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クラス戦争(新作)
「明日から、隣のB組は敵となります」
朝の会で、先生は突然、そう言った。
「そっかー、敵か~」
クラスのみんなはすぐに納得した。
「そうです。敵です。B組のひとたちは、昨日までわたしたちの仲間でしたが、今日からは敵となりました」
こうして、わたしたちA組は、B組と戦うことになったのだ。
昨日まで、一緒に体育をやって、放課後は一緒に遊んでいたのに。
ぼくは、ひとつだけ先生に質問した。
「どうして、B組は敵となったんですか?」
「先生たちの会議でそう決まったんです。みなさん、わかりましたね?」
「はーい」
ぼくたちは、すぐに納得した。
先生たちが決めたなら、しかたのないことだ。
みんな納得している。
ぼくを除いては……。
ぼくは怖かった。
B組のひとが、攻めてくるのではないか心配になったわけじゃない。
「どうして、みんなはあんな理由で納得しちゃうんだろうな」
それがとても怖かった。




