第18話 『自分』らしく行こう
『大罪の魔王』を閲覧していただきありがとうございます‼
この組み合わせ前からやりたかったです。
個人的に好きなデュオのお話です。
『我が名は『Δ』』
『我が名は『γ』』
「……めんどくさそう」
「頑張りましょうね~メルちゃん♪」
コロシアム中央で第2試合の出場する面々が向き合う。
『女神』陣営から出てきたのはΔとγとかいう先ほどのレムという機械天使とは全然違って外見は普通の人間……『大罪』陣営にとってどこか見慣れた外見だったのだ。
2人とも『七人の探究者』を似せられて産み出された存在なのだろうとソウイチたちは話す。
Δは『天海を揺らす者』ことアルバスと瓜二つで少し瞳の色が黄金に輝いているくらいの違いで、γは『白銀の蒼穹、虹の笛』ことカノンで、こちらも瞳の色が黄金に輝いているくらいしか外見の違いが無いのだ。
『大罪』陣営からはメルクリウスとレーラズというガチガチの戦闘タイプではなく、サポートだったり奇襲タイプの2人に頼ませてもらった。
何故この2人になったかと言えば、メルがレーラズと一緒に出たいって言うお願いがあり、誰も反対することがなかったためである。わざわざレーラズを指名しているあたり何かしら仕掛けがあるんだろうと皆察したのだ。
「全然……あの2人と違う魔力出てる」
「天使の要素は無くなってしまったようですね♪」
先程バビロン&リトスと戦っていたレムはまだ『勇気』という『七元徳』の力が混じっており、神熾天使の要素も含まれていたのだが、Δとγは天使の気配はまったく無く……先ほどのレムと似て『無限』と似た魔力を2人は感じる。
レーラズはメルクリウスを抱きしめながら、警戒を外さずにΔとγの動きを観察するが、すぐに自分たちと同じように相手の動きを観察し、そこからカウンターアクションを決めていく作戦なんだろうとレーラズは予測する。
コロシアム全域に大量の樹を誕生させながらレーラズはΔとγに問う。
「貴方たちは誰の力を似せた者なんですか~?」
「……少し馬鹿にしてるの良いかも」
「別に似せることを馬鹿にしてるわけじゃないですよ~♪」
軽口を言い合うレーラズとメルクリウスを特に咎めることなく、さらにはコロシアムの至る所から生えてくる樹もそこまで気にすることなくΔとγはレーラズの質問に答える。
『『女神』様は君たちの力に非常に興味を示している』
『あらゆる方法で相手を死に追いやる力を』
「あらあら~♪ 私たち褒められてますよメルちゃん」
「……殺意増し増しだけどね」
――ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
レーラズ&メルクリウスとΔγが心温まる会話を続けながらも、コロシアムはレーラズが発生させた樹によって覆い尽くされていく。
『世界樹の機能』と『極大地魔導』の両方を持つレーラズであれば、大抵の阻害能力を潜り抜けて戦場を自分の得意な形に変化させることができるのが大きな強みであり、どこでも適応できるメルや五右衛門のようなタイプとは相性が良い。
Δとγは自分たちをも飲み込まんとする樹に対し、ようやく手を掲げて迎撃態勢にはいる。
――ギャリギャリギャリッ!!
「……同じ」
『その技は学習済みだ』
Δとγの迎撃アクションに対して反応したのはメルクリウスの『歪み渦巻く怒りの海』、しかしそのメルクリウスのアクションに反応して返ってきたのはγの『歪み渦巻く怒りの海』であり、互いの『歪み渦巻く怒りの海』がぶつかり合い互角の競り合いが行われる。
そんな中、自分たちを飲み込まんとする樹に対し、Δは黄金の魔力を解き放つ。
『天穿つ黄金の絶炎』
――ドドドドドドッ!
Δとγ2人のを守るように地面から噴き出てきたのは『黄金の火』。
迫りくる樹を燃やし尽くし灰と化していく『黄金の火』に対し、さすがのレーラズも困ったものだという顔をしながら燃え広がっていく『黄金の火』を眺めつつ、『女神』陣営が今まで誰かが見せてきた力を再現できることの面倒さにため息を漏らす。
メルクリウスのほうはγと『歪み渦巻く怒りの海』のぶつけ合いをしながら、時間をかけすぎて手の内を見せるのは本当に良いことが無さそうだと考えつつ、どう決めに行くべきかと頭を悩ませている。
「『黄金の火』で燃やされるのは嫌なので決めに行きましょう♪」
「はーい」
レーラズとメルクリウスから周囲を歪ませるほどの魔力が溢れだす。
そんな殺意にまみれた魔力に対し、γの『歪み渦巻く怒りの海』たちが一斉に襲い掛かる。
『歪み渦巻く怒りの海』と『黄金の火』が迫りくる中、レーラズとメルは的確に世界を塗り替えた。
『後頑張って……『宵明けにて煌めく水面の中の水星』』
『は~い♪ 『星空領域凍獄盾』』
展開されたのはメルクリウスの認識を消し去る小さな水星である『宵明けにて煌めく水面の中の水星』と、レーラズの気配を断ち、身を護ることのできる結界盾である『星空領域凍獄盾』。
γの『歪み渦巻く怒りの海』は攻撃対象を見失い、『黄金の火』は2つの結界が出来ると同時に掻き消された。
メルクリウスの味方であるレーラズも『宵明けにて煌めく水面の中の水星』の影響でメルクリウスを認識できない状況であり、こうなることも事前に決めていたレーラズは少し動揺はあるが次の一手の準備をする。
「う~……本当に気持ちの悪い感覚ですね」
「『儚き水星は心の中に』」
「『銀ノ雨ハ穢レヲ抹消ス』」
「『三叉矛よ、天海を穿て』」
『星空領域凍獄盾』で気配がある程度断たれていたとは言え、Δとγは微かに感じていたレーラズに意識を向け、攻撃を繰り出そうとした瞬間、メルクリウスの『儚き水星は心の中に』により天に輝く小さな水星に意識を縛り付けられる。
Δの放ったガラクシアが使用していたスキルである禁忌魔導『銀ノ雨ハ穢レヲ抹消ス』は誰もいない上空にむかっうて放たれ、γの放ったアルバスが誇る最高峰の水属性のスキル『三叉矛よ、天海を穿て』も空を切っている。
レーラズもメルクリウスの『儚き水星は心の中に』に意識やら視線やら縛り付けられているが、そんなことはおかまい無しと自分の力を解き放つ。
「さぁ皆で休みましょう♪ 『歩みを止めた世界|は甘美な悪夢に抱かれる《ブ・ナイトメア》』」
レーラズから桃色の魔力の霧が広がり、一瞬にして『宵明けにて煌めく水面の中の水星』をレーラズの色で染め尽くされる。
――パキパキッ パリンッ!
「ふふっ♪ ゆっくり休むことも大事ですよ~♪」
突如砕け散る『宵明けにて煌めく水面の中の水星』の中でレーラズは優しく微笑むのであった。
最後まで閲覧していただきありがとうございました‼
デュオってなかなか良いですよね。
どの作品でも輝かしいデュオはいるので
上手く書けるようになりたいなぁ
次話もよろしくお願いいたします。




