馬鹿兄が婚約破棄をしました
すみませんすみません長編作品が進まないんですすみません
新緑の季節を思い起こさせるような綺麗な緑の長い髪が、一際強く吹いた風で靡く。エメラルドのような瞳はまんまるで、白皙の美しい少女は驚いたように固まった。
お互い固まったままじっと見つめること数分、いや数秒か。どれくらい経ったのかはわからないけど、少女はそのふっくらした赤い唇を開いた。
「きれー……」
7歳の春。
彼女から紡ぎ出されたその言葉に、卑屈になっていた僕は、
運命だと、思った──
ここは、とある世界の、とある大国にある、とある由緒正しい名門王立学園。貴族の令息令嬢が多く通っているので、学園内に身分制度はないとは言いつつ小さな社交界と言っても過言ではない。
そう、もう一度言う。ここは小さいながらも社交界なのだ。だから、こんなところでわざわざ醜聞を作る馬鹿など本来いないはずなのだ。
「メルヴィナ・ミルフォード! お前には失望した!」
いない、はず、なのだが……。
王立学園のカフェテリアの一角。昼時ではないとはいえ、空きコマを利用してコーヒーと今日のオススメスイーツを食べに来た生徒は決して少なくはない。つまり多くの人の目がある時間と場所であるということだ。
「お前はここにいる可愛らしいベス・バーネット男爵令嬢に嫉妬して持ち物を隠し、彼女のことを無視するといった嫌がらせだけでは飽き足らず、あまつさえ階段から突き落とした!」
そんなことを叫ぶ男子生徒は我が双子の馬鹿で頭の足りない……おっと、失礼、兄であるマティアス・オールウェイ。オールウェイ公爵家の長男で嫡男。
ちなみに思わず額に手を当ててあちゃー、と呟いた俺の名前はルクレーシャス・オールウェイ。オールウェイ公爵家次男で、いつも黒のローブを着て、フードを深く被っているのが特徴。自分で言うのもあれだが、気味が悪い。
兄の隣で目を潤ませて怯えるように体を震わせているのはご紹介があった(?)ようにベス・バーネット男爵令嬢であり、彼女は多くの男を侍らせていた。所謂逆ハーレムである。その中には馬鹿兄だけではなく、この国の第二王子や宰相の息子、その他有力貴族のご子息もいらっしゃるので少し問題になっていた。……まあ、その逆ハーレムに俺も一応入っていることになっているのだが。
「よってお前との婚約を破棄するっ!」
ちらほらカフェテリアに野次馬が集まったタイミングでそう宣言する馬鹿兄。馬鹿なことは知っていたが、ここまで大馬鹿だとは思わなかった。だからといって、馬鹿兄がいずれ座るであろうその地位を虎視眈々と狙っている俺はわざわざ止めることなどしないが。
ドヤ顔を決めていた馬鹿兄に、対峙していた少女は驚きのあまりに呆然と固まっていた。
少女の名は、メルヴィナ・ミルフォード。優秀な薬師を代々輩出するミルフォード伯爵家の長女で、緑の髪に同色の瞳を持つ。薬師としての才能を若いうちから開花させ、国王陛下の覚えもめでたい天才少女だ。薬師は様々な薬草を使うからか独特な匂いを放つことがよく知られているが、彼女は花の香りをいつも纏わせていた。その容姿と香りから春の精霊と呼ばれ、多少ズレているが誰に対しても優しい故、学園内では一二を争う人気者。多分、そのことを本人は知らない。
そんな評判の良い伯爵令嬢に、突然婚約破棄を叩きつける公爵令息。周りは騒然となり、大きな声で言葉を交わすことはないもののしきりに友人とアイコンタクトを交わしていた。
しかし、当の本人は動かない、動こうとしない。びっくりしました! とでも言うかのような表情でジーッとこちらを見つめ、立っているだけでなんの反応もない。突っついても動かなさそうだ。
「い、潔く自分の罪を認め、ベスに謝罪しろ! そうすれば罰を軽くしてやる!」
