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神殺し

 ひとりの賢者に私は歯向かう。

「神など存在しない。それは知性が弱かった時代の人間が作り出した幻想だ」

「なるほど」

「仮に、皆が言う神様が存在するなら、どうして私はこんなに苦しいのだ。私は、貧しい両親のもとに生まれて、なんとかここまで生きてきた。だが、本に書かれたようなヒューマニズムは、私のいた世界には存在しなかった。みんなは、苦しみ周囲を追い落として、なんとか生きている人ばかりだ。どうして、救済を必要とするひとを神さまは救済しないんですか?」


 知者は、一言だけ話す。


「神がいるかどうかはたしかに、わからない。でも、あなたにとって、神さまが必要だということはわかった」


 彼は優しく笑った。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  短いのにオチがしっかりついていてラストが素敵ですね(๑•ω•๑)  つい、頷いてしまうような納得できるセリフに加えて、温かみのある雰囲気もとても良いです! 「神など存在しない。それは知性…
[良い点] 神様で締めましたか。 素敵です。 一年間企画にご一緒できて、良作をたくさん読ませていただきました。 また機会があればご一緒させてくださいね。 お疲れ様でした。 [一言] またお邪魔し…
[良い点] コラボの最後にすごいお題を持ってこられましたね。 知者の切り返しが秀逸ですね。 真面目な深刻な話だというのに、 私までニヤリとしてしまいました。 一年間、本当にありがとうございました。…
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