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レジャー
宇宙世紀19年。
人類は、地球から宇宙へと住処を遷していた。
地上と比較すると、ストレスがたまる環境で、それを解消するために生まれたものが完全なVR世界における自然浴。宇宙船内において最も人気があるレジャーがそれだった。
「気持ちいい」
俺はバーチャル世界で、海でダイビングしている。
クラゲや小魚たちが泳ぐそこで俺はひとり世界に流されていく。
「まるで生まれ変わったみたいだ」
多幸感に包まれる。
※
「司令。Aの洗脳、完了しました」
「ご苦労。状況は?」
「今まで持っていた司令への不信感は完全に消えました。どうしてここにいるのかすらわからなくなっているようです」
「監獄船ながら、アコギなことをしているな、まったく」