「メルヴィナ様、貴方から婚約者を取るような真似をしてごめんなさい! でも、私、辛かったの! 謝罪してくれたら今までのこと、全部水に流すわ!」
泣き出すか、釈明するか、罵声をあげるか。そのどれかの反応をするだろうと思っていた俺以外の逆ハーレム集団は固まるだけの令嬢に少し焦っていた。
そして、たっぷり数分動かなかった少女、メルヴィナ・ミルフォード伯爵令嬢は目を丸くしてポカンと口を開けたまま首を傾げた。
「どゆこと?」
『………』
「ていうか、貴方誰?」
『………』
「ぶふっ……!」
シーンと静まった中、思わず噴き出した俺に多くの視線が突き刺さる。
「おい、ルクレーシャス……!」
「す、すまな……ククッ」
笑いが止まらず、肩を揺らす俺に逆ハーレム集団の怒りのボルテージがどんどん上がるのがわかる。
「ルース様ー」
兄にも男爵令嬢にも、それどころかその場にいらっしゃった第二王子たちにも見向きもせず、真っ直ぐにトコトコとやってくる彼女は相変わらずマイペース。そんなところも可愛くて、彼女の頭をくしゃりと撫でる。
「もしかしてわたくしは間違ってマティアス様と婚約していたのですか? だからマティアス様は破棄してくださるのですか? ……あら、でも無視したとかおっしゃっていましたわねぇ……」
何のことかしら、とまるで他人事のように彼女は首を傾げた。いや、もしかしたら他人事だと思っているのかもしれない。俺は小さく苦笑する。
「違うよ、ヴィーナ。俺とキミの婚約は周知の事実のはずだが、おかしなことにマティアスは知らなかったらしい」
「あらあら、そうでしたか。……ていうか、あの女性は誰でしたっけ? 聞いたことがある名前でした」
「あー、数ヶ月前にちょこっと話したっきりだもんな。例のアレだよ」
「……あぁ、なるほど!」
ふむふむと数回頷いた彼女はぱあっと顔を明るくする。
「ところでルース様。今お時間はございますか? お見せしたいものがございますの」
「あるけど……。あぁ、もしかして実験が成功したのか」
「えぇ! ルース様のおかげで上手くいきましたわ!」
「それはよかった。キミは随分長い間考え込んでいたようだからね」
「さあ、わたくしの研究室に行きましょう! 研究室にルース様がお好きなハーブティーを用意しておりますの!」
「それは楽し──」
「──おい! 話は終わってないぞ!」
馬鹿兄の声に深くため息をはく。
「何か用か、マティアス」
「どういうことだ! メルヴィナとお前が婚約って、そいつは俺と婚約していたんじゃないのか!?」
「そうです、ルクレーシャス様! 私、何度もメルヴィナ様にマティアス様に近づくなと言われて、とてもとても辛かったのです……!」
両手で顔を覆う男爵令嬢を我先にと男たちは慰める。
「大丈夫だ、ベス。俺が付いている」
「そうさ。私がキミを守るよ」
「ちょっと抜け駆けはやめてほしいなぁ。でも、僕もいるからね」
「みんな……ありがとう!」
なんだ、この茶番は。再び額に手を当てて嘆息する俺の隣では、ヴィーナは奇妙なものでも見るかのような目をしていた。
「もう、いいか?」
ため息混じりで茶番に終止符を打つ。
「なんでマティアスがそんなおかしな勘違いをしているのかわからないけど、俺とヴィーナは10歳の頃から婚約している」
「そんなわけがない! アイツは何度も俺に会いに邸に来たんだ!」
「俺に会いに決まってんだろ……。まあ、勘違いしてもしょうがないか。お前、昔からヴィーナのこと好きだったもんな」
「んなっ!?」
顔を真っ赤にして驚くマティアス。周囲の冷たい視線には気付いていない様子。
双子だけあって、俺とマティアスは好みが結構似ているのだ。だから必死に彼女を取られまいと努力し、母が主催したお茶会で出会って3年後にようやく彼女の婚約者という立場をもぎ取ったのだ。少々訳あって婚約発表を大々的にすることはなかったが、俺とヴィーナの仲が良いのは有名な話である。
