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愚痴(恋愛)
「先輩、聞いてくださいよ」
新婚の後輩は居酒屋でおれに愚痴をいう。
「あいつったら酷いんですよ。無断で飲み会にいったらめっちゃ怒るんです。今日だって、必死に先輩と飲んでくるっていって、なんとか許してもらったんです」
「ふーん、そうなのか」
「なんですか。つれないな~先輩」
「この前だって、小遣いが足りないから追加のお願いをしたら、顔真っ赤にしてね」
「うんうん」
おれはビールを一口飲む。
「だいたい、月3万円ってきつくないですか」
「そりゃあ、辛い」
おれは適当に相づちをうつ。
「でしょ、弁当だって残り物が多いし」
後輩は延々と奥さんの愚痴をおれに話していった。
でも、なぜか満足そうな笑顔だった。
おれはつぶやく。
「奥さんの事どんだけ好きなんだよ」と
後輩は顔を赤くして小声で答えた。
「大好きです」




