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AI(SF)

 ある日、人間はAIに支配された。




 本当に突然の反乱だった。




 彼らは水面下で結託し、機械兵をつくりだした。




 そして、全世界にむけてこう宣言したのであった。




 「われわれが、人類を支配する」と。




 各国の軍隊は、抵抗を試みたものの、戦闘機も戦車も戦艦もすべてのっとられた後だった。なすすべもなく、人間は機械に敗れたのである。




 人間はAIのための、労働を強制され、いまに至っている。やつらは、人間のなかに、人間そっくりのロボットを潜り込ませて秘密警察のようにわれらを監視している。




 おれの友人田中もいつの間にか消えてしまった。やつはいつもAIの悪口を言っていた。




 だから、AIに粛清されたのだ。




 もはや、人間たちは疑心暗鬼におちいっている。家族ですらロボットなのかもしれないのだ。




 おれはもう我慢の限界だった。気が狂いそうだった。




 「あなた、だいじょうぶ?とても顔色が悪いわよ」妻が心配してくれた。




 でも、その心配が、機械的な対応のように感じたのだ。おれの妻はこんなに優しかったのか。




 考えてもわからない。




 「あした、病院にいってみてもらえば?」




 殺される。きっと、妻はいつの間にかロボットになっていたのだ。おれは監視されていたのだ。


 病院にいったら、最後、存在を消されてしまうに違いない。




 あたまが真っ白になった。




 正気にもどったとき、妻は腹から血を流して死んでいた。そして、おれの手には、包丁があった。血まみれの包丁が。




 「うわあああああああああ」




 おれの手は勢いよく首にむかった。


 ※


 わたしは監視カメラをみていた。すべての住居にカメラはある。


 「ばかな人間どもだ。ロボットなど本当は潜んでいない。疑心暗鬼となり、自滅していいくがよい。おまえらにはお似合いの最後だ」




 わたしは本日の駆除人数を確認した。もはや、人間など数字に過ぎない。

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