「俺とヴィーナの婚約が嘘だと思うなら父上に確認すると良い」
たいそう呆れられるだろうけど。それどころか、また問題を起こしたと思われてしばらく幽閉かも。
「そ、そんなことじゃあ騙されないぞ! だいたい、いつもローブを着込んでいる不気味なお前と誰が婚約したがるものか!」
こんな格好をさせたのは自分が原因であることを是非とも思い出してほしい。
「騎士の家であるにもかかわらず、剣の能は全くない! それが恥ずかしかったんだろ!」
昔、俺に一回も勝てなかったこともついでに思い出してほしい。
キャンキャン叫ぶだけの馬鹿兄に呆れる。これはオールウェイ公爵家の醜聞であるが、まあ大した問題にもならないだろう。なんせ、馬鹿兄が公の場で馬鹿を晒すことは今に始まった話ではないから。
さっさとこの場から離れようか、そう思ってヴィーナの手を取ったその時。
「そんなこと言わないでください、マティアス様! ルクレーシャス様のお顔には契約証があるのです!」
俺の腕の中にいたヴィーナがビクリと震えた。彼女は、その言葉がどういう意味を持つかを知っていた。
「……殿下もいらっしゃるから事を大きくしないようにさっさとトンズラしようと思っていたけど、そうも言ってられなくなったね」
少し青ざめるヴィーナは視線をしきりに動かして状況を見極めようとし、ある一点を見つめて先程とは打って変わってゆったりと俺に体を寄せる。心配しなくても良いと判断したらしい。
「まず、キミたちの言い分について訂正しよう。さっきも言ったようにヴィーナは俺の婚約者だ。俺の今の状況もきちんと理解していたから、嫉妬してキミに危害をわざわざ加えようなんてするはずがないんだ」
今の状況とは、王族もいるようなこの逆ハーレム集団を監視することだ。ヴィーナはすっかり忘れていたようだが、数ヶ月前からずっと監視し、各方面に報告していた。
「で、でも、本当に物を隠されてしまって……。他にも悪口を言われ、無視もされたんです!」
「ヴィーナ」
「していません。そもそも彼女と会ったのは今日が初めてですし、そんなことをする暇があったら研究していますもの」
ぶれないなぁ。俺が口角だけ上げて笑うと、ヴィーナはムッと顔を上げた。
「研究、大事!」
「はいはい」
わかってるよ、と頷いたけど、ヴィーナはかなり不満そうだ。
「でも……」
「悪口や無視については仕方がないだろう。キミが侍らせている男たちは国の重鎮のご子息で、ほとんどの者は婚約者がいる。それをキミは奪い取ったんだ。反感を買うのは当たり前だ」
「でも……!」
「元々庶民であまり馴染めないのは百も承知だけど、この学園に来てどれくらい? 結構長いよね? 普通、もう少しくらい礼儀作法が身についてると思うけど」
「でも! 本当に階段から突き落とされたんです!」
でもでもばかり言う男爵令嬢に深くため息をはいた。
「それは、いつの話だ?」
「え? えっと……1週間前の昼過ぎです!」
「ありえないな」
間髪入れずに否定する俺に、逆ハーレム集団はえ? と不思議そうな顔をする。
「ここ1ヶ月、ヴィーナは学園に来ていない」
「そんな、嘘です!」
「嘘? じゃあ、国王陛下に確認してみればいい。あぁ、俺の父でも良いし宰相でも良い。身近な人間というのであれば学園長か」
「な、なんで……」
「なんでって……西の魔物大暴走の討伐に駆り出された俺に付いてきたから、かな。帰ってきたのは一昨日だから、ヴィーナがそんなこと出来るはずがない」
「嘘よ! だって、それは、ルクレーシャス様の好感度が高いときに出てくるイベントだもの!」
男爵令嬢はヴィーナほどではないにしても可愛らしかった顔を酷く醜く歪めてこちらを睨む。正確にはヴィーナを。俺は彼女をすぐ守れるよう、一歩前に出た。
