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52話「竜王オオバムノミコト!?」

挿絵(By みてみん)


 ひと晩、サンライトセブンらは休息して傷を癒し、その翌日で龍人に連れられて迷いの森を抜けていった。


「いいのか?」

「構わん」

「ほ、ほんまにありがてぇんや……」


 手をスリスリしてペコペコするドラゴリラ。

 これまで「帰れ」と突っぱねていた龍人が急に認めてきたもんだから、未だに信じられない。

 しかし竜さんが一因になってるかもしれない。


「ドラゴリラとかいったな。それほどドラゴンの力を欲するならば、試練に打ち勝ってみせるがいい」


 どっかで見たような大きな扉。沈黙するサンライトセブン。これ時空間の……。


「そ、そないありえへんわ~! トラウマやわ~!」

「例の糞迷宮(クソラビリンス)じゃねーか!」

「それ知ってる。時空間ダンジョンっしょ?」

「あ、知ってたの? メンゴメンゴ。……困った。修行させたいんだが、まさか踏破されてたとは……」


 龍人はううむ、と腕を組む。

 その間にナッセに耳打ちするノーヴェン。


「ナッセ……。そのダンジョンは試練も含めて同じなのですカ?」

「うん。出入り口は一つだけではないよ。世界中に同じのがいくつかあるんだ。確認もした」

「オー……!」

「そうなんですか……」

「うん」


 龍人は渋ったが向き直ってくる。


「……仕方ない。龍脈へ来てもらうぞ。ナッセには妖精王のなんたるかを学んでもらわねばならんしな」

「あ、ありがとうございます!!」

「やっぱオレが含まれているからか……」

「ほな、ドラゴン得たるわ~!」


 活気湧くサンライトセブン。龍人は笑んだ。久しぶりの客になるな。


 迷いの森を抜けると、淡く発光する山脈。周囲に光礫がふわっと舞う。不思議な光景だ。


「ここからは精神界に限りなく近い境界だ。安易に人を踏み入れさせないよう迷いの森で囲んで結界を張って守ってきたのだ。もう数千万年以上にもなるか」

「あわわ、飛んだ!?」


 ナッセはふよふよ浮いてしまい、手足をバタつかせている。

 サンライトセブンは不思議そうに足元を見やり、飛べるか試すがなんともならない?


「これ、落ち着け。ナッセ殿はもう妖精王に近づいてる故、浮遊能力を持ちつつある。念じて降りて来なさい」

「あ、本当だ。コントロール出来る……」


 ふわりと着陸。


「まだ幼少期ゆえ、物質世界ではまだ飛べんじゃろうがな。ここでは自由に飛べるぞよ」


 そう聞いてビュンビュン飛び回るナッセ。サンライトセブンは目を点にする。

 あそこまではしゃぐナッセは見た事がない。

 これまで真剣であんまり笑わないタイプだったから、そのギャップがすごい。


「ま、まぁ……いい方向になってくれればいいが……」

「そうですね。ナッセさんも明るくなってくれればいい。僕も立ち直らなきゃな」

「うむ」


 コンドリオンとフクダリウスは頷き合う。

 一方でオウガは「妖精王か! 軟弱者のナッセにはお似合いだなっ!」と鼻で笑うが、龍人は細い目で呆れる。


「……竜が特攻的、妖精が特殊的、と能力の傾向が違うだけで身体能力に大差ないのだがな……」

「え? ドラゴンの攻撃力と同じなんですか?」

「妖精王は温厚で暴力的ではないから、そう見られない事が多いがな。その気になって殴れば人間など木っ端微塵だぞ」


 モリッカはゾクッとした。

 建物や巨木を薙ぎ倒した竜さんを思い返せば仕方がない。



 薄暗い、山脈の洞窟。かなり広々としている鍾乳洞。


「申し訳ありません。客人を無断で連れて来た故、許してたもう」

「よい!」


 龍人は会釈。サンライトセブンは呆気に取られた。

 ────巨大な黒きドラゴンが佇んでいた。


「我が名は竜王オオバムトノミコト……。この地を治める王だ」


 ギロリと睨まれ、オウガとドラゴリラは「あわわ」と二人で抱き合う。

 溢れる威圧は、その巨体よりも遥かにデカく、小さな一つの星と間違うほどのモノだ。圧倒的過ぎて言葉を失う。


 ────デカすぎる!


「ナッセよ。妖精の種(フェアリー・シード)を受けし者よ。……主は宿命を背負っておるな。汝には特別に稽古をつけてやろう」

「え? ドラゴンの力が欲しいのワイやが?」

「ふむ、ドラゴンフォース覚醒者の資格を持つ者。だがしかし既にゴリラの力を宿してしまっておる。それなのにドラゴンの力を欲するとは暴食め」


 ビビるドラゴリラとオウガは汗タラタラだ。

 なんか龍人が竜王に耳打ちしてボソボソ。

 たぶんゴリラを宿しているドラゴリラを、どう納得させるか相談しているのかもしれない。


「やけど、ワイはゴリラのままでドラゴンになりたいんや! 副作用あらへん方法でお願いや~!」


 ビビっていながらも、勇気を振り絞るドラゴリラ。

 側のオウガも「お願いしたい! 親友の願いを叶えたいんだ!」と頭を下げた。


「その頼み聞き届けた。ドラゴリラとか言ったな。いいものをくれてやろう」


 ドラゴリラはパッと顔を明るくした。ナッセは困惑する。

 龍人は「こちらへ」と促す。

 とある個室。大きな卵が藁の上で佇んでいる。


「これを孵す事が出来れば、ドラゴリラ。主はドラゴンの力を得られよう」

「の、望むところや~!」

「俺様も手伝おう」


 オウガとドラゴリラ二人は卵に抱きついて、孵化を狙う。龍人は思わず吹き出しそうになる。


「なんか違うような気がするんですが」

「ミーもデス……」


 モリッカとノーヴェンは汗を垂らす。

 ナッセは卵が、どんななのか分かってしまった。


「えっ? それ勇者じゃないと……もがっ」

「しっ」


 素早く龍人に口を塞がれた。




 再び龍人に連れられて戻ってきたナッセは、超巨大な黒竜に緊張しまくっていた。


「……おっと。この姿ではビビるか」


 しゅん、と縮んでいく。人型になった。太ったおっさんみたいになる。

挿絵(By みてみん)

「いや〜! オオバムトノミコトっつったけど、オオバ先生って呼んでくれていいよ〜」ニコニコ


 ナウィおっさんになった事に、呆気にとられたナッセ。呆然だ。


「えぇ……」

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