表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/124

もうひとりのぼく(ホラー)

 ある日、不思議なことがおきた。


 自分を分裂させることができるようになったのだ。好きなタイミングで、自分を分裂させる。そして、もうひとりのぼくには、めんどくさいことをしてもらう。そして、本物のぼくはゲームで遊びまくるのだ。


 こんな便利な力を手にいれることができるなんて、ぼくはなんて幸せ者なんだ。ぼくは選ばれたんだ。特別なんだ。そんなふうに思っていた。


 もうひとりのぼくには、めんどくさいことをすべて押し付けた。学校の宿題、家の家事、親や先生からのお説教。そして、ぼくは遊びまくるのだ。


 めんどくさかったから、もうひとりのぼくを自分のなかに戻すことまでやめてしまった。そして、毎日、好きなだけ遊んだ。


 それから、1か月が経過した。もうひとりの自分を、もとに戻そうとするとそれを拒むようになってしまった。今まで、ろくにしゃべることもできなかったのに、流ちょうにしゃべることまでできるようになっていた。


「もう、おまえはおれじゃない」

 やつはそんな生意気をいうのである。


 はんとしがたった。ぼくはうまく話せなくなっていた。かぞくはもうぼくをぼくだと思っていなかった。

 にせもののぼくが命令をしてくる。

「おまえは、しょせんおれの分身なんだから、ちゃんと言うこと聞け」とこの前言われた。


 もっともなことだ。ぼくはしょせんにせものなのだから……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