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71話「サンライト王国は絶対守るぞッ!」

挿絵(By みてみん)


「やめろォ────ッ!!」


 モリッカのピンチにナッセは脇目も振らず、フォースの尾を引きながら渾身のパンチで飛びかかる。


「おおおおおおおおおッ!!」

「バカめッ! なら、お前から死ぬかにッ!!」


 ニカ大将軍はキッと振り向き、オーラを纏ったカニバサミを突き出す。

 激突の瞬間、ナッセの拳はニカ大将軍のカニバサミを豆腐のようにグシャッと砕き、勢いそのままにほおを抉る。

 驚愕するニカ大将軍は、めり込んだ拳に顔を歪ませていく。

 バキベキ骨が砕ける音がする。


「ガニハアッ!!」


 ナッセが拳を振り切り、高速で吹っ飛ぶニカ大将軍。

 地面を数度バウンドして木や岩を突き抜け、向こうの森林へ突っ込んでバキバキバキ砕きながら煙幕が上がっていく。最後に煙幕が高々と噴き上げられた。


「すごっ!?」


 驚くリョーコ。

 満身創痍とはいえ、モリッカの最強魔法に耐え、フクダリウスの剛力にも押し勝ち、さっきまで激戦していたのに、一発で吹っ飛んだのだ。


「オー! びっくりデース! これが妖精王のパワーですカ!」

「そーいえば龍人さんが妖精は竜と同じくらい怪力とか言ってたわねー」

「ああ、そんな事を言ってましたね」


 そう、今のナッセは竜さんと大差ない攻撃力を持っている事になる。

 杖を失っても余りあるほどに……。

 あの時は妖精王だと笑い飛ばしていたオウガはゾッとした。その気になればボコボコにされるより酷い目に遭う。

 なんせワンパンでニカ大将軍がアレだし。


「は……ははは……。糞ガ……ナッセくん。な、仲良くしていこうかい……」

「急になんだよ? 気持ち悪いな」


 ビビったオウガは必死に取り繕う。意図が分からずナッセは首を傾げる。

 リョーコは怪訝な顔をした。


「ってか浄化攻撃オンオフできたわけ?」

「いや……確かにオンオフはできるけどさ……、魔鱗族(マリンぞく)って邪念そのものだから竜さんのようにはいかない。普通に攻撃するのと変わらない」

「悪そのものだから?」

「ああ」


 普通の生き物と違い、魔海(まかい)は邪念立ち込める世界で、魔鱗族(マリンぞく)は邪悪そのものとして生を受けている。

 だから浄化系攻撃でも、普通に殺傷してしまう。

 とはいえ、魔鱗族(マリンぞく)にとって浄化系は弱点だし、天敵に変わりがない。


「ニカアアアアアアアアアアアアッ!!」


 大気を震わせるほどの怒号の咆哮。

 振り向けば、裂けた森林から這い出るかのようにニカ大将軍がよろめきながら歩いてきていた。

 片腕がズタズタでぶら下がっていて、顔が変な風に歪んでて、片足がヒョコヒョコおぼつかない。

 見るも耐えないほど重傷を負いながらも、なおニカ大将軍は憤怒を漲らせている。


「こ……このまま……おめおめと帝国へ帰れるか……! カニミソ(くそ)……!」


 息を切らし、今にも倒れそうながらもニカ大将軍は怨嗟を孕ませて睨んできている。

 ナッセはキッと向き直った。


「よせ! そんな怪我じゃ死ぬぞ! 降伏して手当してもらわないと……」

「甘ぇな……! 妖精王のぼっちゃんよ……その甘さを抱きながら一緒に死んでくれ!」


 なんと残った片手を差し出して、膨大なエネルギーが収束されていく。

 大地を震わせるほどの恐ろしい威力が凝縮されている。次第にニカ大将軍は一四〇代級の高齢になっていく。


「オーノー!! まさかオウガの奥義と同じように寿命を投げ打ってきましター!?」

「ぬうっ! い、いかん……!」

「あれじゃ、サンライト王国ごと吹っ飛びます!」

「ナッセェ────!!」


 焦るノーヴェン、フクダリウス、コンドリオンに、そして叫ぶリョーコ。

 元が強いので、オウガなんかより超絶ヤバい威力が放たれようとしているのだ。

 ナッセは振り返るとモリッカが跪いている。そして後方にはサンライトセブンとリョーコ。更に後ろはサンライト王国を囲む城壁……。


「サンライト王国ごと消し飛べにかーッ! 九十九年奥義(つくもどしおうぎ)!! ライフスパン・ファイナルフラーッシュッ!!!」


 ニカ大将軍の差し出した手から、寿命全てをつぎ込んだ分の莫大なエネルギー波が勢いよく放たれた。

 それは大地を裂きながら、飛沫を吹き上げ、真っ直ぐナッセもろとも王国を吹き飛ばさんと襲いかかる。

 ナッセはそれを両手で遮り、塞き止めた反動で凄まじい衝撃が爆ぜた。


「おおおおおおッ!!」


 ナッセは両手で押し留め、ぐぐぐぐと競り合う。

 ニカ大将軍は「なっ!?」と一瞬驚くが、押し切ろうと死力を尽くす。


「ムダにかッ! そのまま仲間もろとも……くたばっちまえぇぇッ!!!」

「そうは……させねぇッ! また……バッドエンドにされてたまるかぁ────ッ!!!」


 押し留めていた両手から、自らの魔法『極大爆裂弾(ギガバーストボム)』を上乗せして押し返した。

 更に倍増して跳ね返ってきた超巨大なエネルギー奔流に、ニカ大将軍は見開いて絶句。

 これがドラゴンに匹敵する妖精王の力。

 そもそも、これだけの戦力が揃っているサンライト王国に単騎で挑むなど最初っから無謀だったのだ。

 凄まじい奔流に呑まれ、ニカ大将軍は粉々にされていく。


「ガニハァァ……ァ…………ッ!!」


 決着を告げるように、全てを震わせる大爆発が轟音を伴って広がっていく。


 ついに最後の四天王すらも打ち倒せたのだ。

 ナッセとモリッカは笑顔に綻ばしていく。ついに絶望の運命に勝ったのだ。

 フクダリウスもリョーコもコンドリオンもノーヴェンも歓喜に震えていく。


「「「やったああああああああああああああッッ!!!」」」

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