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底辺のおっさんは、よろ乳首ンタを受けてのたうち回る

 うーむ、名前をくれと言われても猫の名前で直ぐに出るのはアレだが、危険な気がする。

 辺りを見回すと『にゃんとしー』の側には俺、卯実、アイバット達。

 ドラゴニュートじゃなくて、えーっと、忘れた。

 ヤツの周りには、ヨウ以外のゴブリン達がいる。

 眼帯野郎を手にするトイの周りにはヨウ、ホルダー、ブロゥがいた。

 竹井君の側と言うか、シヤルローネ王女の側には土下座するアンと山羊夫婦にた治療を受けているエルスタスとセラン、最後に転がる岩を片付けている竹井君がいる。

 朝丘とジャンのおっちゃんはー、うん、見たくねえねし、何時までべさめむーちょ、してんだよお前等は。

 ん、あれ?つてか下井はどこに行った?

 俺が首を傾げていると、不意に『にゃんとしー』が悲鳴を上げる。

「にゃ、にゃめら。のどをしてこしょこしょしちゃ、にゃめなのにゃ。しっぽもらめなのにゃー」

 能面の様な顔をした卯実に撫で回され、アイバット達に身体を擦り付けられながら『にゃんとしー』は悶えて地面に転がっていた。


「痛っ!」

不意に聞こえた声の方を見るとヨウが自分の胸を手で押さえてよろけている。

「ポィン!」

お次はブロゥが声を上げて自分の胸を手で押さえてよろけてる。

 あ、目があった。

 ダメな目だ、アレはきっとダメな目だ! 鶏の表情は分からんが、多分、きっとダメな目だ。

「ポゥ!」

ブロゥが一鳴きすると大ジャンプで俺の背後を取りそのまま俺の背後に隠れる。

 や、ここは、普通に『とう!』とか『ハッ!』とかで良いだろ、掛け声は、なんだよ『ポウ!』って。

 トイが手首の回転だけで眼帯野郎を振り回しながら俺の方にやって来る。

 小気味良く風切り音を鳴らしながらトイが来る。

 回しているのがチェーンだったら昭和の青春ドラマの不良か何かの様だが、振り回しているのは折り畳まれた眼帯野郎だ。

 トイが俺にゆっくりと近付き、ブロゥが俺の背中を押してトイに近付ける。

「ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダディ、ヘ、ヘルプミー」

コラ、怪力で押すな、ブロゥ!

 ブロゥに押し出されて、よろけた俺はトイの側に立つ。

「よろ乳首ンタです」

トイがいつもの無表情で眼帯野郎を繰り出し、俺は吹き飛ぶ。

 トイのスナップを利かせた横殴りの一撃に俺は吹き飛び、地面を2度3度とバウンドしてから転がる。

「ダディー!」

ブロゥが叫んだ。

 語尾のポはどうした?

 ってか滅茶苦茶痛え! なしてじゃ!

 痛みに悶えのたうち回る俺に影を落とすヤツが現れる。

「モッさん。

 改造しようか? うん、しないとね、改造。

 あの腐れ眼帯野郎の改造をさぁ。

 フヒヒヒヒ」

倒れ、のたうち回る俺に影を落とすヤツ、下井凛花が手にする手回し式ドリルをキリキリと音立て回しながらフル装備で現れた。

 ドリルを回す下井。

 眼帯野郎を回すトイ。

 二人は一歩前に出る。

 ってか、乳首、痛すぎ!

 更に二人は一歩前に出る。

 二人の距離がゆっくりと近付く。

 下井の手回しドリルがキリキリと音を立てる。

 トイの手にある眼帯野郎がヒュンヒュンと音を立てる。

「トイちゃん、そいつを捨てるんだ」

下井がトイに命じる。

「下井凛花、よろ乳首ンタです」

無表情のトイが告げる。

 二人が踏み込み、そして激突する。

 ······ はい? アホですか? お前等?

 トイの横殴りの一撃を下井がドリルを立てブロックし眼帯野郎が絡まる。

 下井が眼帯野郎を受け止めると同時にドリルを高速回転させたのだ。

 巻き上げられて行く眼帯野郎。

 トイは放すモノかと堪えるも、眼帯野郎は巻き取られ、無表情でうなだれるトイ。

 巻き取られた眼帯野郎の悲鳴が、ホルダーにより中継されて、頭に響いた。

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