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異教徒と聖戦(ヒューマンドラマ、新作)

 今日、ぼくたちの村は、異教徒によって占領された。

 彼らは、自分たちの信仰の聖地を異教徒から取り戻すために、ぼくたちの家に攻めてきた。

 大人たちは、必死に戦ったが……。


 ぼくたちは奴隷となるようだ。

 家にあった財産はすべてもっていかれてしまった。

 村の代表だった村長さんが、敵の兵士たちによって壇上にあげられた。


「処刑前に、言い残したことはないか?」

 敵の兵士は、冷たく言い放つ。


「きみたちは、どうしてわれらの村を占領したのだ」

「それは、われらが神のためだ」


「“神”。それはわたしたちが、信じる神とは違うのか?」

「ああ、違う。おまえらの“神”は偽物の神だ。わたしたちが信じる神こそが、正真正銘の唯一神である」


「そうか。では、おまえたちに、真実を教えてやろう」

「真実?」

「わたしが、真の神だ」

 村長さんは笑っていた。


「異教徒の上、神を語る不届き者め」

 怒りの表情をあらわにした兵士は処刑の準備をはじめた。


「異教徒であるわしらも、お主たちが信じている神によって創られたのではないかな」

 村長さんはなおも口を開く。


「ええい、早くこの者の口を閉じらせろ」

「おまえたちは、いま、“神”を殺すのだ」

 刃が村長さんの首にむかった……。


-数百年後-

「あなたは神を信じますか?」

 駅でそんな宗教勧誘にあった。


(科学全盛の時代に、神とか信じるわけないでしょ)


 おれはスマホをみて、勧誘を無視した。

 おれは哲学者の言葉を思い出す。

「神は死んだ」

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