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ゲームの勇者

「大魔王討伐したそなたは、まことの勇者だ」

 国王陛下と国民は、大声で俺を讃えた。


 今まで頑張ってきたことのすべてが報われた瞬間だ。


 これで、俺はまた一つの世界を救った。


 ゲーム画面にはエンディングテーマが流れながら「ジ・エンド」の言葉が躍っていた。

 さあ、新しいゲームを始めよう。俺は、電源を切り、次のゲームを起動する。


 ※


「また、あの男は新しいゲームを始めたか」


「しかし、勇者として褒め称えられようとも、あいつもなかなか業が深い」


「あの男は、救世主でもあり、世界の破滅者でもある」


「あの男が世界を救えば、世界はそこで終わってしまうのだからな」


 ※


「ふん、たかが上位存在が、何か言っているぞ」

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