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白い日

 ホワイトデー。真っ白な一日。


 その日は、わたしにとって白い荒野のようなものだ。予定は、たったいま、何もなくなった。


 白い灰のような雪が降り積もる。

 眼前に広がるそれはまるで荒廃した大地だ。


 多くの幸福なひとびとは、足跡をそこにつけていく。白い大地にそうやって、痕跡が作られていく。それは、歴史書には残らなくても、たしかな人間の存在証明となるのだ。そうすることで、歴史が紡がれていく。


 でも、わたしには、歴史を紡ぐ権利はない。


「だって、わたしの地面は赤く染まっているのだから」


 パトカーのサイレンが鳴り響いた。

 もう、彼は動かない。

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