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65話「究極の浄化で決着だ!!」

挿絵(By みてみん)


「グオオオオ!!」


 ドラガオンのフックが竜さんを横に傾けさせれば、竜さんの巨竜としての拳でドラガオンを殴る。一進一退の激突。僅かに竜さんが押しているものの、以前ほどではない。


「こしゃくなああああ!!! 牙を削がれようともこの勝負は捨てねぇ……ッ!」


 無理に怒りを滾らせ、戦意を昂らせる。

 口元へ光子の群集が収束。一塊の光り輝く牌が生まれ、大地を抉るほど発射される。


「倍プッシュだ! 極役満(ごくやくまん)龍参牌(りゅうさんぱい)!!!」

「フッ、そうこなくては!!」


 ドラガオンは両手で合掌して銃のポーズを取る。


「あ、あれは────!?」

「イエス! これこそがオウガさんの自称熱血! そしてドラゴリラの獣にコンドリオンの信念が乗ってマス!!」

「そういうもんなの?」


 ノリノリなノーヴェンにリョーコは引き気味……。

 ドラガオンの指先に光子が収束。大地が震え、稲光が散る。正しく戦艦の主砲並だ。


熱血魔獣砲バーニングビースト・カノンッッ!!!!」


 ドラガオンの指先から巨大な光球が放たれ、大地を抉りながらすっ飛ぶ。

 まるでオウガ、ドラゴリラ、コンドリオンの幻影がバックに浮かんでいるかのような鬼気迫る雰囲気だ。


 ズン!!!!


 二つが衝突し、一気に周囲の大地が弾けた。波紋のように円を描いた土砂の大津波が広がる。

 まるで隕石が落ちたかのような凄まじい余波だ。


「ヤバいデース!! 【叡智の眼鏡龍ウィズダム・グラスドラゴン】を守備表示で召喚デスッッ!!」


 ノーヴェンはカードを掲げて光らす。

 身体中に眼鏡を装備しているメカっぽい竜が出現し、ナッセ達を守るようにメガネのレンズで亀甲状にバリアで包んだ。

 ナッセは少し安堵した。


「時空間魔法なんだろうけど、これも唐突すぎるっ!」

「気にしたら負けな気がするぞ……」


 驚くリョーコにナッセは肩を落とす。

 しかし、あの二つの力場を無効化なんて、疲弊した今では無理ゲーだ。


「「グオオオオォォォォオ!!」」


 竜さんとドラガオンは気力を振り絞って競り合っていた。

 尚も衝撃波の余波は吹き荒れ続け、周囲を広く削り続けていた。

 ほぼ互角! ナッセのおかげで竜さんの戦意が削られている分、差はほとんどない!


「くそ……! 競り合えば戦意が戻ると考えたが、あの浄化力は半端じゃねぇ……。削られたら最後、しばらくは復活できない。タカを括って受け続けたツケが響いたか!」


 このままではジリ貧!

 大陸は震え続け、周囲の海辺で津波が荒れ狂う。空で暗雲が渦巻き、台風のように烈風が吹き荒れている。

 尚も二つの光球は一進一退を繰り返して、周囲に余波を撒き散らし続けている。


 ズゴゴゴゴゴ……!!!


 ドラガオンは必死に持ちこたえている。その背後にオウガ、ドラゴリラ、コンドリオンが同じ姿勢で支えてくれている。

 三人の力と想いがドラガオンの血肉となって、心の原動力となっていた。


「バーニングソォォォォオ!!!」

「ウッホオオオオ!!!」

「パオオオオオオオン!!!」


 竜さんもドラガオンも全身全霊で踏ん張っていて、汗で全身が濡れる。力んで血管が浮かんでいる。疲労の影も見える。だが、二人の放つ力場は依然と衰えは見せない。

 勝負真っ只中、集中を切らさない二人はまさに信念と命を懸けている!


 故に一時間も均衡は未だに崩れずにいた。

 焦らされるモリッカとノーヴェンとリョーコ。


「ちょっとー!? 一時間も続いているんですけどー!?」


 バリアを張り続けていた叡智の眼鏡神龍も、限界を迎えつつあった。亀甲のメガネレンズにヒビが入る。

 ナッセは意を決した。


「今だ────ッ!! デコレーション・フィールド! 無効化ッ!!」


 ナッセはここぞと掌を向けた。


「「「な、なにぃぃぃぃぃッ!!!?」」」


 彼らの激突で充分に時間を稼いで回復できた無効化により、二人の激突は優しい花吹雪となって霧散していった。


「く、くそ! クソォォォォ!!! テメェだけでも殺してやるっ!!!」


 いきりたった竜さんは、右腕から大地を抉るほどの爪撃を振るう。

 ナッセは絶句。受ければ即死。さっきのが精一杯で、もう無効化する力は──!

 が、ドラガオンがパンチでぶつけ合って相殺。周囲に衝撃波が広がり、岩盤が辺り噴き上げられた。

 竜さんは絶句。

 またしてもドラガオンに邪魔された。ならば、左からの爪撃でナッセを────!


「待つでがすぜ!!」


 なんとドラガオンはドラゴンフォースを込めた拳で思いっきり竜さんの顔を殴りつけた。そして貼り付けるように地面に押し込んでめり込ませた。

 ズズゥゥゥゥン!!!


「ガッッ……!!」


 たまらず吐血する竜さん。彼の目の先には、未だ空を舞っているナッセが映っていた。

 ドラガオンは親指を立てた拳を見せて、笑んだ。


「後は頼みましたやですぜ!! 竜さんを元に戻してやってくれへんかぜッ!!」


 ナッセの目には、その後ろにオウガ、ドラゴリラ、コンドリオンが映ってるように見えた。

 例え一人になったとしても三人は確かにそこに存在する。感慨深く心に熱いものが込み上げてくる。


「これが……これがッ、オレが繰り出せる最後の一発だーっ!!」

「いっちゃえ────っ!!」


 リョーコが拳を突き上げる。

 ナッセは両手を天に向かってかざし、花吹雪が収束していって鈴を創造していく。

 スイカの大きさほどの純白に燦々(さんさん)輝く鈴────!


「トゥインクルサニ──ッ! 快晴(かいせい)(すず)ッッ!!」


 その鈴を手に、ナッセは振り下ろした。すると優しい音色を鳴り響かせ、暖かい光の波紋が広げていった。

 キラキラ光飛礫を撒き散らし、純白の蝶々の群れがブワッと舞い、たちまち明るい世界に満ちた。

 天地を繋ぐほどの巨大な光の柱が竜さんを覆いつくし、花吹雪が四方八方へと舞い散っていく。


「がああああああああああああああ!!!!」


 浄化の眩い光と音色を浴び、絶叫。

 竜さんの背中から邪念の黒い影が抜け出し、散り散りと分解されていった────。

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