21/124
新しいロボット(SF)
テレビでニュースが流れていた。
「本日、アイザック社が新作のロボットを発表しました。これは人工知能ををもち、自律行動が可能です。また、人間以上に頑丈で、そしてものすごい力をもっています。技術革新によって1体20万円程度の価格となる予定だと発表されました。この発明によって、産業界は大きな変化が起きるでしょう」
それは、本当に人間のようなロボットだった。
精密な人工知能をもち、問題が発生したら自分で解決できてしまう。危険な場所でも活動できる。
ただ、感情だけが欠如した人間。
そんなふうにわたしは思った。
彼らは危険な工事現場や原子炉などで、活躍することになるだろう。
そして、量産化され壊れたら、20万円で交換されてしまうロボット。
これから、かれらは量産体制に入り、危険な作業に従事し、
そして、ほとんどが壊れていく。そう、それはかれらがロボットなのだから。
「まるで奴隷だな」とわたしはつぶやいた。
これから生まれる英雄たちにできることなら、幸あらんことを。