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されど勇者は剣を取る  作者: 森澤倭
プロローグ 最強の勇者
1/7

第一話 友達になろう!

二つ目の小説です!


目の前にそびえ立つ魔王のいる城。そこに勇者と賢者、剣士、僧侶、メイドさんのパーティーがいる。それに相対する一人の少女が魔王ラティファだ。

 「よもや此処まで辿り着くとは思っていなかった。褒美に主らの墓標はこの魔王城の中に建ててやろう。」

 まだ魔界を全て治めるにはあまりにも若い少女は玉座に座りながらそう言った。

 「まあ、ソイツは俺が死んだ時にでも頼むとしてだ...、」

 勇者はそこで一旦言葉を切り、自信たっぷりに笑うと

 「俺と友達になろうぜ。」

 と言って手を差し出した。

 「ハハハッ、噂には聞いていたが歴代最強の勇者は随分と変わり者らしい。」

 「言っとくが俺は大真面目だ。俺は歴代最強の魔王ラティファを倒しに来たんじゃ無いんだ。ラティファ(・・・・・)と友達になりに来たんだ。」

 「私は主らの国を攻めている軍の総大将だぞ?それを友達になろうなどと、どうせ主も私を裏切る。昔、友であった人間もそうだった。私のことを一生の友達だと言いながら私が魔族であると知った途端に化け物呼ばわりをして逃げて行ったわ。私は人間を信じない。私たちと人間達の何が違うと言うのだ?ただ生まれた場所が少し違うだけでそれ以外は全て同じだと言うのに。」

 「人は確かに間違いを犯してきた。分からぬと逃げ、知らず、聞かず、その結果がこれだ。人と魔族は何百年も争いを続け、決して少なくない血を流し続けた。でも、それを止める力が俺達にはあるんだ。なら少しでもその可能性があるのならそれに賭けて見るのはどうだ?」

 「そのために我々が友達になろうと?」

 「いや、それは関係ない。俺はただ友達になりたいだけだ。駄目か?」

 「言ったであろう?人間は信じない。もう裏切られるのは御免なのだ。話し合いはここまでだ。最強の勇者よその聖剣エクスカリバーを抜け。これ以上は語る必要もない。主らが破れた時点でこの戦争も終わるであろう。」

 そう言って魔王は魔剣を抜き勇者に襲いかかる。勇者もエクスカリバーを抜いて剣戟を繰り広げる。賢者たちはそのハイレベルな戦闘にただ見とれている。しかし、勇者はただその全てを捌くだけで攻撃を一切しなかった。その事実が魔王を苛立たせる。

 「どうして攻撃してこない!もしや未だに戯れ言をぬかし続けるのか!もう終わっているのだ!私がこの魔剣を抜いた瞬間から!」

 「終わっちゃいないさ。剣を抜いてもまた戻せばいい。その為の鞘もあるのだから!」

 魔王の怒号に勇者も叫び返す。二人の剣が交じり合うたびに魔王城に罅が入る。

 両者の拮抗が崩れたのは突然だった。魔王が勇者の剣を捌き損ねたのだ。と言っても勇者は攻撃したのでは無い。偶然にも攻撃になってしまったのだ。つまり、勇者にとっても想定外の攻撃。それを見た魔王は自分が負けた事を認識した。そして、それは同時に自身の死も意味する事を。そして、聖剣エクスカリバーは振り下ろされ血飛沫が舞った。しかし、その血は魔王のものではなかった。魔王は自分が見たものが信じられなかった。勇者が自分の腕で魔王を庇っていたのだ。結果的に自分で自分の腕を傷つけた事になる。 

 「何故だ!?今の攻撃で私は完全に死んでいた。何故私を庇ったのだ!?」

 「言ったろ?俺はラティファと友達になりに来たんだ。その友達を斬ってどうする?それに友達を守るのは当然のことだ。」

 その勇者の言葉に思わず魔王は笑ってしまった。そして、同時に思った。コイツなら信じて良いかもしれないと。

 

「勇者よ、人間と魔族は本当にてを手を取り合えると思っているのか?」

 「そもそも、そこが間違ってる。どっちも人だよ。それなら手を取り合えて当然だ。それに成せば大抵なんとかなる、ってな。俺の死んだ親父の口癖だ。」

 「そうかもしれない。よしっ!怪我した腕を診せなさい。あと、しばらくコッチに居なさいな。歓迎するわ。」

 そしてラティファ(・・・・・)は続ける。全てを魅了するような年相応の笑顔で。

 「私の大事な友達なのだからな!」

第一話 友達になろう!

            でした。

今後も細々とですが頑張って更新していき

ます!


プロローグはもう少し続きます。

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