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冒険者からの贈り物

書き始め2025年6月9日

書き終わり2026年2月15日


こちらの作品はサブとして書いていた二作目でメインを書きまくってたのであんまり更新してなかったストーリーです

これと同時に投稿される他二作品と後々繋がる物語です

どうぞご覧ください


「今日も身体に異常はないわね」

「足が動かないのは残念ですがいつも見てくださりありがとうございます」


お医者様の診察はいつも通りあっさりと終わった。

何回見てもらっても足は治らないからね。


「それでは今日はもう終わりで良いですか?」

「あぁ。ウルドーに会いに行くのか。確か長期遠征から帰って来るらしいな」

「えぇ」


ウルドーと言う方は私と仲の良い冒険者さんです。

偶にお土産で珍しい本や花を持ってきてくれたり異国の美味しい料理を振る舞ってくれるんです。


「それでは失礼します」


私はそう呟き車椅子の車輪を動かしながら部屋を出た。

家の中には坂道が多くあるので私一人でも動けると言えば動けるのが助かりますね。

父上が私の為に作ってくれた物ですものね。

私は屋敷を囲む柵(ほぼ城壁です)の一部にある門を通り街の中を進んでいく。

街には様々な人が歩いて居るのはいつもの光景。

野菜売り場でトラート(多分異世界のトマト)を買うおばあさん。

剣やらモーニングスターやらを背中に抱えた五人組の冒険者。

角の生えた馬が動かす馬車。

まるで昨日と同じ光景を繰り返すように街の人たちは動いている。

その中で一つ、剣を交えた紋章が掲げられている建物の前で私は止まる。


「着いたー。ウルドーさん達はもう既に到着しているでしょうか?


ここは「冒険者ギルド」

ウルドーさんが帰ってくる時はここに必ず居るのだ。

でも一つだけ問題があって…


「スロープがないのが…大変です!」


家の中の坂道は言わばスロープ。

でも冒険者ギルドにそんなのは無い。

基本ちょっと高い位置にあるので階段を数歩分上る羽目になる。

手すりがなかったら地べたを這いずって上るであろうからより苦労する。


「うーん…やっぱり上手く登れな…あ」


いつも通り手すりを登ろうとしてたら目の前をちょうちょ(のような何か)が横切る。

その生物に驚いたはずみでスロープから手が離れ…


「きゃ!!」

「うおっと!あっぶないねぇ」


何かに受け止められた。

だけどその声は聞き覚えがありすぐ誰か分かったのだ。


「モルセさん!!」

「おぅ。久しぶりだなリーリアお嬢。ウルドーが先行ったハズなんだがすれ違ったか…」


モルセ・ショラ・ベガベルタ。

彼女の名前でウルドーさんの仲間の人なんです。

補足で言うとお二人は兄弟らしいです。


「にしてもここの豚野郎はまーだケチりやってんのか…そろそろ他の冒険者がボイコットでも起こしそうなのになぁ」

「へ?なんで他の冒険者がボイコットなんて」

「あん?そりゃあれだよお前だよ」

「私?」

「冒険者にとっちゃ魔物狩りしてるってだけで子供に避けられるからなぁ。お前みたいな天使が居ると和んじまう奴って意外と多いんだぜ」


初耳です!

でも皆さん以外とやさしいから誤解を解いてあげたい…


「ま、それよりもウルドーに会いに来たんだろ?肩に乗るか?」

「良いんですか!?」

「あぁ。ついでにこの…なんだっけな、人押し馬車?も持ってくぞ」


人押し馬車は車いすの事を指してます。

モルセさんは私の事を軽々と持ち上げてそのまま車いすごと冒険者ギルドの中に「邪魔するぜ!」

…蹴り入れて入りました。いつも通りですね。


「うぇ!?ど、どちらさまで…ってなんだモルセさんですが…」


唐突なドア蹴り乱入に冒険者だけでなく、大概のトラブルであれば慣れてる冒険者ギルド職員が過剰反応するのはモルドさんが帰って来た時だけの光景です。


「モルセさん。何度も言いますがドアを蹴破って入ってこないでください。壊れないから良いというわけでもないんですよ」

「んな文句は貴族に媚びる豚野郎にでも言っとけ。リーリアが毎回入りずらいんだぞ」

「へ?リーリア…あ、一緒に居たんですね。どうりでモルセさんが人押し馬車を持ってるわけです」

「こんにちは」

「はい、こんにちは。今日も元気ですね」


おかげさまでです。


「そういえばウルドーさんは…」

「今はギルド「んっんん!」…言い直させようとしてもダメですよモルセさん」

「ちぇ。なんで律儀にそう呼ぶんだよ、豚でいいだろアイツは」

「職場の上司を豚野郎呼ばわりする職員が居るわけないじゃないですか」


その後小声で「まぁ有給取ったら豚野郎って言うけど」と、呟いてました。


「ウルドーさんはギルドマスターに呼ばれて二階に上がってますよ。時間的にもうそろそろ」

「おう。丁度だぞ」


階段の方から聞こえた声に私とモルセさん、職員さんが声の存在の方を見る。


「ウルドーさん!」

「おう、リーリアお嬢。ってここギルド内だからリーリアでいいか」

「はい!構いませんわ」


ちょっと遠くの方でなにかを殴った音が聞こえた気がしましたけどその方向を見ようとしたらモルセさんに目隠しされました。

むう。


「来てるっつう事は冒険譚を聞きに来たのか?」

「はい!今日は」

「先に言うが今回は薬草採取だったからあんまりいい冒険譚ではないぞ」


あ…

ウルドーさんがこう言ってくる時は大体「出来れば聞かないでほしい」と思ってるらしく、それでも私が聞きたいと言ったら聞かせてくれるんですがあんまりいい顔ではないんですよね。


「分かりました。それじゃあ今回は保留という事で」

「あ。でもそうだ。代わりと言っちゃなんだがプレゼントを持ってきたぞ」

「え?」


私に?

驚く私を他所にウルドーさんは腰に掛けていた袋から古ぼけた本を一冊取り出した。


「これだ」

「これは…?」

「まぁ知る奴ぞ知る本だ。使い手も少ないから販売数も少なくってな。依頼先の街で偶然見つけて買ったんだ。もしも、もしもリーリアがこれの使い手になれれば…」


その人押し馬車から降りて自分で歩けるようになるかもだからな


ウルドーさんの一言は私の心の奥に、まるでお高い包丁が固い肉を豆腐みたいに切るかの如くストンと、入った。

ウルドーさんがくれた本のタイトルは「精霊召喚 見習い編」だった。


とある冒険者パーティー


剣士「ぐぁぁぁぁ!リーリアが!リーリアが尊い!!」

魔法使い「おい誰かこの幼児愛護者止めろ」

大槌使い「よし来た」


ゴッ!(ハンマーの打撃音)


モルセ(あいつらまたやってら。リーリアが見たらどうするんだ)


作中の打撃音の正体はロリコン剣士君が原因でした

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