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別の世界へ(新作)

 わたしは、この世界をもうすぐ離れなくてはいけない。

 ここは、とても温かい世界だった。

 わたしは、この世界に甘えていた。


 だって、この世界はとても居心地が良かったから……。

 少しずつ、私の意識が混濁しはじめた。

 ああ、ついに終わりだ。


 わたしは、慣れ親しんだこの世界に別れを告げる。

「わたしは、ここに居られた時間、とても幸せだったよ。ありがとう」


 そして、わたしは新しい世界にたどり着いた。

 そこで産声をあげる

 まだ、見ぬ母に見守られながら……。


 これが、自分がはじめて聞いた自分の声だった。

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