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ダルマの酒

 私は、ダルマの酒をグラスに注ぐ。スピーカーからヴァイオリンの音が響いていた。

 命の水に由来するその酒は、遠くはスコットランドから日本に技法が伝わって作られたものだ。

 海外へと留学した一人の若者の狂気と熱意によってつくられたノートからすべてははじまった。


 そのノートによって生まれた酒は、幾つもの変化を経て私の手元にある。

 日本人好みになったその酒は私のすべてを満たしてくれる。甘美な口当たりは、一緒にフルーツの豊かな香りを連れてくる。


 数年前までこの甘美な味わいは、私にとって"敗北"の味だった。

 すべてを忘れるために飲んでいたそれを思いだしながら、若輩者が歴史の重みに飲まれていたことを悟る。


 手元の本のページを一枚めくる。ついにミステリーは解決される。

「やっと、分かったんだな」

 万感の思いで、私はつぶやいた。



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