第1話 あの、なにを見てるんですか! ご主人様!(とってもわくわくしながら)
世界横断列車に乗って、豪華な世界一周旅行に行こう。家族のとっても元気な子犬の小さな動物お人形アニマルパペットの女の子のきいろと一緒に。
あの、なにを見てるんですか! ご主人様!(とってもわくわくしながら)
赤色の世界横断列車の中。
赤色の古風な列車の窓の外に見える風景は緑の大自然が広がっていた。
遠くには白い山々と水色の湖が見える。空はずっとずっと、どこまでも澄んでいる不思議な青色だった。
橙は自分の名前と同じ橙色のコート着て、赤色の列車のふかふかの椅子に座って、黒色の眼鏡のレンズ越しに、ときどき、おしゃれな緑色の陶器のカップで美味しいコーヒーを飲みながら、じっとそんな美しい外の世界の風景を眺めていた。
橙は(いつもはまっすぐにしている)長い黒髪を橙色のりぼんでまとめてポニーテールの髪にしていて、足元は(いつもは白いスニーカーだけど)黒いブーツだった。
「あの、ご主人様。なにを見ているんですか!」
とっても長いトンネルの中を(本当に長かった。今が昼なのか夜なのかわからなくなってしまうくらいに)列車が走っているときに(ずっとはしゃいでいたから疲れてしまって)すーすーと眠ってしまって、少し前に目を覚ました子犬の小さな動物お人形アニマルパペットの女の子のきいろが(いっぱい眠って起きたばっかりだから)元気いっぱいの顔をして、足を前と後ろに動かしながら橙に言った。
きいろは、(やっぱり)自分の名前と同じ色の黄色の子供用のコートを着ている。
黄色のりぼんでまとめて、亜麻色の髪を(橙が編んだ)おさげの三つ編みにしていて、足元は可愛らしい黄色い靴だった。
ふかふかの椅子の横にあるテーブルの上には、食べ終わったチョコレートクッキーの紫色の缶と、飲み終わって空っぽになったオレンジジュースのコップが置いてあった。
「外の風景だよ。初めてくる国の景色だから、見ているだけでも楽しいんだ」
きいろを見てにっこりと優しい顔で笑って橙は言った。
「わたしもお外がみたいです!」
はしゃぎながらそう言って、きいろは窓にしがみつくようにして、列車の窓の外を見た。
「あ! 本当です! すっごく綺麗! ご主人様! なんだか『違う世界』にやってきたみたいです!」
としっぽをぶんぶんとふって、興奮しながらきいろは言った。(そんなきいろの言葉を聞いて、確かに私たちは今、いつもとは違う世界にいるのかもしれないなって橙は思った)
橙ときいろは今、赤色の世界横断列車の中にいた。すべての席が予約制の指定席になっていて、今、この広い古風な車両の中にいるお客は橙ときいろの二人だけだった。
それはたまたまではなくて、もともと世界横断列車の世界一周旅行では、列車の車両一つを一組のお客が全部使うことができたのだった。(ほかのお客もみんなそうだった)
とっても豪華な旅行なのだ。
世界横断列車は、その名前の通りに世界をぐるりと一周している列車のことで、ずっと列車に乗っているだけで、世界一周旅行ができた。
とっても人気のある旅行で、(予約を取るのもすごく難しかった)もちろん、すごくお金のかかる旅でもあった。(お金だけではなくて、時間もとってもかかるとっても長い旅行だった)
だから、とっても、とっても迷ったのだけど、橙は世界横断列車に乗って世界一周旅行に行くことにした。(とっても、とっても『悲しいこと』があったのだ。その『とっても悲しいことを自分の心の中に受け入れるために、とっても深い悲しみを乗り越えるために』、橙はずっと憧れていた世界横断列車に乗って、世界一周旅行をすることにしたのだった)
もちろん、橙の家族の子犬の小さな動物お人形アニマルパペットの女の子のきいろと一緒に。
「もう少ししたら、お昼だからお昼ご飯を食べに食堂列車に行くこうか。好きなものなんでもたくさん食べていいよ、きいろ」
ふふっと優しい顔で笑いながら、橙はずっと窓に顔をくっつけるみたいにして、外を見ているきいろに言った。
するときいろは大きな水色の瞳で橙を見つめて、しっぽをぶんぶんとふって、「え! 本当ですか! ご主人様! やった! 大好きです!」と言ってから、とっても、とっても幸せそうな顔をして橙の胸に飛び込んできた。(きっと心の中では大好きなじゅーじゅーと焼いた分厚いお肉を食べるところを思い浮かべているんだろうなって、きいろを抱きしめながらくすくすと笑っている橙は思った)




