第3話 犬探し
「お姉ちゃん、犬のポチを見なかった?」
帰り道にクレープ屋の前で買い食いしていると、小さな女の子に話しかけられた。
小学生低学年くらいの女の子だ。
手には、ちぎれた首輪がある。
ああ。やっちゃったな、わんこよ。
俺は女の子の前でしゃがんで、目を合わせながら訪ねる。
おびえさせないように、できるだけ優しい口調を心がける。
「もしかして飼い犬が逃げちゃったの?」
すると女の子が小さく頷いた。
「うん」
「それなら、すぐお家の人に相談しないとね。お電話持ってる?」
今度は横に首を振る。
「持ってない……」
今時はこれくらい小さな子でもスマートフォンを持っているのが普通だけど、どうやら活躍する時は見送られたようだ。
「じゃあ、お姉ちゃんたちがしばらく一緒に探してあげる。それでも見つからなかったら、お家に帰ってお父さんやお母さんに言うんだよ」
俺がそういうと女の子はほっとした顔になる。
「分かった」
私は食べ終わったクレープの包み紙をゴミ箱に捨てていたゆずに話しかける。
「ゆず、ちょっと事情があって逃げたワンちゃんを探さなくちゃいけないんだけど、この後予定ある?」
「ううん、ないよ」
ゆずはいい子だな。
一緒にわんちゃんを探してくれることになった。