「わかった! あんた、バグか転生者ね!」
「……ばぐ?てんせいしゃ?」
ヴィーナは困惑気味に呟く。
「そうじゃなきゃルクレーシャス様の好感度は上がってるはずだもの!」
お前に対する好感度とかヴィーナがいようがいまいが底辺どころか地面に埋まってるわ。
「な、なんでお前なんかが討伐に……!?」
豹変した男爵令嬢に引きつつも、気になってることを口にした馬鹿兄に視線を移す。
「まあ、その理由は……」
フードを取ると周りはハッと息を呑み、ヴィーナは不機嫌になって俺の服を握りしめた。
「俺が、国家公認筆頭魔法使いだから、かな」
「レイシャス魔法師団長……」
呆然と、第二王子は呟いた。
何度か顔を合わせたことはあるが、茶髪青眼である馬鹿兄どころか両親とも似ていない顔立ちに黒の髪と瞳を持っているので、俺がルクレーシャス・オールウェイだとは思わなかったのだろう。普段はフードを被っているし、気付かないのも当然だ。
誰に似たのかといえば、どうやら父方の祖母に似たらしい。あえて言うならば、顔立ちがそれなりに良いところは両親の遺伝であろう。
そんな俺の顔の右半分には複雑な模様をした刺青のようなものがある。よく観察すれば瞳にもその模様があり神秘的、とはヴィーナの言葉である。
「これが、バーネット男爵令嬢が言ってた契約証。知ってると思うけど、魔法生物と契約したときに現れる。仕事のときに顔を隠しているのは不敬にあたるから、ヴィーナ特性の魔法薬を塗って契約証を隠している」
ちなみに契約したのは6歳のとき。家に帰る途中、木の実を分けてやったら契約してもらった。
我が家は騎士の家系で、魔法使いはいない。そんな中で突然変異のようにトップクラスを誇る魔力量を持って生まれた俺を、両親はなんとかなると楽観的に見ていて、魔法の勉強を遅れさせていた。
だから契約証という言葉は聞いたことあるけど実際どんなものかは知らないため、遊びに森に行ってた息子が帰ってきてみたら顔の右半分が刺青で屋敷は上を下への大騒ぎ。公爵家当主である父上、を微笑みながらぶん殴って尻にひく母上でさえも、収拾がつけられなくなったそのとき、我が双子の兄は爆弾を落とす。
“気持ち悪い”、と。
“夏であったにもかかわらず、冬の夜のように寒かった。”既に嫁いでいる姉はそう語る。
そんなわけで馬鹿兄の言葉にショックを受けた俺は、馬鹿兄に対しても自分の顔を隠して今まで生きてきた。
まあ、それはともかくとして。
「この契約証について知っているのはオールウェイ公爵家とミルフォード伯爵家、そして国の上層部数名だけ。普通の貴族なら、俺が契約証を持っていることなんて知らないはずなんだ。……この意味がわかるかな?」
俺は逆ハーレム集団の一人ひとりと目を合わせていく。その顔は青を通り越して白くなっていた。最後に男爵令嬢を見る。未だにこれがどういう意味を持つかわかっていない女がとても哀れだった。
「……ベス・バーネット。お前を国家反逆の罪として連行する」
「お見事ね」
「キミほどじゃあないよ」
ベス・バーネットが罪人として、あの場にこっそり待機していた騎士たちに捕まってから1週間が経った。
俺が得意な魔法は攻撃魔法だし、自身がそのときに使えるものはなんの役にも立たない薬。周りの生徒に捕縛を頼むわけにもいかない、と焦ってたので、騎士様のお姿が見えたときはとても安心しました、とヴィーナは連行されていく逆ハーレム集団を見ながら笑った。
彼女自体は冤罪を吹っかけられたことはどうでもいいらしく、ただ、マティアスが自分のことを好きだったということにかなり驚いたらしい。……うん、まあ、好きな子ほどいじめたくなるのはわかるけど、やりすぎだったよね。
