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されど勇者は剣を取る  作者: 森澤倭
王城篇
5/7

女神 フィーナ

私は朝に弱い悠斗を無理矢理起こし学校に登校した。教室に入ったときクラスメートの竹田が悠斗の事を睨み付けた。私は悠斗を守るように間に入る。私も悠斗が酷い虐めを受けているのを知っている。理由もあの竹田が流 した根も葉もない噂話の所為だ。殴る蹴るは当たり前。クラスメートの八割が悠斗のことを虐めている。残りの二割は傍観者がほとんどだ。既に教師まで黙認してしまっているのだ。それでも悠斗は学校に来るのを止めない。その精神力は並大抵のことじゃあないと思う。私だったら転校なりなんなりすると思う。でも、私は知っている。ホントは悠斗はとっても強いってことを。私のことを身を挺して助けてくれた私のヒーローなんだから!

☆☆☆★☆☆☆

教室を包んだ光が収まり目が慣れてくると私は、と言うよりか私達のクラスメート全員が真っ白な空間にいた。みんなパニックを通り越して固まっていた。でも、それは長く続くことなくザワザワとし始めた。

 「ねぇ、真由美。私達さっきまで教室に居たよねぇ?」

 「うん、そのはずなんだけど」

 私に話しかけたのは親友の秋野美幸だった。

 「これからどうなるのかな?」

 正直、こっちが聞きたいくらい!と言いたくなったけど流石に自重する。みんな不安なんだから。そこでふと悠斗の事が気になった。辺りを見回してみると少し離れた所に居た。声を掛けようとしたその時だった。突然声が聞こえた。

 「こんにちは。気分はどうですか?」

 声の主は金髪碧眼の女性。

 「おや、私の顔に何かついていますか?」

 「いえ、それより、あなたは誰でここはどこですか?」

 「私ですか?一応、女神を名乗っていますが名前はフィーナです。後、ここは言うなれば《世界の狭間》でしょうか」

 うん、全くもって意味が分からない。世界の狭間?自分は夢でも見ているのだろうかと本気で疑う。

 「いえ、これは夢ではありませんよ。現実です。あなた達はこれから 《アラン》と呼ばれる世界に勇者として召喚されるのです。そして、ここではあなた達に所謂チートを身につけてもらいます。まぁ、キチンと訓練を受ければ大丈夫でしょう。まず、ステータスと念じてください」

 立て続けにいわれ混乱している中、何人かの男子達が「ステータス」と念じる。試しに私も呟いた。


マユミ・ハシモト

 性別   女

 称号 異世界人 勇者

 レベル 1

 HP   1000

 敏捷力 1000

 魔力  500

 力   650

 素速さ 800

 防御力 580

スキル

 鑑定Ⅰ

 言語理解Ⅳ

 


  「鑑定Ⅰと言語理解Ⅳは私からのせめて

ものプレゼントです。説明はそこをタップすれば分かります。後の説明は向こうで聞いてください」

 それでは、と女神を名乗った人が言うと突然私達の体が光となって分解されていく。まだ聞きたい事がたくさんあるのにそれを許さない。そのまま私達の体はこの世界から消え去った。

☆☆☆★☆☆☆

 真っ白の世界。《世界の狭間》と呼ばれる場所にクラスメート全員と一緒にとばされた。そこでフィーナがクラスメート達にス テータスの説明をする。そこで俺もステータスと念じた。



キラ・ユウト

 性別 男

 称号  大罪人 最強の元勇者 異世界人 魔法使い 聖剣の主

 レベル 1268

 HP 15680

 敏捷力 15680  

 魔力 50

 力 15680

 素速さ 15680

 防御力 15680

スキル

 鑑定Ⅳ

 槍術Ⅵ

 居合Ⅵ

 鎖鎌術 Ⅵ

 骨法Ⅵ

 柔術Ⅵ

 薙刀術 Ⅵ

 棒術Ⅵ

 隠蔽Ⅵ

 剣術Ⅵ

 鍛冶Ⅵ

 採取Ⅴ

使役天使 ルシファー

使役獣 白龍皇

    黒龍皇



 「ま、久々に見たら懐かしいかな」

 暫く自分のステータスを眺めていると、説明が終わったのかクラスメート達が光の粒となって分解されていた。

 「久しぶりね、大罪人。十七年ぶり?」

 「もうそんなになるか。俺も精神年齢は三十二だな。てか、そんなとこはどうでも…」 

 「ごめんなさい、それはホントに偶然です。でも、あなたが居れば安心ですね」

 「言っとけ」

 「頼みましたよ、キラ。彼らのことを。」

 「違うよ、俺は悠斗(・・・)だ」

 そう言って俺はフィーナの方を見ないで狭間から立ち去る。

 「じゃあ、行ってくる」

 「行ってらっしゃい」

 そして俺は後を追うように光の粒子となった。


 「頼りにしてますよ。私の愛する人」

 その女神の呟きは誰にも聞かれなかった。

来週はスカーレット・アイズ・オブ・ワーです。


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