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五月晴れ
「よし、今日のようないい天気の日を、今度から”ごがつ晴れ”と呼ぼう」
偉い学者はそう言いました。
「梅雨の合間に、晴れる日だからですね。いい考えだと思います」
助手もうなづきました。
※
「なー、今度からつゆの合間の晴れの日を”五月晴”といういうらしいぞ」
看板にはそう書いてありました。
「なーこれなんて読むんだ?」
「おれ、字なんて読めないし」
「だよな。つきってのはわかるから、適当に”さつき”とでも読んでおくか」
「うん、いいじゃん」
※
そして、現代。
「日本語の乱れはなんとも許しがたい。この前なんてアナウンサーが、「さつきばれ」を「ごがつばれ」と言っていた。けしからん」
偉い学者は吠えていた。




