表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/124

あの日(ヒューマンドラマ)

あの日……




おれは、朝食を食べながら、テレビをみていた。


そこに流れたおどろおどろしいアラート。


アナウンサーが某国から「ミサイルが発射されました」、「地下や頑丈な建物に避難してください」と繰り返し言っていた。




「ああ、いつものことか」おれはそんな風に思っていた。


そして、すべてが光に包まれた。




あの日……




わたしは、学校に行くための準備をしていた。


携帯のアラームが突然、鳴った。


アラートだった。




「ああ、また」そんな軽い気分だった。


しばらくして、遠くで光がみえた。




あの日……




自分はテレビを見ていた。


テレビをみていたはずだった。


さっきまでそこにはアナウンサーがいたのだ、たしかに。


でも、すべて光が飲み込んでしまった。


もうテレビは映らない。




あの日……




わたしは、勤務先の病院にいた。


ここは運よく、ミサイルの被害を受けずにすんでいた。


しかし、おびただしい、犠牲者と負傷者が運び込まれてくる様子をただみていることしかできなかった。


もう、医療器具はそこをついていた。


特殊な負傷者に対応する術は、もうどこにもない。




あの日……




わしは農作業をしていた。


いくつもの光が空で爆発した。


東京のほうで「大きな光」と「きのこのような雲」をみた。


それはすぐにわたしの頭の上にもやってきた。




あの日……




東京は壊滅した。


いや、ちがう。


きっと世界はすべて崩壊したのだ。


もうなにも情報は入らない。


おびただしい遺体と蔓延する伝染病。


わたしたちはいつ、自分にその番が回ってくるか怖がっている。




あの日……




安全な食料はすべてなくなった。


攻撃の後遺症によって、汚染されたものしかわたしたちは食べることができない。


その食べ物すら奪い合いが始まっている……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