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神か悪魔か?
男は言う。暗い部屋でウィスキーを飲みながら……
「仮にこの世界にすべてを見通せるラプラスの悪魔みたいな機械が現れたとしよう? その悪魔には、この先の未来がすべて見通せる。どこに誰が生まれて、いつ死ぬかまでだ」
「すごい話だな」
「悪魔は運命や因果をすべて見通せる。では、神のような絶対的な存在だ。そこに一つ問題が生まれる」
「問題?」
「人間は自分が産み落とした神を、神として信仰できるのか? それとも悪魔と考えて忌み嫌うのか」
「人間は神を求めながら、それを受け入れることができないということだな」




