表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/467

底辺のおっさんは、飛び越される

 ああ、俺が監禁されてから一体何日過ぎたのだろうか。

 時間の感覚は最早無い。

 する事が無いから寝てばかりだ。

 山羊夫婦がイチャイチャする姿を見たく無いから眠る。

 食事以外に起きている時間は殆ど無い。

 ああ、なんだかんだ身体が痒い。


 ああ、今日も、からだ、かゆい、食事、食べる······


 かゆ、うま······


 とまぁ、アホな妄想をして見たが、今日も、今日とてカドゥがダッシュで俺の元にやって来た。

「神たる我が主ー! 御早うございますー! 今日の診察ですぞ!神たる我が主!」

朝から元気なヤツだな、うるせぇし。

「主殿、おはよう。

 今日はアタシも診察するから宜しくね」

ヨウがカドゥに遅れてやって来た。

「マスター ヤマモト、おはよう。

 ふむ、顔色は普通か。これなら問題あるまい」

ホルダーが3匹の眷族『アイバット』に運ばれてやって来た。

 ホルダーの眷族『アイバット』は、俺の拳程の目玉にコウモリの翼と足を付けた謎生物だ。

 アニメや漫画とかに出て来そうな姿で、なかなか愛嬌がある。

 ホルダーを運ぶ長男のアイン君はキリリとした瞳が特徴だ。

 次男のアル君はなんとなく眠そうな瞳で和む。

 多分、長女のミイは二重で空色の瞳が可愛いな。

『アイバット』の3兄妹は俺にホルダーを渡してから、グリグリと俺に身体を擦り付ける。

 うん、可愛いヤツ等だ、最早『へのへのもへじ洞窟』のマスコットだな、うん。

『アイバット』達は度々俺の所へ来てくれていた数少ないお客さんだったな。


 ヨウ、カドゥ、ホルダーの診察を受けて『問題なし』のお墨付きを貰い、俺は食堂に向かって行く。

 因みに『アイバット』達は俺の頭と両肩で休憩中の為、ホルダーは久しぶりに本来の持ち主のヨウの手にある。

 人格があるから『物』って印象が薄くなってるな。

「マスター ヤマモト、余り眷族達を甘やかさないでくれ。仕事を放棄して君の元で遊んでばかりだ。

 全く、誰に似たのだか」

それは多分トイさんですよ、先生。




 俺は食堂にやって来るなりあの台詞を吐く。

「ソ◯モンよ! 私は帰って来た!」

うん、外した。

 うん、気付いていたよ、うん。

 だからその『何言ってんだコイツ』みたいな目を向け無いでよ、みんな······


「ヤマモト殿! とう!」

アンが掛け声と共にジャンプしながら丸まって回転し、俺の頭上を飛び越しカドゥの前で土下座着地する。

「ヤマモト殿! この度は恩を仇で返す様な真似をして申し訳ないであります! 誠に自分が情け無いでありますよ」

あー、うん、なんだ、それ、カドゥだよ。

 おそらく下井の入れ知恵だろうと、下井を見ると腹を抱えて転がり笑ってやがった。

「この通り頭を下げるであります。

 どうか許して欲しいであります」

アンの謝罪を震えながら聞き終えたカドゥは気合いの声と共に拳を繰り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