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『大罪の魔王』~『ガチャ』と『配合』、それは最弱から最強へと至る魔王道~  作者: 山畑 京助
第5章 帝国領土『南』制圧作戦

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第7話 絶望の『選択肢』

『大罪の魔王』を閲覧していただきありがとうございます!

分裂体なのにコピーした魔物の性格や精神状態まで真似ることが出来るメルちゃん最高!

「光魔法! 大いなる光の壁よ! “ホワイトフォール”!」


「『立ち塞がる鋼壁(アイアン・ウォール)』」


「付与魔法! “防御強化”」



 イブリースから放たれる触れる者の魔力を腐らせる炎の濁流を最大の防御スキルを各々が使用して食い止める。

 エリの放った光属性の魔力壁はアルの付与魔法で強化されるがどんどん腐炎に侵食されている。

 タクミマンの盾技で勢いを防いでいるが、そのスキルも侵食されて砕かれる直前まで来ている。



「『刹那戦闘』! 行くよ!」



 一瞬の溜めを使い1秒で5秒の動きをすることが出来る『刹那戦闘』をレオンが発動し、大外へ飛び跳ねるように移動しながらイブリースへと向かっていく。

 凄まじい高速移動にイブリースは反応できず、レオンはイブリースの懐まで来たところで、一度限界を迎えたと感じ『刹那戦闘』を解除する。



「っ! 蠅如きが抜け出してくるとは!」


「クロススティンガー!」



 2本の短剣から放たれる相手の防御ステータスを無視できるクリティカル攻撃。

 レオンの攻撃はイブリースに直撃し、放ち続けていた腐炎を消す事に成功する。

 しかしイブリースはすぐに切り替えて、剛腕に炎を纏わせてレオンにラリアットのような勢いをつけて叩き込む!



「吹き飛べ! 蠅がぁ!」



――ドゴォォォォンッ!!



「ぐぅぅぅぅ!」



 イブリースの剛腕でレオンは勢いよく吹き飛ばされていく。

 剣で身体への直撃を防ぎ、なんとか壁に激突する前にアルの付与魔法のおかげで空中で体勢を整えて上手く着地する。


 イブリースが視線を後衛組のほうへ戻そうとした時、とんでもない魔力の膨張をイブリースは感じた。

 イブリースが視線を向けるとさっきまで自分に向かってきていた2人は左右に大きく開いており、とんでもない魔力を溜めているアイカが自分を見ていることに気付く。

 イブリースにむけた射線は完璧に開かれていた。



「お返しよ! 最大出力! 『飲み砕く大渦(タイダルストリーム)』!!」



――ゴゴゴゴゴッ!!



 能力によって最大限にまで膨れ上がった威力で攻撃は放たれた。


 アイカが展開した青く巨大な魔法陣から放たれる大渦が地面を抉りとりながらイブリースへと迫っていく。

 アイカのユニークスキルで5倍の威力にまで膨れ上がった水魔法は水魔導へと進化しており、イブリースの頭には一瞬死が過るが、エリア守護者の1柱としての意地がイブリースを燃え上がらせる。



「ふざけるなぁ! 腐炎の濁流!」



 イブリースが再度、腐炎の濁流を放つ。

 触れた魔力を腐らせる炎と全てを飲み込み砕く勢いをもつ大渦がぶつかり合う。

 激突の瞬間こそ拮抗するようにぶつかり合ったが、すぐにアイカの放った水魔導『飲み砕く大渦(タイダルストリーム)』がイブリースの腐炎を完全に飲み込む。



「我が人間如きにぃぃ!?」



――ズゴゴゴゴォ!!



