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されど勇者は剣を取る  作者: 森澤倭
プロローグ 最強の勇者
2/7

第二話 一時の別れ

魔王ラティファとの出会いから一月が過ぎた頃、勇者とその一行は戦いの傷も癒え講和のことを国王に伝える為ラーサル国に帰る準備を整えていました。

 「ララ、もう忘れ物とかないよな?」

 ララとは私の名前です。私は辺りを見回し、

 「無いと思いますよ。」

 と答えます。

 「それじゃあ、カリバーはどこへ行ったか知ってる?」

 カリバーとは勇者様の愛剣であるあの聖剣エクスカリバーのことです。なんと、あの聖剣エクスカリバーは非戦闘時人の姿になるのだ。ただ、その姿とはーーー

 「あなたは遂にロリ......」

 「ケンカを売ってるってことでいいのか?」

 「さて、何のことでしょう?私は少し自分の願いを口にしただけですが?」

 勇者様と私との間で視線がバチバチとぶつかります。するとどちらかと言うわけではないが笑い始めました。

 「久々だな。」

 「そうですね。始めの頃は毎晩こうやってからかいあったりしましたね。星が綺麗でしたし。懐かしいと言えばそれまでですが、」

 「仲間が増えてからは二人で話すなんてなかったしな。」

 「でもみんなで朝までドンチャン騒ぎしたりそれはそれは楽しい日々でしたよ。」

 そんな風にこれまでの旅のことを懐かしんでいると遠くの方からドタドタと騒がしい足音が聞こえてきました。

 「ララさん!ご主人!何してるの?」

 現れたのは人の姿をしたエクスカリバー様です。まだあどけなさ少し残る顔にでる出るところは出ていて引っ込むところはしっかり引っ込んでいるという美幼女です。勿論、可愛いは正義です。異論は認めません。

 「帰る準備をしてるんだよ。講和の事早く国王に伝えないと。」

 「ええ~、もう帰るの?」

 明らかに不満げなエクスカリバーを宥める勇者様を見てまるで親子みたいだと私は思ってそこで顔を真っ赤にしてしまいます。

 (彼が父親なら母親は......)

 「ん?何故顔を真っ赤に染めているのだ?」

 新たに部屋に入ってきたのは勇者様の友達で歴代最強の魔王ラティファ様です。

 「いえ別に。」

 この人は絶対に分かって言ってる。私がそう確信している時、

 「熱でもあるのか?」

 と言ってあろうことか勇者は私の額に自身の額をくっつけてきます!お互いの息がかかるほど顔を近づけられてきっと私の顔は今まで以上に赤く染めあがっていることでしょう。ついでにラティファ様の嫉妬に歪んだ顔も想像します。勝った!

 それからさらに数日が経って私たちは魔王城をたつ時が来ました。

 「私も準備が出来次第そちらに向かおう。次に会うときは講和のテーブルでだな。」

 「ああ、楽しみにしてるよ。ラティファ。」

 その答えにおうっと他の皆様が答えます。

 「おっと、そうだ。ラティファ、プレゼントだ。」

 そう言って勇者様が取り出したのは淡い赤色の石がはめ込まれた指輪です。それを見た途端ラティファ様は顔を真っ赤に染めてしまいました。

 「じゃあな、ラティファ。」

 指輪を渡した勇者様はそう言って手を振ります。何故か哀しげに…。勿論、私もラティファ様に宣戦布告は済ませてあります。そうやって私は(・・)ラティファ様との一時の別れを過ごしました。

 しかし、私は考えもしなかったのです。なぜ勇者様は哀しげにしていたのかを、彼に待つ残酷な運命を。

もう少しこちらの世界の話です。

もうひとつのスカーレット・アイズ・オブ・ワーもあるので更新は不定期になります。


目指せ、週1更新!

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