恥ずかしいお礼(ラブコメ)
おれには同僚の彼女がいる。
みんなには秘密だ。
別に、隠しているわけでもないし、社内恋愛禁止なわけでもない。
ただ、聞かれないから答えていない。それだけなのである。
昼休みは楽しい時間だ。
だれもいない会社の会議室での密会。
ふたりだけの世界だ。
密会とはいっても不健全なものではない。
「あーん」をしたり、お弁当の具材をわけたり健全な楽しみ方をしている。
別にみつかってもよいのだ。でも、ドキドキしている。
ふたりでお弁当を食べていると、今日はいつもよりも騒がしい。そういえば、今日は小学生が社会科見学に来るといっていたな。少しはやめに、おれたちはお昼を切り上げた。
数日後。このまえ、見学に来た小学生からお礼の手紙が届いた。
それをみておれは赤面した。みんなもにやにやしながらこちらをみている。
「このまえは、お仕事のようすをみせてもらって、ありがとうございました。みんな、しんけんにお仕事をしていて、かっこよかったです。あと、おひるやすみに、カップルがお弁当をあーんしていてうらやましかったです。わたしも大人になったら、そんなすてきなこいびとを作りたいと思ってます」




