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魔界の姫君はとにかく怠惰である

作者: 下菊みこと

アリス・ルイーズ・コンスタンタン。魔界の麗しき怠惰の姫君。勇者達をも惑わす完璧な肉体を持ち、全てを見通す瞳を持ち合わせる彼女は…転生者だった。


前世、真面目な働き者だった彼女。しかし、その最期はブラック企業に追い詰められての自殺。その真面目さを買われて異世界に勇者として転生させられたと思いきや、なにかの手違いで「悪魔」に生まれ変わっていた彼女。


アリスは、もう良いやと開き直った。そこからの転落っぷりはいっそ清々しいレベルである。


ご飯を食べるのも面倒→総合栄養食とサプリメントとジュースで補う


風呂に入るのも面倒→魔法で召喚した下級モンスターに全身洗わせる


ただただ寝ていたい→必要なことがなければとにかく寝る


そんな生活を送っている間に「悪魔ポイント」…所謂経験値が貯まり、気付けばものすごーく強くなっていた。


そして、その強さを見込まれて魔王直属の配下「七つの大罪」の怠惰に選ばれてしまった。本人曰く、面倒くさい。


そんな彼女の元へ今日も今日とて勇者御一行…もう何人目になるかわからない…がやってきた。


「怠惰の悪魔!僕と勝負しろ!」


「…うーん。えい」


アリスはそれだけ言うとベッドに潜った。勇者達があまりの対応に呆然としていると、突如勇者の頭上に寄生虫のようなモンスターが現れた。そしてそれは勇者の頭にかぶりつき。


「あははははははは!」


勇者は突如として仲間を斬り殺し始めた。泣きながら仲間の首を刎ね殺した勇者。仲間が全滅したところで、自分の首を掻き切った。


「怠惰の姫君。私を使ってくださってありがとうございます」


「うん」


「今回のご褒美に、私に勇者の身体をいただきたいのですが」


「うん」


「勇者の首と胴体をくっつけていただけませんか」


「…うん」


面倒くさいと思いつつも部下には優しいホワイト上司、アリスは魔法で死体の首と胴体をくっつけた。


「では失礼して」


寄生虫のようなモンスターは死んだ勇者の口から体内に侵入。脳に入ってその身体を操る。


「うんうん。なかなかに良い身体です。しばらくは使い続けましょう」


「寝る」


「おやすみなさいませ、我らが姫君」


次の日目覚めると、何故か昨日の勇者の身体をもらったモンスターが護衛兼執事になっていた。アリスは面倒くさいので何も言わないし聞かないが。


「我らが姫君、私のことはコランタンとお呼びください」


「コランタン」


「はい」


「覚えた、寝る」


「おやすみなさいませ」


コランタンは積極的にアリスの世話を焼く。そうするたびに「怠惰」のアリスはその二つ名の通りに過ごせるため、悪魔ポイントが貯まりますます強く美しくなる。コランタンはそんなアリスにさらに惚れ込んだ。


「コランタン」


「はい」


「最近新しい勇者が私の配下を殺してレベル上げしてる」


「すぐに片付けて参ります」


勇者の身体を手にしたコランタンはそれだけで強い。その上邪魔者を排除し続けることで悪魔ポイントが上がっていき、アリスの兵士達の中で一番の強さを誇るようになった。


「新たな勇者の首を持ち帰りました」


「コランタン、偉い」


アリスはホワイト上司である。部下が頑張れば褒めるし褒美を与える。


「ご褒美」


「では、ハグをして頬にキスしていただけますか?」


「うん」


アリスからコランタンにハグをしてキスをすれば、コランタンは天にも昇る心地になる。


「これからもよろしく」


「もちろんです!」


怠惰の姫君は恋愛に対しても怠惰である。コランタンが怠惰の姫君と結ばれるにはもう少しかかりそうだ。

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