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69話「絶対無敵! 余裕のドラガオン!」

挿絵(By みてみん)


「ともあれ皇帝は国を攻めるなと命令されてるが、オウガの討伐だけは許可されたにか! 最後の四天王としてニカ大将軍、キサマらを倒させてもらうにか!!」


 ニカ大将軍は怒りを込めてビシッと指差す。

 そして凄まじいオーラを噴き出してドラガオンへと光線の乱射を繰り出す。ドラガオンはニッと笑うと受けて立つ。

 やはり余裕と手で払って爆発の連鎖を引き起こしてしまう。


「このおおおおおおおっ!!!」


 今度は巨大な光球を連射するがドラガオンは両拳でガガガガガッと弾ききってしまう。

 あちこち散って草原に着弾して爆発を起こしていく。

 一つ一つが甚大な破壊力だ。


「く……、さすがリュンサンと同等に戦えただけの事はあるにか……!」


 ドラガオンは余裕の笑みで人差し指をチッチッチ揺らす。


「そろそろこちゃいかせてもろうへんぜ!! グオオオオオオオ!!!」


 咆哮と共に荒ぶるドラゴンフォースを噴き上げた。大地が震え烈風が吹き荒ぶ。

 そしてマッハの速度で近づき、ニカ大将軍へ強烈なボディブローを打つ。


「ガニハッ!!」


 ニカ大将軍は身を屈めて吐血。ドラガオンは拳を引いて、再び超高速で打つ。


「更にもう一発!!!」

「再びガニハッ!!」


 続けて喰らいニカ大将軍は再び吐血した。


「まだまだ続くんでやがわ!!」


 ドラガオンの激しい左右のフックの超高速連打で、ニカ大将軍はなすすべもなく交互に揺らされていく。血飛沫が舞う。

 とどめに肘打ちで打ち下ろし、ニカ大将軍は目をおっ広げながら真っ下様に地面へ突き落とされて岩盤が弾け散り、土砂が舞う。

 リョーコは歓喜する。


「やったじゃない! さっすがー!」

「こんな勝負にならんから勘違いしがちだが、ニカ大将軍は四天王だ。普通なら四肢がもげるような猛攻にもタフだから、まだ……」

「むう……」

「オーノー……、確かにドラガオンがいなければハードモードな戦いデース」


 煙幕が濛々立ち昇る穴から、無数の光線と光弾が飛び出す。ドラガオンは生身の拳でバシバシバシシッと弾き切り、空で爆炎がドドドォォォンっとあちこち轟いた。


「カニミソ(くそ)……!」


 這い上がるニカ大将軍を、ドラガオンの飛び蹴りで突き飛ばす。草原を突き抜けるように地面を抉りながら遠くへふっとぶ。岩をも貫き木々をバキバキバキと薙ぎ倒していく。

 向こうで煙幕が吹き上げられる。


 もはや敵ではなかった。ニカ大将軍なんて舐めプでも余裕で勝てる力の差だ。


「カニミックソ(くそったれ)────ッ!!!」


 再び飛んでくるニカ大将軍。怒りに満ちている。

 ドラガオンは鉄砲を模すように手を握り人差し指で指す。素手による射撃だ。

 指先から光弾を高速連射し、容赦なくニカ大将軍を爆撃していく。覆うように次々と爆炎が咲き乱れていく。


「ガ、ガニハァッ!!」


 白目のニカ大将軍は大量に血を吐いた。

 しかし朦朧する意識を必死に引き止めた。キッ!


「ニカアアアアアアァァァァッ!!!!」


 血混じりの咆哮をあげながら意地で向かっていくニカ大将軍。血眼に血走っている。

 負け戦は濃厚。されど帝国最後の四天王として最後まで戦い抜く矜持がそこにあった。


「フッ、素晴らしい闘志やねですな。ほんなら全力で吹き飛ばしてやらぁですぜ!!」


 両手を合わせ熱血魔獣砲バーニングビースト・カノンへと組み合い、大地を揺るがすほど膨大な光子が指先に収束。ビリビリと衝撃が体を貫くほどだ。これは山一つ吹き飛ばすほどの威力だ。

 ニカ大将軍も驚愕に見開きつつも退くことはしない。


「終わりやですぜッッ!!!」


 大気を震わせ、大地を揺るがし、今まさに放たれんとする!

 しかしドラガオンはオウガ、ドラゴリラ、コンドリオンに弾けるように分裂した────!?


「な、なにッ!?」


 ナッセたちは驚愕。

 何が起きた!? まだ整理と理解が追いつかない!


「ゲェ────ッ! 融合の時間切れで分裂したァ────!?」

「このタイミングでかよっ!」

「オー!! やっぱり未完成でしたカ! まだ課題は多いデース」


 よくある展開として、肝心なところでトドメを刺す前にパワーアップとかが解けて逆にピンチになる。

 ノーヴェンもある程度のアクシデントは想定してたが、確信はなかった模様。


「…………そういうことかい! 安心したにか! これで心置きなくコラプス・ビッグボールで滅ぼしてくれるにか!!」


 ニカ大将軍はニヤリと笑み、掲げた両手から太陽のように大きく輝く光球を膨らましていく。


「ヤバい!! あれを食らったらサンライト王国はおろかその辺一帯ごと吹っ飛ぶぞ!」

「ぎゃああああああ!! ちょっタンマ! タンマ〜!!!」


 切羽詰まったオウガはいきり立った。


「この糞蟹(クソガニ)がっ! ならば全身全力全闘でブチ殺してやるッッ!! ごおおおおおっ!!」


 全てをこの一瞬にかけろ! 熱血漢の全てを敵に叩き込め! 最強は俺様だっ!!


 無謀に突っ込んで殺人移動を放ち、一瞬連撃を叩き込む。

 殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!

 しかしニカ大将軍は「なんだそれは?」と平然としており、オウガは「なッ!?」と目をおっ広げて驚愕。

 オウガとドラゴリラは愕然する。


「……糞がッ……詰んだ……ッ!!」

「ああ……もうダメだぁ……! おしまいだぁ…………」


 あちゃあ、元の弱さに戻ったか……。

 今度はフクダリウスが飛び出し、超重量の巨躯がコンドリオン王子を庇うべき抱きしめて包み隠した。例え自分が死しても王子だけは死なせはさせぬと自ら肉の鎧になるつもりだ。


「フッ、フクダリウスッッ…………!?」

「おかえりなさいませ……。だが王子殿はこれからを生きて欲しい! ワシが望むのはそれだけだッ」


 ギュッと暖かい巨躯の温もりにコンドリオンは涙した。

 誰もが終わりだと、サンライトセブンは絶望する最中、ナッセもまた前世の惨劇を連想して体が打ち震える。

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