底辺のおっさんは、食品祭りを開催する
短い
結局は呻く俺の代わりに卯実がメモ用紙を取って来てくれた。
まずは俺のシチュー、下井の牛丼、朝丘の惣菜の詰め合わせ、竹井君のラーメン、シゴのハヤシライス、卯実のペペロンチーノなのだが、卯実は待ったを掛けて悩み出す。
「あんな山本さ。おで聞きてぇんだべが、ええか?」
不意にジャンのおっちゃんが手を挙げて俺に尋ねて来た。
「ん、おっちゃんも何か食いたいモンでもあるのか?」
「うんにゃ、ねえだよ。
ただなぁ山本さ、おでにゃなしてこげなこっとすっか分かんねぇんだぁ。
好きなモン呼べねぇだか?」
ジャンのおっちゃんの疑問に俺は固まる。
仕切りに首を捻るジャンのおっちゃんの疑問はすでに過程をすっ飛ばして答えにたどり着いている事に俺は気付いた。
まず、メモ用紙を利用してダンボール箱のガワを複数作る。
『食料10日分改』を顕現して中身を取り出してフィギュア化する。
ガワを変えて再び顕現して中身を取り出してフィギュア化する。
これの繰り返しで好きな物が手に入る可能性が高い。
もしガワが一体化したとしても上から張り直しすれば良いだけなので試す価値は多いにある。
俺達は古い『食料10日分改』を1つ使って実験した結果、3回までは成功し、4回目でフィギュアが消失した。
何気に初の消失だが、まだ2つあるので、新しい『食料10日分改』を使って4回目をガワの張り直しではなく、今まで通りにプラスチック粘土を加工してダンボールフィギュアで試したら4回目も成功した。
因みにメモ用紙のガワは、全員で手分けをして作ったのだが、下井が全身発光して眩しかったよ。
スキル全開で試す事なのか? まぁ完成度は下井が一番、高かったけどさ。
計14箱のダンボールの内訳は。
カレーが4箱分で160食。
シチューが2箱で80食。
牛丼が1箱で40食。
ハヤシライスが1箱で40食。
袋ラーメン(塩と味噌)が1箱づつで、なんと各80食分もあった。
惣菜の詰め合わせだが、朝丘がキャンセルして代わりにハンバーグと肉じゃがに絞り込んで。
ハンバーグ1箱で40食分。
肉じゃが1箱で40食分。
無しにした、トイのパンケーキの元を1箱で40食分。
卯実は悩み抜いた結果、ボンゴレを1箱で40食分だが、指定が煩かったが成功した。
『青のダンジョン、ボンゴレビアンコ』って言う少しお高いヤツだが旨いらしい。
俺は食った事が無いがな、それ。
手に入れた食料を必要な分以外をフィギュア化して俺達はすったもんだの1日を終えた。
明日は義肢と猫を顕現しよう。




