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海を求めた男(ヒューマンドラマ)

 わたしは海をみたかった。

 我が故郷は山国である。


 あたり一面の緑と雪化粧。それはとても美しかった。

 わたしは故郷を愛している。


 だが、わたしは海を知ってしまった。

 青々とした美しいさと塩辛い水。ぜひともこれを見てみたい。


 家族は必死でわたしを引き留めた。それでもわたしはあきらめなかった。


 ある夏、ついにわたしは計画を実行した。わずかばかりの食料と水をもっての逃避行だ。

 海というものは東にあるらしい。わたしは東の方向にひたすら歩いた。


 1日、3日、1週間歩いた。

 しかし、山は続いていた。海はいっこうにみえてこない。


 途中、山賊に襲われ、わたしは命からがら逃げた。逃げた。逃げた。

 食料もほとんど無くなり、道中の親切な旅行者に塩漬け肉をわけてもらった。


 そして、わたしは今、山の頂上にいる。

 いったいいくつめの頂上かわからない。


 塩漬け肉をほおばり、水でながしこむ。

 しょっぱい肉と水が体にしみこんでいく。

 生きかえる。

 空を見上げた。雲ひとつない青空だった。


「海はこんなにそばにあったのか」

 わたしは清々しい気分でつぶやいた。

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