 エリア奥の階段まで到達した大渦は壁に激突して勢いを無くしていく。

 5倍にまで膨れ上がった威力はイブリースを形も残さず砕き散るほどの威力だったようで素材の1つも残っていない状況だった。


 レオンの下に急いで治療へと向かうエリ、作戦だったとは言え一撃大きいのを貰ったレオンはさすがに応えているようだ。



「回復魔法! “癒しの波動”! 大丈夫ですか? レオンさん」


「さすがに危なかったね。僕の防御力じゃ1発受けるのが限界だったよ」



 エリの回復魔法を受けながら苦笑いするレオン。

 しかし7人は確かな自信を宿していた。

 ユニークスキルに頼りっきりだったのは否定できないが、自分たちの戦い方が強大な魔物にも十分通じることを、そしてレオンこそ大ダメージを受けたが、そこまで苦戦することなく、『罪の牢獄』での壁と呼ばれていた階層を突破できたことを確かに感じていた。



「まだ行ける気がするんだがどうよ?」


「確かに…まだもう1階層は様子見で行ってもいいかもしれないですね」



 タクミマンとアルは今の戦闘が想像以上に楽だったのと手応えを感じたようで、回復を出来次第に階層を進もうと提案している。

 風香とサキも消耗が少ないかったので反対することも無く、結局流れに乗るように次の階層に進むことにしたのだ。


 イブリースとの戦闘に関して反省点を話し合いながら階段へ向かう7人。

 アイカが火力のほとんどを占める形となっているので、いかにそこまで上手に運んでいくか、そしてアイカの一撃が凌がれた後の対応について深掘りしていく。



「やっぱりアイカが5属性の魔法使えるのが大きいよね!」


「……圧巻」



 何度見ても規格外であるアイカのユニークスキルに驚愕するメンバー。

 そして次の階層へと降りられる階段の前へ来た瞬間。

 7人の真下に魔法陣が描かれる。



「えっ!?」


「罠だッ!」



 アルの叫びも空しく。

 7人はどこかへと転移されてしまった。







――『罪の牢獄』 ダンジョンエリア 地獄の門



 『夢幻の星(ドリームスター)』の面々がイブリースを撃破するのを確認して、俺はポラールのところまで来ていた。

 素晴らしい連携だったが次の階層でおそらく苦戦して魔道具を使用され面倒なことになる前に転移の罠を使って『夢幻の星(ドリームスター)』とフォルカではない姿で会うことにした。


 綺麗に全員転移されてきたのを見て、俺は7人に声をかける。



「イブリース撃破おめでとう。俺は『大罪の魔王』という者だ」


「魔王…」


「みんな警戒して!」



 レオンとアイカがすぐに反応してくる。こんな状況でも落ち着いていられるのは素晴らしいと言える。

 俺のほうは背後にポラールが控えてくれている。なんという安心感。


 さすがに罠に引っ掛かって転移させられて良いことがあるわけがないと心得ているのか警戒度が高い。



「ちなみに脱出の魔道具は使わないほうがいい」


「…なんでそれを知っている?」


「使っても良いが、うちで捕えた君たちの仲間2人がどうなるか分からん」


「マコ・マコとリンランを!? 卑怯者め!」



 本当に捕らえられたと確信できるまで名前を言わないほうが良いと思うが、そんな心のツッコミは置いておく。


 それにしても脱出されるのが面倒だから捕らえただけなのに随分な言われようだ。

 ガラクシアに頼んで、『夢幻の星(ドリームスター)』の拠点に行ってもらって確保してきてもらった。

 今はレーラズあたりと仲良くやっているだろう。



「逃げられると面倒だからな。転移させたのは話がしたかったからだ」


「わざわざ何の用だ?」


「今後のためにも「プレイヤー」が数人戦力にほしい。配下にならないか?」


「ふざけるなッ!」



 俺の言葉に被せてくるようにレオンが叫んでくる。

 他のメンバーも同じ意見のようで、言葉には出さないが激昂しているようだ。

 

