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殺戮者(SF、新作)
私はついにタイムマシンを完成させた。
人類はこれで時空すらも手中に収めたのだ。
そして、私はタイムマシンの試運転のために、恐竜の時代に来た。
植物をひとつだけ持ち帰り、タイムマシン完成の証拠とするためだ。
めぼしいめずらしい植物をみつける。
見たことがないとても美しい花をつけた植物だった。
私は、花を目当てにぶんぶんと飛び回る虫たちに殺虫剤をかけて、花を摘んだ。
これを持ち帰れば、私は英雄になれる。
私は、民衆から拍手喝采で、凱旋するはずだった。
はずだったのだ……。
私は現代に戻った。
戻ったはずだった。
しかし、そこには赤い大地しか広がっていなかった。
ビルや街があった様子も、人が住んでいる様子もなかった。
私はあわてて今いる時代を確認する。
その時代は、私のいた現代だった。
さきほど、摘んだ花を見る。それは、とても美しく彩られていた。
そして、私はすべてを悟ったのだ。
私は、殺戮者だと……。
花に向かって、私は話しかける。
「ああ、お前が文明だったんだな。私は、文明の破壊者で、大量殺戮者になってしまったんだ」
私によって作られた不毛の大地が、砂を巻き上げていた。




