戦いの前
「ボス…あの箱また見に行ったんですか?」
群れの一匹が質問する。
あの箱とは2ヶ月程前に親と思われる女が赤子を入れた箱の事だろう。
「魔樹に置かれた木箱ならば確かに見回ったぞ。
何か変なことをしたか?」
「あぁ…いいえ気になっただけです。
あれまがいものの亡骸が入っるんですよね?」
「確かに…そうだな腐臭はしないが。」
定期的見回っている理由でもある…何故か腐っていない。
中に人間特有の食料の匂いがしない…故に赤子が中で何か食べて生きながらえるという可能性は無に等しい。
そもそも赤子が親なしで何かを得ることは不可能なはず。
「それなんですよね…中身確認したいけど、まがいものじゃ近くの人間もゴブリンも関わりたくないでしょうし。」
「うむ…」
正直あの箱の処分に困っている。
豪傑公に頼んで人間に任せるか…我々で焼くかの二択なのだが。
どちらも面倒事になりそうで…一様存在だけ伝えている状態なのだ。
「変な話がありまして…早く処理していただきたいんですよね。」
「変な話?」…何だ?
「あぁ…一昨日の話なんですけどこの辺り見回ってたやつが箱ごと急に動いたらしくて。」
……このあたりに霊体の魔物でも出たか?
「赤子の霊体かもな。
出たくても縛られているのだろう。」
「それがまだ続きがあって…そいつびびって離れたんですけど話聞いた他のやつが確認したらそいつも変な事行ったんですよ。」
おそらくそれも霊体の仕業だろう。
「箱に耳当てたら呼吸音が聞こえるらしいです。」
「は?」「かすかにですが恐れてたようだったって」
………まさか…念の為にやっておくか。
「念の為そこの監視を強化するか…霊体の情報ということで処理しよう。」
「警戒するに越したことはないですね…あいつら魔法しか効かないから嫌なんだよなぁ。」
生きているのか?…まさかな。
帰り際…豪傑公に呼ばれ僕は、再びゴブリン村に戻った。
なんでも子供達が目覚めたらしく。
ハーフエルフを呼んできて…っと僕が指名されたらしい…恐らくあの子だろう。
まぁ僕は、同種…いや近縁種が正しいか…説明の為にいずれ呼ばれることはなんとなく察していた。
………なんと言えば良いのだろう。
大丈夫?…もう安心だよ…第一声というのはとても難しい。
それにここでの僕は正真正銘の忌み子だ…逆に何か反感を買わなければいいのだが。
「…どうした…入らないのか?」
…!ゴブリンが扉の前で棒立ちしている僕に声をかける。
「いいえ…その…第一声を考えてまして。」
「いやお前…第一声も何も…人語話せないじゃないか。」
………っあ…言われてみれば確かに。
「俺が適当に流すからそれっぽく口パクしろ。」
「あはは…わかりました。」苦笑いしながら答え…扉を開けた。
「失礼します…」
扉の先には約10名の子供…何人かいないのは恐らくまだ治療中の子供だろう。
…子供の中に会話した少女がいない…治療中と考えていいだろう。
「…えっと…皆さま無事で良かったです…?」
何いってんだ僕は…正直自分でも今のは引く。
見かねたゴブリンが割り込んで人語(?)で話し始める。
《以心伝心》で話の内容はわかる為要訳すると…今後の彼らについてだった。
会議で言った通り近くの村に保護してもらうように要請中で許可がおり次第森から移動させるとのことだった。
ゴブリン達は周辺の村からは多少信頼されている為大丈夫だと思う。
前に似たような事があってその時なぜ僕をそうしなかったのかっと聞いたところ…
「自分の種族を考えてから発言しろ」…っと言われた。
まぁ仕方ない事ではある。
…とりあえずその場は、適当にゴブリンの行ったことを復唱したり…ここに居ない子供についてなどを話した。
少々意味不明だったからか…子供たちの視線が辛かった。
………
……
…
あのゴブリンおばあちゃん曰く…今別室の子たちに昨晩のエルフ?の娘が今後について説明してるそうだ。
終わり次第ここに来て今後の説明をしてくれるらしい。
「なぁ…そいつ本当にエルフなのか?」
少年が急に問い詰めた。
「…え?…ぁあ耳とがってたから多分。」
「…おかしくねぇか?…エルフとゴブリンって仲がとても悪いってよく聞くんだけど。」
言われてを見れば…森の管理者であるエルフはそれを荒らすゴブリンを基本的に毛嫌いする。
「ん…わかんない。
でも人種に攻撃的じゃないからエルフとも仲がいいってだけでも筋は通ると思う。」
「そう言うもんか?」 「多分」
「キタヨ…」そうこう話していたらおばあちゃんが入口から顔を出して言った。
室内に2人…でいいのだろうか…あの女の子と若い雄ゴブリンが入り女の子が一礼する。
「さっきと同じでいいですか?」っと若いゴブリンに確認すると若いゴブリンは軽くうなずく。
そこから軽く説明を受けた女の子が外国人だからか…若いゴブリンがオウム返ししながら…雑な解釈だが私達は周辺の村に保護するようにお願いしているらしい。
