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【AIの有効活用】デスゲームの9割はやらせ【BOT】

作者: 夏川冬道

 昨今の人工知能技術の発展は凄いものがある。ほとんど人間と変わりない動作の人工知能も少なくもない。それに目につけたのが裏社会だ。人工知能技術を使ってデスゲームの真似事を始めたのだ。デスゲームの運営には金がかかるし、倫理的な問題が常につきまとう。それを一気に解決するのが人工知能技術の導入だった。

裏社会は人工知能技術に金を一気に投入し、デスゲーム用の人工知能BOTを大量に自動作成し、デスゲームのプレイヤーとして大量に投下したのだ。その費用対効果はてきめんデスゲームを1回主催するだけで運営は黒字になるほどである。人工知能技術はデスゲームに破壊的イノベーションを引き起こしたのだ。

デスゲーム関連企業関係者のAさんは我々の取材に対してこう答えた。「本当に人工知能BOT様様ですよ、人件費が大幅に圧縮されるし、倫理的罪悪感にうなされる必要はなくなり毎日快眠ですわ」それほどまで人工知能技術はデスゲームの歴史を変えたのであった。

 また別のデスゲーム業界関係者のBさん笑いながらこう答えた。「筋書きのないドラマというのは人間が介在しなくても作れるんですよ。たとえただの乱数によって生み出したドラマだとしても人間の脳が勝手にドラマ性を認識すれば特に問題はないんです。そのことに気づくまでに私たちは人間を無為に消費していたんです。今となっては愚行でしたね」

このように概ねデスゲーム業界は人工知能技術の導入について肯定的見解を述べていた。

 その一方で人力でのデスゲーム運営に拘る業者も少数派ながらいまだに存在していて、デスゲーム業界関係者のCさんは人間をプレイヤーとしたデスゲームに拘るデスゲーム業界関係者の一人だ。「やはりコンピューターで最初から因縁関係を設定されるのはデスゲームとして不健全ですよ。人間の手による温かみのある複雑性こそデスゲームの本質であって、コンピューターによる管理されたデスゲームはデスゲームの本質をはき違えているようにしか見えないんですよ」と手厳しい意見を述べた。

 これからのデスゲーム業界はどのように進化していくのか、今後も注目を外せないことになるだろう。


「もう何も信じられねェ……」

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