表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/100

31話「みんなの結束始動!」

挿絵(By みてみん)


 五階層も続いた第一試練で疲労した為、ひと晩休んだ。


 朝日が昇ってきたのかも分からない鍾乳洞。

 フクダリウス達は何かを待っているかのように沈黙していた。すると目の前の空間にヒビが入り、窓ガラスを破って出て来るように飛び出したナッセとリョーコが揃って着地。空間の破片が地面に散乱して溶け消えていく。


「おはよう。待たせたな」


 ナッセの背後で、亀裂が走った空間は収縮して消えていく。


「……時空間魔法デスネ」

「ああ。テント代わりにした。リョーコは女性だからな」

「その方がいい。しかし時空間魔法とは便利だな……」


 空間を破って移動できる魔法。その異端さが先ほどのエフェクトで分かる。


「質問があったら答えるよ」


 ナッセのあっさりした様子に誰もが見開く。普通聞かれたくないはずなのに、こうもあっさり許すとは驚きだ。


「……負担は重いか?」


 真剣な表情のフクダリウス。ナッセは一息をついて首を振った。


「いや、例えるなら十秒間全力で走る程度かな。さすがにヤマミみてーに連発できねぇけど」

「では後遺症が残るレベルまで、使用負担が重くなる事はあるか?」

「……ああ。前世では乱発し過ぎて、体の痺れや脳の障害及び失明しかけた事がある」

「今も後遺症残っているか?」


 ナッセは親指を立てて、こめかみ辺りに指した。


「ああ。だが妖精の種(フェアリー・シード)によって死んだ部分を新しい部分で埋めていってる。銀髪と目がその証だよ。でなければオレはとっくに植物人間になっている」


 モリッカは僅かに仰け反る。ノーウェンは鼻上から指で押し上げてメガネをかけ直す。誰もが言葉を出せずにいる。リョーコも心配気にナッセへ横目で見やる。


「重いな…………」

「ああ」


 誰もが息を飲んだ。時空間魔法は便利だが、かなりのリスクを背負う。それだけで空気は重くなった。


「幸い鍾乳洞地帯では、試練の時のような時空間魔法への制限はない。……帰るか?」

「ナッセ。悪いが最後まで案内を頼んでいいかな? ワシも確かめたい事がある」


 ナッセは一息をつく。


「……分かった。行こうぜ。おっさん」

「うむ。よろしく頼む」



 第二試練も迷路だが、今度は上下段差のある広い空間だ。入り組んだ無数の階段が頭を混乱させそうだ。もちろん道中でキュービックゴーレムの遭遇もあった。


「電撃迅雷破撃メガネビィィーム!!」


 ノーウェンは胸のメガネから電撃を放ち、数体のゴーレムを打ち砕く。

 オウガは「来るなぁあ!!」と槍でブンブン振るって後退りするが、ゴーレムは委細構わず詰めてくる。

 それを見たフクダリウスは斧を振るって、代わりにゴーレムを蹴散らす。


「ムリして前に出なくていい。ワシの後ろにおれ」

「フッ! そうだなっ! 俺様の背中は任せたぜっ!」


 オウガはフクダリウスの後ろへ回って身構えたフリして、共闘を取り繕い始めた。

 全く怯まないゴーレム勢の進撃もドラゴリラの作った壁で遮る。


「リョーコはん! 今やっ!」

「いっせーの……」


 リョーコは斧を引いて身構えていて、オーラの光子が放射状に斧へと集約されて一点へ圧縮して練り込まれていく。

 轟音を伴って地面を揺るがすほどの荒ぶるオーラの塊にナッセも驚きを隠せない。それはまだ教えてないはずだが……。


「スラッシュ・スレイヤァァ────!!」


 掛け声と共にリョーコは斧で薙ぎ払うと巨大な三日月の光の刃が幅広くすっ飛び、数十体のゴーレムを上下に両断。更に切断面からパラパラと瓦解して行く。

 オウガはそれを見て絶句する。ガクガク震え出す。

 昨日からだが、この中で時空間ゴーレム倒してない人はオウガだけなのだ。


「や……やばい……!! 糞斧女(クソオノメ)に、この熱血漢が負けるわけには……ッ!」


 それとは裏腹にリョーコはスッキリした顔でガッツポーズする。


「さぁ行くわよっ!」


 ウィンクして活発な笑顔を見せられ、ナッセは頼もしいなと口を綻ばせた。

 いつの間にかレベルアップしててリョーコも戦力になっていた。

 パワーだけならフクダリウスの次に強い。


「そんじゃ、リョーコ前は任せた!」

「うん、任せて!」


 前線をリョーコが引き受け、ナッセは魔法陣による遠距離攻撃に専念する事にした。面白いようにゴーレムを次々と駆逐していく。


「はっはっは。斧女子もやりおるな。負けてられんわい」

「うむ。そうですね」


 コンドリオンとフクダリウスは背中を合わせて笑む。襲い来るゴーレムを斧で叩き伏せ、象の鼻の縦横無尽に踊る剣が斬り刻む。

 ────かくて衰える事を知らないサンライトセブンの進撃は止まらず、迷路の難関を破竹の勢いで打ち破っていった。


 第一試練のように五階層ではなく、一階層の果てで大きな扉が待っていた。一同に緊張が走る。


「……行くぞ」


 ナッセは手をかざし、扉を開けて行く。

 今度は底が見えない大穴の部屋には、高低バラバラにパネルがたくさん浮いていた。

 足場代わりという事だろう。向こうに出口が見えている。一見すればパネルを飛び移って辿り着けそうなもんだが……。


「なんやえらい簡単そうだわ〜」

「そうだなっ!」


 ドラゴリラとオウガが無策で飛び乗ろうとしている。


「待てっ!! 死ぬぞっ!!」


 ナッセの叫び声に二人は思わず硬直。


「糞餓……ナッセ君、なにか……?」

「ああ、踏むと発動するんだ。クルクル回るヤツ、落ちて行くヤツ、上下か左右に揺れるヤツ、トゲが生えるヤツ、色々あった。ただし踏むまで分からないのがネックだ。もちろん踏み外せば多分助からない……」


 ナッセの苦慮している表情にオウガとドラゴリラはゾーッと青褪めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