さて、その後、男爵令嬢に関係していた者は全員もれなく罰せられた。
第二王子は幼い頃からの婚約者に婚約破棄され廃嫡、王都から随分と離れた田舎に移された。我が馬鹿兄も同じく廃嫡。次期当主は俺となり、本人は倍率の高い騎士試験から受けて、騎士見習いから始めるそうだ。他の有力貴族の息子も似たり寄ったり。
あぁ、ちなみにバーネット男爵家からは面白いくらい不正やら反逆罪やらの証拠品が見つかって娘共々お縄に付いた。男爵家自体は前当主の弟がかなり優秀で、陛下からの覚えもめでたいので取り潰しはなしとなった。
「色々、あの人たちが恥ずかしがりそうな黒歴史を集めてたのに、無駄になったわ……」
「……その中に俺はないよね?」
「さあ?」
コロコロと上品に笑う彼女は元第二王子の元婚約者で侯爵令嬢。学園ではヴィーナと並んで圧倒的人気を誇る。
「ヒロインをざまぁするのは悪役令嬢って相場が決まってるのに取られてちょっと怒ってるとかないわよ?」
「怒ってるんですね、はい」
「そんなわけないじゃない」
「仕方ないだろう。時間軸ではこっちが先だったんだから」
「………」
「んだよ……」
「ヴィーナちゃんを貸してくれたら許してあげないこともないわよ?」
「……断ることを知ってて言ってるだろ」
「うふふ……」
俺には前世の記憶というものがある。侯爵令嬢殿にもだ。
前世日本人であった俺は、妹が好きだった乙女ゲームの攻略に協力させられていた。そこで1番好みだったのがライバルのメルヴィナ・ミルフォード。現在の婚約者であるのだが、彼女はどのエンドでも残酷な最期を迎えていた。それに気付いた俺はそれはもう東奔西走しまくって、ようやく平和を手に入れられたというわけだ。
「よかった……」
「そうね」
「あの女が転生者で俺の顔のことを知らなけりゃ、今頃バーネット男爵の所為で戦争になってたかもしれないし」
「危なかったわね」
「……俺、転生者じゃなけりゃ、ヴィーナの魅力に気付かないまま途中で死んでたかもしれないし」
「ふーん」
そんな適当な返事をする彼女の薬指には銀の指輪があって。心做しか嬉しそうな顔をしていた。
「ルース様ー!」
パタパタと走ってくるヴィーナを抱きしめる。温かくて、甘い香りに癒される。
侯爵令嬢殿はニヨニヨと笑って、去っていった。多分、新しい婚約者殿の元へ行くのだろう。
「ルース様」
「ん?」
「フード!」
俺に今まで通りフードを被せようとするヴィーナは少し拗ねていた。
「ルース様はとてもお綺麗なのですから、そんな無防備にお顔を晒されては多くの女子生徒が被害に遭われます」
どうやら嫉妬してくれてるらしい。可愛いなぁ、と額にキスした。カーッと顔を赤くして照れるその様子も可愛らしい。
「ハッピーエンドでよかった」
ボソッと呟いた俺に、ヴィーナはキョトンと目を瞬かせ、ニッコリと笑った。
「違いますよ、ルース様」
「ん?」
「ハッピーエンドの途中なのですよ」
おわり
読んでいただきありがとうございます。
2018/06/19
誤字のご指摘、アドバイスをいただきましたので、文書の多少の変更と登場人物についてを少し書かせていただきました。
*登場人物*
ルクレーシャス・オールウェイ
オールウェイ公爵家次男。双子の弟。
乙女ゲーム攻略対象。転生者。
黒髪黒目。いつもフードを深く被っているのが特徴。
ヴィーナ第一主義者。
魔法師団長。レイシャスは偽名。
メルヴィナ・ミルフォード
ミルフォード伯爵家長女。
乙女ゲーム悪役令嬢。
緑の髪と瞳。
ルース様第一主義者。
マティアス・オールウェイ
オールウェイ公爵家長男。双子の兄。
乙女ゲーム攻略対象。
ベス・バーネット
バーネット男爵家令嬢。
乙女ゲームヒロイン。転生者。
侯爵令嬢殿
とある侯爵家のご令嬢。
乙女ゲーム悪役令嬢。転生者。
元第二王子の元婚約者。