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将棋

 将棋には、時間を超越した瞬間がかならず訪れる。

 その瞬間は、1秒間が、何十時間にも何年にも匹敵する密度に変容し、狂気の世界の一歩手前に私を引きずりこむ。


「10秒~」

 秒読みが始まった。30秒以内に指さなければ時間切れ負けとなる。

 この短い時間で、すべてを読み切れるかどうか、それが勝負の分かれ道。


 これ以上、先に行ってはいけない。本能が思考にブレーキをかける。

 知ったことじゃない。


 私は、いくつもの時間と空間を超越する。

 11手先の光を見つけた瞬間、盤上(セカイ)は新しい可能性で喜びに満ちる。


 手が震えた。

「20秒~」


 頭の興奮とは裏腹に、私は静かに手を伸ばして、正着の一手を指す。

 そして、セカイが色づいた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お疲れ様です。 将棋をさしている緊張感が伝わってきました。 将棋は詳しくないのですが、読んでいてドキドキ感は感じました。 「セカイが色づいた」がとても素敵な表現でした。
[良い点] さすがDさん。 将棋の描写も本格的で、余念が無い。 セカイの掛け合わせは見事な一手ですね! 贅沢で読み応えのある300文字。
[良い点]  お疲れ様ですー。 なるほど、やはり将棋は直球勝負で来られましたね。あいにく将棋はそんなに詳しくないので、面白く書けるDさんが羨ましい限りです。  最後の「セカイが色づいた」がうまい表現…
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