ただのかたまり
あそこにころがっているのは 岩石だ
炭素だか珪素だかの 酸塩鉱物の かたまりだ
あそこにいすわっているあの 岩石は
一見では一切にでも 変わらない かたまりだ
そのように固い 岩石も
いつのまにか 雨風で ばらばらに侵食される
太古の昔 地中のふかくで ドロドロになり
太古の後に 地上の裂け目で 吹き出したのかも
こちらでグズグズしてるのが わたくしだ
細胞だの体液だかの 生体物資の かたまりだ
こちらにゴロゴロしてるこの わたくしも
一日でも一年しても 進歩ない かたまりだ
このように困った わたくしも
いつだって 呼吸して 食事と排泄 繰り返す
何ヶ月毎に 身体の大半が 新品になり
何十年後に その繰り返しを 維持できなくなる
どこかに設置されているのが 人工知能だ
半導体だか基板だかの セラミックのかたまりだ
どこかで論理回路を回してる 人工知能は
一秒でももっと速くも 答え示す かたまりだ
そんなにすぐれた人工知能も
いまだって 大電力の 消費と放熱 繰り返す
いつかの後に 人間に代わり 主役になる
そのときのため 備えるか否か 考え続ける?
技術の進歩は、いつも人間を脅かす側面があります。
原子力もそうですが、多分、蒸気機関のころからも。
だから大丈夫とか、じゃない、というつもりありません。
技術の進歩が人間の生活にどう影響するかなんて、
いつも正確に、予め、分かった試しはないと思います。
ならば、どうするか。