底辺のおっさんは、油断した
また、短い
地味に全身が痛ぇ。
夜中に呻いてみんなの睡眠の邪魔をしたくないから、俺は1人で最奥の作業場で寝様としたが痛みで寝付けずにリザードマンの加工を徹夜でしてしまった。
朝飯だと呼びに来たカドゥと一緒に食堂に向かう途中で、俺は赤毛の少女の経過をカドゥに尋ねてみた。
「峠は越えましたが四肢の不能と右目は我の手には負えず。
神たる主の期待に御応えできずこのカドゥの不徳といたすところ。つきましてはこのカドゥ命を持って神たる主にお詫び申し上げたく思う所存でございます」
「そんなに思い詰めんなよ。カドゥは十分に役目を果たしてくれたんだし。
あー、うん、なんだ、そのな、ありがとうカドゥ」
俺は礼を言いながら進んで行くが、カドゥは追って来なかったので振り返るとカドゥが滝の様に涙を流していた。
め、面倒臭いヤツ······
カドゥの手を引きながら俺達が食堂に着くと、そこには赤毛の少女が寝かせられていた。
「おはよう、相棒。身体は平気って、聞いても相棒はいつもごまかすよねー」
卯実が挨拶もそこそこにジトっとした目を向けて来る。
「モッさんおはよーん。ダミだよー徹夜で遊んじゃあ。
んで、何モン作ったのよ、モッさん」
な、●ニモンは作って無いぞ、デジタルなモンスターぽいのは作ったけど。
「まぁええけどね。昨夜のモッさんライブはノリノリでしたなぁ、うーちゃん」
「そーねー、イカれた蝶になるんだっけ? 相棒」
「ガチャは無限大な夢だよねーモッさん」
ごめんなさい、勘弁してケロ。
「殿下、彼方の方がヤマモト殿でありますか?」
「ああ、アンを救った好漢だ。
彼に任せれば何の心配は無いぞ」
「はっ! 騎士候補生アンは全力でヤマモト殿に任せるであります!」
赤毛さんは『であります』さんだったのか、ってか全力で任せるってアホな言葉だな。
俺達はシチューにご飯をブチ込んだ物を朝飯に食い、顕現の準備をする。
今回は念のために義肢、鎧、兜の3つを顕現する。
「行くぞ顕現!」
願う様に、祈る様に俺が宣言すると、周囲を閃光が満たして俺達は、お約束の『あの言葉』を叫んだ。
「目がーーー!!」




