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「はい、みんな!準備はいいですかー⁉︎」
ハキハキした若い女性の声に、ハッとする。
なんだか小学校の先生のような声だけど…?
瞬いて目を上げると想像通り、1人の女性が前に立って、
先生のように大声でしゃべっている。
ただし、服装は…一言でいうと魔女?
ハリーポッターみたいに引きずるようなローブじゃなくて、もう少し動きやすそうに見えるけど…なんというか、ラノベの魔導士のような?腰をベルトで留めた上衣とぴっちりしたズボン、軽やかなマントを羽織っている。
周囲を見回してみると、同じような格好で体育座りをしている子供達に囲まれていた。
というか…
自分もその子供の1人だった!
えっ⁉︎
小さな紅葉のような自分の手をみて愕然とする。周りの子供達の様子からみて、きっと10歳にも満たないだろう。
…ああ、なるほど。夢だこれ。
みんなと同じように、おとなしく先生?の話を聞くふりをしながら、心の中で1人納得した。
最初は異世界転生⁉︎とか思ったけど。まさか、あのまま死んだとかはないだろうし…熱に浮かされて変な夢見てるんだだろうな。魔法使いの夢だなんて、私も大概だなぁ…。
「はい、じゃあさっき説明した通り!先生達はチェックポイントで待機してますので!各自、そこまで飛んで来てください!それではスタート!」
その一言と共に、周囲にざぁっという羽ばたきのような音が満ちた。次の瞬間には、ほとんどの生徒?が空に飛び立った後だった。
え?
思わずポカンと口を上げて空を見上げた。
地面に取り残された私の顔は、きっとかなり間抜けだろう。
もうみんなの姿も見えないけれど。
いくら夢だからって、なんの状況説明もなし⁉︎
ちょ、ちょっと待ってよー!