許可が降りたら私達は体調が回復次第森を出る…その後はご自由に…っと言った感じだ。
「説明は以上です…他に質問は?」
「以上…質問は?」
少年が手を上げた…
「そこのネズミ耳…」
「ハムスターだよ…そこの彼女について説明してもらってもいいですか。」
愚痴りながら質問する。
「彼女はこの森の…なんだ?」ゴブリンは、説明に困ったのか女の子に顔を合わせる。
「あえていうなら伝達役でしょうか?」
女の子が速攻で答える。
「伝達役だ…各陣営の連絡をしてくれている。」
「陣営?」
「この夜月樹海の中には3つ陣営があって彼女は比較的中立の立場だ。」
なるほど…多分グループの一つにエルフがいてあの子はエルフのグループに所属している…樹海って事は範囲が広いからそもそも争う必要がないのかもしれない。
「はいはい…なんで夜中に出歩いてたの?」
犬耳の女の子が手を上げて質問する。
「警備と一緒にいただけだこう見えても剣が上手いから…問題はないと上司が判断されている。」
「へぇ…」
「そこの垂れ耳は質問あるか?」
「いいえ…得には。」 後でじっくり聞こう。
「そうか…それでは私達は失礼する。」
女の子が出ようとしたタイミングでおばあちゃんが
「森人…末越残里菜際」と多分だが女の子を止めた。
「えっ…」 「支障葉内…時我来鱈呼部。」
「わかりました。」
そう言うと若いゴブリンは部屋を後にして女の子は部屋にとどまる。
………
……
…
急にそんなこと言われても困るのだが…
………まぁいいか…彼女には聞きたい事がたくさんある。
とりあえず《以心伝心》で彼女…垂れ耳の獣人は言葉を理解できるはずだから会話は可能だが。
…さっきと同じだ何話していいかわからない。
「ねぇ」 「…は…はい?」
急に…急ではないか…彼女が質問を始める。
「なんでゴブリンと一緒にいるの?」
初動で手指がわからん!
「えぇっと…彼らとは有効な関係を築いています。」
「へぇ…ゴブリンとエルフって仲が悪いって話だけど。」
えっそうなの…そう思いおばさまを見るがあぁまぁ確かにみたいな表情をしている。
「他所はよそうちはうち…というやつです。
強いて言うなら…身辺にエルフがいないので参考がないだけです。」
まぁ確かに生まれ故郷ではエルフとゴブリンは敵対関係と書かれる事が多い…こちらでも同じになっていても何らおかしくはないか。
「参考がない?」
「僕は、エルフとしての知識はゼロなんですよ…身内が見ての通りゴブリンだらけなので。」
「いや無いわけないでしょパパとママから聞けるんじゃない?」
しまった…両親は狐です…なんて流石に言えないよな。
「その子…捨て子」
…って…何言ってるんですか!おばさま!!
「…っあごめんなさい…」
ほら言わんこっちゃない!!
「いいえ…気にしてないので大丈夫です。」
………どうするんですかこの空気!!
おばさまは、両手を合わせて謝罪の一礼。
「えっと…そうだ名前まだ聞いてなかった!!
名前は?」
……あ…しまった…森人まがいというあだ名にかまけて現世の名前を付け忘れた。
前世の名前を名乗るのも性別が違うから違うし…
「部族…決まり…名前…まだ。」
ナイスカバーおばさま!
「そうなんだ…じゃあ先に私が名前を…」
彼女が名前を名乗ろうとした瞬間だった後ろから先程のゴブリンが姿を表す。
「時間だ」ただその一言で僕は反射的に立ち上がる。
「了解です…それでは失礼します。」
空気がまだ若干重かったから正直助かった。
「えっ…ちょっと。」獣人の少女の声を無視して部屋を出た。
………
……
…
少し移動して作戦会議に途中参加する。
そこには当然ながら3陣営のトップ(飛鱗公は代理)と幹部だらけだ。
細かい戦略はあるが基本的にな形は3ウェーブ…まず蛇たち…つまり飛鱗公陣営が門番を打破。
自分の領土を勝手に使われて面目丸つぶれだからか他陣営に比べて張り切っているようだ。
次に僕を含む狐たち妖炎公が内部に潜入及び攻略…最後にゴブリン…豪傑公陣営が内部の残敵掃討…以上だ。
「開始はいつですか?」僕は、唯一時間を知らない為質問した。
それに反応し豪傑公が口を開く。
「今から…っと言いたいところだが獣人の保護体制が整ってからだ。
部下の連絡からして早くて今夜か翌朝だ…」
なるほど…となると夕方頃に移動を開始して周辺に待機することになるだろう。
「了解しました。」
投稿遅れて申し訳ございません。
個人的にかなりグダグダになってしまったのでここは見なくても問題はないと思います。
戦闘直前の雰囲気を作りたかったのですが点と点が繋がらない微妙な出来になってしまいました。
それと獣人の少女のキャラがかぶる凡ミスをやらかして混乱が生じてしまいました。
もっとスッキリした展開ができるように今後は精進いたします。