 さすがに自分たちが帰るために討伐しなければいけない相手から誘われたら怒るのも無理ないか。頑張ってストレートに想いを伝えてみたんだが…。



「イブリースを倒したはいいんだけど、うちのダンジョンはまだ10階層はあるんだ。さすがに待てなくてね、全滅させるか仲間になるかで決めてほしいんだけど?」


「くっ……後ろの魔物と戦うのかしら?」


「いや…9体の魔物から1体選んでいいぞ。もし勝てたら俺は自害することを約束するさ」



 俺の発言でポラールから驚愕と言わんばかりの息を呑む音が聞こえたが反応するのはやめておく。きっと自分が全部やるつもりだったんだな。


 全滅とは自分で言ったが必要ない人物は倒してしまって大丈夫だろう。



「そんなに配下になるの嫌なもんかね? もしかしたら目標対象が変わるかもしれんぞ?」


「詳しいのね……でも貴方を倒すチャンスでもあるでしょう?」



――ゴウッ!!!



 我慢ならなかったのか地面が軋むほどの闘気と殺気がエリアを覆う。

 正直、俺も鳥肌が出てしまうような迫力だ。

 ポラールから放たれた闘気と殺気で実力の差が絶大だと分かったんだろうな。膝が震えて立ってられなくなり、しゃがみ込みはじめる7人。


 俺もステータス的には大したことないから、実は震えちゃいそうなのである。



「ありがとうポラール…もういいよ」


「申し訳ありません……出過ぎた真似を致しました」


「いや、見事な威圧だった。本当に震えたよ」



 呼吸すら苦しくなってしまったのか、誰も顔を上げようとしてくれない。

 少しだけ待つと、レオンとアイカが顔を上げて、俺と目を合わせる。

 自分たちに選択肢がないことが分かったんだろうな。



「…9人もいらないって言ったわね?」


「あぁ……欲しい人材は5か6人かな? それ以外は死ぬか、ここでの記憶を消していいのならアーク以外のところでやってもらってもいい」


「……私たちは仲間を捨てる気はないわ。抵抗させてもらうわ」


「捕まっている2人は助けてあげてほしい」



 レオンとアイカが立ち上がれないものの武器を構える。パーティーのリーダーという責任感だけで、こうやって立ち向かえるのならば、こういった精神的な強さは称賛できるもんだな。


 俺は『大罪』の名が記されたカードを9枚投げる。



「その中から好きなの選んでくれ。選んだ1体の魔物と戦ってもらう」



 7人はカードをゆっくりと確認して話し合う。

 きっとモニターを見ながら自分が当たるかどうかウキウキしてそうな『枢要悪の祭典(クライム・アルマ)』の姿が目に浮かんでしまうのが、なんとも言えない気持ちになるが、どれを選ぶんだろうな。



「私が選ばれてしまったら、私が一番弱そうということですか?」


「どんな魔物か想像するだろうかな……弱いというより戦いやすいかどうかじゃないかな?」



 誰だろうな? みんなのことを知っている俺だと、誰が選ばれるのかまったく分からない。

 Lvが一番低いのはアヴァロンだけど、能力を視れる者がいない限り、初見でアヴァロンに勝つのは難しいだろう。


 少し待つとレオンが代表して1枚のカードを提示してきた。



「僕たちが選んだのは『欲夢(パッシオン)』だ!」



 その瞬間7人は再び転移していった。


 思考すら許されない渾沌の祭壇へと…。



 

 

最後まで閲覧していただきありがとうございます!

次回は妾系猫耳フードのニート姫が少しだけ活躍してくれますので、楽しみにしていただけると嬉しいです!


次話もよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 行き先はジゴクですよ(某ニンジャスレイヤー)
[気になる点] >もし勝てたら俺は自害することを約束するさ 奥に一も無いのは分かってるけど、これ本気? その他の眷属残して自害するの?
[気になる点] >「…9人もいらないって言ったわね?」 →言ってませんね。数人と言ってますが、話の流れ的にはパーティー全員とも取れます。 >「あぁ……欲しい人材は5か6人かな? それ以外は死ぬか、こ…
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