいんだろうか?

ヨウイチの気持ち次第だけど・・・・イヤ、たぶん逃げて?来たんだろうし、戻りたいと思うだろうか?

そうなった場合、僕の所に居続けることは出来るのか?

あちらが了承するかどうかは別問題として、この社宅に住まわせる事は規約違反にならないだろうか?

家族なら一緒に住めるだろうけど、身分証明も出来ない人物を住まわせるのはきっと問題になる。

部屋は有るんだけどなー。

数日なら特に何も言われないだろう。

どの家も、友人知人を泊めることは有るし。

ずっと、となるとこの社宅では無理だろうな。

次に。

ヨウイチがコール主の条件達成でキチンと帰れる場合。

その場合でも、コール主の元でちゃんとした待遇が受けれるのかが問題だよな。

待遇改善を要求して受け入れられない場合どうするか・・・。

ものゴッツい男の方は、ちゃんと話せばわかってくれる雰囲気が有ったけど、背の高い男は嫌な雰囲気の人だったからなー。

でも、雰囲気は悪くなかったものゴッツい男の元に居てあの様子だったとしたら・・・?

んー・・・。

結局の所、ヨウイチの話を聞くまでは何の判断も出来ないよな。

時計を見ると6時半。

健一さんの喫茶店は、朝7時からだ。

少し時間に余裕があるから、もう一度ユグドラシルにログインした。

ゲームを進めようかと思っていたが、ログインしてレンタルキャラの妖精タブ1番目のステータスを確認する。

そう言えば、レンタルキャラってステータス変わるよね。

自分のレベルが上がったら連動して上がるって事かなぁ?

チェックしたステータスをケータイにメモして、情報屋に行ってみる。

レンタルキャラのステータス変化について質問してみると、

【一部のレンタルキャラは変化する。】

と答えが返ってきた。

ステータス変化するレンタルキャラを質問してみた。

【情報がありません。】

と返答が来た。

お?!!

これは、もしや!?

質問を終わらせて、情報買い取りにアクセスする。

“レンタルキャラ妖精族タブ1番目のキャラはステータス変化する。“

で、情報を渡す。

【確認しました。

情報開示しますか?

情報料

即時開示:50万もしくは貴石を一つ

1ヶ月後開示:5万

開示する ・ 開示しない】

の選択が表示される。

やった!

新情報だった!

情報開示は少し迷ったが、もらえる物はもらえる時にもらっておこう!

開示する・即時開示

を選択する。

ゲーム内通貨は、今の所困っていないので、貴石を選択する。

貴石選択画面が表示される。

どれも持っているが、一番所持数が少ない物を選択した。

【情報提供感謝。】

と表示された。

情報屋を出て、自分のステータスを表示させる。

ケータイにメモしたレンタルキャラのステータスと見比べる。

良い武器を手に入れた事も有って、ステータスを尖らせていない。

どのステータスもまんべんなく上げている。

妖精タブ1番目のキャラも、特化型ではない。

なので、ステータス変化の法則を見つける取っ掛かりが無い。

自分のステータスの割合が上乗せされているのかもしれないし、自分のレベルとキャラのレベルが連動しているのかもしれない。

割合上乗せの場合、何割なのか・・・割合の具体的な数字が無いとダメだろうな。

レベルと連動している方だとしたら、情報が売れるかもしれない。

もう一度情報屋に情報を売ってみる。

【ステータスが変化するレンタルキャラは、プレイヤーのレベルに連動してステータスが変化する。】

で情報を渡す。

【確認しました。

情報開示しますか?

情報料

即時開示:150万もしくは貴石4個

1ヶ月後開示:50万もしくは貴石を一つ

開示する ・ 開示しない】

やった!

開示する・即時開示を選択して貴石をもらう。

情報を秘匿して利益がある場合も有るけれど、大抵の人は新情報を手に入れるチャンスに恵まれたら売る。

ランクアップの条件に入っているからだ。

このゲームの初期プレイヤーにとっては簡単な条件だっただろうけれど、後発隊にとっては少々やっかいだ。

チャンスを手にしたら速攻で売らないとね。

僕は一つだけ見つけたことが有るが、新ダンジョン発見の場合は発見した段階で自動で情報を売るかどうかの選択画面が出てくる。

このフィールドで新ダンジョン発見するのは、もう難しいだろうな。

ワールドに行けばまだまだ有るだろうけど。

情報屋に入り直して、今日の新情報を聞いてみる。

さっき僕が売った情報がアップされている。

二つとも買ってみる。

【レンタルキャラ。妖精族1番。ステータス変化種】

【レンタルキャラ。ステータス変化種。プレイヤーのレベルに連動。】

自分が発見した情報が売られているのを見るのは毎回楽しい。

売ったら一度は買ってニマニマ眺めてしまう。

満足したので、画面を閉じる。

時計を見ると7時を過ぎていた。

ログアウトしてパソコンの電源を切る。

健一さんの喫茶店に電話してみた。

電話に出たのは、ここあさんのようだ。

「すみません。さとると申しますが、健一さんをお願いします。」

あの時、名字は伝えていなかったので名前で名乗る。

「トオルさんと一緒にお伺いしたさとると申します。

先日はありがとうございました。

朝早くからすみません。

先日いただいた特別ランチを今日、二人分お願いする事は出来ますか?

いえ、先日一緒に行ったヨウイチと僕です。

ありがとうございます。

何時頃でしたら大丈夫でしょうか?

はい。

では、後ほどお伺いします。

ありがとうございます。

失礼します。」

いつでも大丈夫と言われ胸をなで下ろす。

ヨウイチの様子を見にリビングに行くと、ちょうど起きたのか布団の上に座ってボーッとしていた。

「おはよう」

と声をかけると、

「ありがとう。

よく寝た。スッキリしたよ。」

こちらを見て、笑顔を見せる。

昨夜のヨウイチは心配になったが、今は大丈夫そうだ。

「顔洗ってる間に温かいお茶を入れておくよ。

冷たい方がいいかな?」

「いや、あったかい方が飲みたい。

顔洗ってくる。」

リビングを出ていく。

ヤカンを火にかけ、布団をベランダに干す。

フローリングをワイパーでサッと拭いて、お茶を入れる。

と言っても、急須で入れるわけではなくティーバッグだ。

ヨウイチが戻ってきたので、お茶を出して

「ヨウイチの服、洗っちゃおうか?」

来て一番にお風呂に入りたがった事を考えると、服も気持ちわるいんじゃないかな。

「いいのか?ありがとう。

今、着替えようかと手に取ったけどこのまま着るの嫌だなと思って着替えなかったんだ。」

「んじゃ、洗ってくる。」

洗濯機にかける。

乾燥までのフルコースで設定してリビングに戻った。

冷蔵庫からコンビニで買ってきたフルーツとサラダを出す。

テーブルに出し

「これ、食べられそうなら食べて。

健一さんのお店でこの間と同じランチを出してもらえるから、後で出かけよう。」

「ありがとう。

急に来て驚かせてすまない。」

とヨウイチが頭を下げた。

「うん。ビックリしたけど、大丈夫。

何があったの?

条件達成しても戻れなかったの?

それとも条件が達成できないの?」

サラダとフルーツをジッと見つめた後、フルーツを自分の前に引き寄せたヨウイチが

「ん・・・。

条件が達成出来ない。

の方かな。

あの後・・・・・。」


ヨウイチが喫茶店で僕達と別れた後の事を語り出した。

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