表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/124

歴史編纂者(新作、SF歴史)

 おれは、歴史編纂者だ。


 歴史編纂者。

 聞きなれない言葉だろう。


 これは、政府のトップしか知らない国家機密なのだから。

 

 我が国は、三年前、タイムマシンを完成させたのだ。


 これは、トップシークレットであり、諜報機関のエースであったおれに密命が下されたのだ。


 歴史を編纂しろと……。


 おれの仕事は、わが国の国益のために、過去の歴史を改ざんするのだ。


 具体的に言えば、過去に戻り、大統領の政敵を暗殺したり、英雄に資金援助することで、敵国との戦争を有利に進めたりするのだ。


 例えば、織田信長。

 これは、日本の英雄となっているが、実際は単なる馬鹿だった。


 桶狭間で、今川義元に特攻し、あえなく討死。

 そのまま、今川義元が天下を握り、日本は世界最強の海洋大国へとなった。


 そこで、おれは歴史を編集した。

 一五六〇年にタイムトラベルし、今川義元を暗殺した。

 

 こうすることで、安定政権ができるはずだった日本の歴史は三十年遅くなり、今はなんとか大国という立場を維持しているだけだ。


 今日、おれは再び二百年前に旅立つ。

 大統領の政敵の先祖を暗殺する密命だった。


 そして、おれはその密命をクリアした。


 おれは、そのまま現代に戻ろうとしたとき、異変が起きたのだ。

 おれの下半身が、少しずつ消えていったのだ。


 そして、おれは気がついた。

「大統領の政敵とはおれだったんだ。歴史の改ざんした事実を知るおれだったんだ」


 こうして、おれは歴史の流れの中で消滅した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