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38話「透明迷路、コンドリオンの象で突破!」

挿絵(By みてみん)


 第七試練はなかなか厄介なフロアになっていた。

 入口と出口が見える、ただ広いだけの空間。


「ぶぶっ!」


 オウガが見えない壁にぶつかって仰向けに倒れる。

 鼻血を垂らして「この糞壁(クソカベ)がぁ!!」と立ち上がっては、見えない壁を思いっきり蹴った。

 でも硬いので「いってぇ!!」とオウガは涙目で足を抱えて飛び上がった。


「破壊不能の、完全透明な迷路……。オレも難儀した」

「ええー!! この広さで透明の迷路っ!? 作った人マジで狂ってるっ!」

「ああ……」


 フクダリウスは見えない壁に手をつき「ふむ、確かに……」と一言。

 ノーヴェンは無数の浮遊メガネでビームを放つ。すると何かに遮られて垂直に霧散する。


「オレもその発想で進んでいた。広大なMP(マジックプール)によるゴリ押しできたから何とかなったが……」

「ええっ!」


 モリッカは仰け反った。

 確かにチンタラ魔法を放って確認していては底をつく。


「しょうがないオレがまた……」

「待ってください!」


 ナッセが先頭へ歩もうとすると、コンドリオンに呼び止められた。


「見えない壁があるだけなんですよね?」

「あ、ああ……。だが複雑に入り組んだ迷路だぞ? この広さで攻略するのに手間も時間もかかる」

「だったら任せてくれませんか!」

「……分かった」


 なんか自信満々とコンドリオンが言ってくるもんだから、ナッセは引き下がった。

 今度はコンドリオンが先頭に立ち、左右の腕を象の鼻に変態させる。


(ゾォ)ァ、長鼻探索(ノォーズサーチ)!!」


 必殺技みたいに叫び、遠くまで伸ばせる象の鼻による腕で手探りして道順を模索していく。

 通れる道には腕がカクカク曲がっていって、行き止まりでは正面と左右の壁にトントン手が叩ける。


「「「おおっ!!」」」


 みんなは驚いた。ナッセもポカンとする。

 オウガは「おいっ! ドラゴリラっ!!」と対抗を促すが、ドラゴリラは「ズームで指や腕を伸ばせるんやけど、あんなに曲がるのできへん」と首を振って否定した。

 確かにコンドリオンならではの方法だ。


 ナッセ単独だと何時間もゴリ押ししてきたのが、コンドリオンの方法で一時間そこそこで通り抜けた。


「すごいな。コンドリオンのおかげで、こんなに早くクリアできたぞ……」

「ええ。僕だって力になれるんですから頼ってくださいよ!」


 ガッツポーズしてみせるコンドリオンが頼りに見えた。


「やるじゃない!! 象王子(ゾォおうじ)っ!」

「なんですか、象王子(ゾォおうじ)って……」


 リョーコに背中をパンパン叩かれて、コンドリオンははにかんだ。


「見たか! 糞餓鬼(クソガキ)!! これこそがサンライトセブンの実力だっ!!」


 まるで自分の事のように指差して威張るオウガ。

 ナッセたちは白けてジト目……。


「お前は何も役に立っていないではないか」


 コツンとフクダリウスに頭上を小突かれて、オウガは「うぐっ!」と顔をしかめた。

 しかし言い返せず顔を真っ赤にしてプルプル震えるしかない。


「そうだな。サンライトセブンのおかげで、大助かりだ」


 ナッセは潔く認めた。

 それをフクダリウスは、彼の肩にポンと手をついて「だろう?」と笑む。

 ノーヴェンの頭脳と遠隔メガネ。

 モリッカのコンセットによる位置入れ替え能力。

 フクダリウスの頼れる人情と膂力。

 ドラゴリラのタルパ具現化系能力。

 コンドリオンの(ゾォ)変態。

 オウガの無鉄砲。

 …………時空間迷宮に限らず、色んな状況でも適材的所で攻略ができるだろう。


「お前自身も相当な実力なのはワシも認めるが、我々にも頼ってくれい」

「分かった。オレはやっぱ独り善がりだ。改めて思い知った」

「がっはっはっは。ならいいではないか」


 神妙に目を瞑るナッセに、フクダリウスは快く笑った。




 中継地点となる鍾乳洞で再び焚き火で休息を取っていた。

 焼き魚を貪るナッセに、リョーコが「ねぇ」と上半身を寄せてくる。


「次がラスト。ボス戦だよ。HPバーが時空間魔法で、ダメージを与えるとバーを減らして全快する。つまりバーをカラにすれば撃破できる」

「なんだかゲームみたいね」

「ああ。だが現実で、それをやられるとウザいと思うぞ」


 フクダリウスは「確かに……、倒すには骨がいるな」と頷く。

 ふとモリッカが「例えば腕を切り飛ばすとかで、攻撃力を下げるとかはできるんですよね?」と聞いてくる。


「さっき『全快する』といった。つまり欠損しても復元してくる」

「やっぱ経験者の言う事は違うんやね……」

「要するに、敵はバーを減らして常に万全に戦えるというアドバンテージがあるだけ、だろ?」


 オウガが変に自信満々で言ってくると、アテにならない。


「それはさておき、みんなで戦えば難なくクリアできると思う」

「待てコラァ!! さておくんじゃねぇよっ!」


 流したナッセにオウガは憤って食ってかかるが、フクダリウスが「やめとけ」と小突く。


「ナッセの言った通りだ。みんなで戦おう」

「そうですね」

「はい」

「そうこなくっちゃ!」

「イエス!」

「せやね」

「ああ」


 フクダリウスに、コンドリオン、モリッカ、リョーコ、ノーヴェン、ドラゴリラ、ナッセが揃って頷き合う。

 オウガはピクピク顔を痙攣しながら「ぎ……ぎっ……」と唸る。

 俺様こそが最強でリーダーだから従えて攻略すべき、と考えているだけにフクダリウスに役目を取られて納得がいかないようだ。


 万全に整えるべき、みんなは「寝るぞー!!」と就寝に取り掛かった。

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